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EDiCube TP1030AV

EDiCube TP1030AV

2001年01月25日 19時09分更新

文● 伊藤裕也

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EDiCube TP1030AV

エプソンダイレクト

11万4800円

1月24日に発表されたエプソンダイレクトの「EDiCube TP1030AV」は、ノンリニアDV編集に対応している「EDiCube TP830AV」の後継モデル。TP830AVといえば、エプソンダイレクトが「GigaSize」と呼ぶ参照AVI方式の採用により2/4GBオーバーの映像(DVデータ)の連続取り込みに対応、合計2時間もの長尺な映像を記録可能な30GBのHDDとエプソンダイレクトオリジナルの本格的ビデオ編集ソフト「DV Symphomovie 2.0」を搭載――と、個人的な趣味でビデオ編集を行う限りにおいては十分なスペックを持つPCベースのビデオ編集システムだった。今回発表されたTP1030AVでは、CPUをPentiumIII-800EBMHzから同-1BGHz(133MHz×7.5)に強化しつつも価格面ではTP830AVと同じ11万円台をキープし(価格差は+5000円)、コストパフォーマンスを従来モデルよりも大幅に高めているのがポイントだ。ここでは、その詳細をご紹介しよう。

スペックアップでビデオ編集がより快適に

フロントはCD-RW&DVDコンボドライブとFDD、それにパワースイッチによるシンプルな構成。IEEE1394ポートが前面にない点が惜しい。

 ハードウェアの主な構成は、メモリが標準で128MB(最大384MB)、ビデオチップはチップセット内蔵のi810E。ストレージデバイスとして30GBのHDDとCD-RW(12倍速書き込み10倍速書き換え)&DVD-ROM(8倍速)のコンボドライブを内蔵し、さらにDVカメラなどのデジタルビデオ機器を接続するためのIEEE1394インターフェイス(×3、PCIカードで実現)など、CPU以外はTP830AVとまったく同じ。主なプリインストールソフトも、OSにWindows Millennium Edition、ビデオ編集ソフトに「DV Symphomovie 2.0」、DVD-Videoプレーヤに「WinDVD(インフォマジック製WinCinema Arena)」、そしてCDライティングソフトとして「B'sRecorder GOLD/B's CLiP」と、特に変更はない。つまり、スペック面で注目すべきポイントは、冒頭に記載したCPUの強化のみといえる。もっとも、TP1030AVは映像の圧縮/復元をCPUパワーで処理する、現在では一般的なソフトCODECのビデオ編集システムなので、CPUの強化によってビデオ編集にかかる各種処理時間の短縮が確実に期待できるわけだ。



エプソンダイレクトのDV編集ソフト「DV Symphomovie」では、素材となるビデオクリップに対して個別に透明度やモーションを設定できたり、トランジションエフェクトのかかり具合を変更するフェーダーを装備するなど、便利な機能を豊富に備えている。画面上はDVデータの入出力を主に行うための「DV Deck」モード。トリミングなど映像に変更を伴わない編集であれば、このモードだけで十分に作業できる。続く画面下はマルチトラックによるビデオ編集が可能な「DV Edit」モード。タイトルの適用やBGM、ナレーションの追加など、取り込んだ映像を1本の映像作品として作りこみたい場合にはこちらのモードを使用する。

 ではここで、参考までにDV Symphomovieを用いてトランジションエフェクトを適用した際、レンダリングに要した時間を前モデルと比較しながら紹介しよう。テスト条件は、8秒間の映像をふたつ作成し、ワイプとクロスストレッチをそれぞれ2秒間、もしくは4秒間適用する限定的なもので、結果はワイプ2秒間の適用でおよそ13秒、4秒間で26秒、クロスストレッチは2秒間で14.5秒、4秒間で29秒ほど(図1参照)。ただし、この結果は常にHDDのステータス(デフラグ直後か、書き込み位置が内周か外周か)に大きく左右されるため絶対的な数値ではないが、DV編集の際にどの程度の時間がレンダリングに必要になるのか、およその感覚はご理解いただけると思う。

DV Symphomovieを使って、ワイプとクロスストレッチのトランジションエフェクトを実行したところ。グラフでは、30~38%の高速化が見られるが、より長い動画のレンダリングでは、HDDへの書き込み時間が長くなるため、これより差は縮まってくると思われる。それでも、エフェクトの結果を実際に見てみるといった場面ではかなりストレスを感じなくなりそうだ。

 ちなみに、DV Symphomovieは映像に変更の生じる部分のみをレンダリングし、該当する部分のみをオリジナルの映像と差し替えて表示する仕組みが組み込まれている。そのため、たとえ再生時間が10分のビデオタイトルの作成(全体をレンダリングすると数時間は要する)であっても、クロスフェードやワイプなどの処理を数えるほどしか使っていないレベルであれば、レンダリング処理はものの数分で完了する。タイトルやフレームを追加したとしても、ごく一般的な作りの(特殊効果がうるさくない)タイトルであれば、数分から十数分でレンダリングできるはずだ。
 そのほか、TP1030AVではタイトルなどに使用できるフォントとして、エプソン独自の「EPSON丸ゴシック体M」「EPSON教科書体M」「EPSON行書体M」「EPSON正楷書体M」「EPSON太角ゴシック体B」「EPSON太丸ゴシック体B」「EPSON太行書体M」「EPSON太明朝体B」という8種類の書体も備えている。

 価格は、PC本体のみの標準構成(Officeアプリレス)で11万9800円。TP830AVの価格よりも5000円高くなっているが、強化されたCPUを考えればむしろ買い得感は非常に高い。
 気になる点を敢えて挙げるなら、ケースの制限で拡張性に難があり、DV Symphomovieで使用できるトランジションエフェクトの数が少ない(ワイプ、クロスストレッチなど合計32種類用意されているが、その内容には3Dの押し出し効果などが多くなっており、ブラインド効果など比較的無難で多用したいものが少ない)――といったところだろうか。拡張性についてはある程度割り切ったことで低価格化を実現しているEDiCubeブランドなのでしかたがないところか。トランジションエフェクトの数と種類はユーザーの見せ方(工夫)次第でいかようにもできるところだが、できることならエフェクトの更なる拡充を望みたいところだ。
 ともあれ、個人の家庭で使うビデオ編集システムとしてはむしろオーバースペック気味とも言えるほどの実力を有していることは間違いない。ビデオ編集に挑戦しようと思っている人からノンリニアDV編集を本格的に楽しみたい人まで、DVソースをお持ちで編集に興味のある方なら要注目のシステムだ。

本体内部の様子。コンパクトなケースとコンパクトなマザーボード(ASUS MEW-AM)を採用しているため、後からユーザーによる増設、拡張は厳しい。なお、初期状態で空いている――つまり増設の可能なスロットはメモリとPCIスロットがそれぞれひとつのみ。ベイに関しても、5インチと3.5インチ(HDD用)がひとつずつ空いているだけ。
6ピンのIEEE1394ポート×3をはじめ、モジュラーポートやネットワークポート(10Base-T/100Base-TX)など、数多くのポートを用意している。
CPU PentiumIII-1BGHz
メモリ 128MB
ビデオ i810E
HDD 30GB
CD-RW&DVD-ROM R12倍速/RW10倍速/DVD8倍速/CD32倍速
通信 モデム&LAN
OS Windows Millennium Edition
モニタ オプション
Officeアプリ ×/○(選択可能)

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