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6月30日、Do Linux!第1期生がRHCE(Red Hat Certified Engineer)コースの受講を終了した。RHCEは、4日間の講習と、1日の(RHCE資格取得のための)試験というスケジュールである。最終日の試験では、マニュアル類を何も見ずに、ソラでシステムの不具合修正や構築を行なわねばならない。日刊アスキーでは、RHCE最終日、つまり最終日の試験を終えた直後に、受講者の皆さんにお集まりいただき、RHCEとはどういうものなのか、インタビューを行なった。かなり厳しい5日間だったようで、皆さん精も根も尽き果てたといった雰囲気であった。
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RHCE教室 |
I.Nさん
Windows NTを扱っていたエンジニア。仕事でLinux/UNIXを使った事はない。昨年(1999年)1年間はUNIXの学校に通っており、基本的なことはそちらで勉強。Do Linux!には、内容が濃そうだったので参加
M.Iさん
今まではWindows NTの仕事をしていた。MCSE(Microsoft Certified Professional System Engineer)保持者。今年4月には、パソナテックでSolarisの講習を受講している。Linuxもスキルとして身につけたいと思っての参加
I.Iさん
汎用機でエンジニアリングをしていた。個人的にノートマシンにLinuxをインストールしていたほか、アルバイトでLinuxによるWebサーバの立ち上げを経験。本で勉強はしていた。Linuxに関しては実績がないので、資格取得を考えた
M.Hさん
Windows NTによるイントラネット構築と社内ネットワーク構築を行なっていた。Slackware時代からLinuxは面白そうだと思っていた。ネットワーク/サーバ分野ではLinuxのほうが使い勝手がいいので、形になるものがほしいと思い、参加
Y.Nさん
前職はプログラマ。UNIXベースのCADのクライアントをWindows NTへ移行する作業を経験。ネットワークの知識は多少あるが、インターネット関連はわからない。今後はアプリケーションサーバが「来る」と思い参加
やはり試験はきつかった
[日刊アスキー]
本日はよろしくお願いいたします。RHCEはたいへんキツイ講習だと聞いています。現在、みなさんはRHCEの全日程(講習4日間と、最終日の試験)を終えられたばかりですが、いかがだったでしょうか?
[Y.Nさん]
私はプログラマとしてやってきていたのですが、プログラミングとインターネット関連の知識というのは違うので、きつかったです。
[日刊アスキー]
たとえば?
[Y.Nさん]
設定ファイルがあちこちに散らばっていて、一貫して作業ができませんし、書式もまちまちなので、本を見ないとできなかったりしました。
[日刊アスキー]
H.Mさんは、Slackwareを個人的に使っていらっしゃったということですが、Linux経験が長い方としてはどうですか?
[H.Mさん]
多岐にわたる項目を勉強しなければいけなかったので、時間的にとてもきつかったです。できれば講習終了日の翌日に試験ではなくて、翌々日に試験をしてほしかったです(笑)。復習してから試験に臨めますので。まあ、とにかく学生に戻った感じで勉強していました。覚えなければいけないことがある反面、貴重な情報を得られたので、楽しかったです。
[日刊アスキー]
貴重な情報とは?
[H.Mさん]
たとえば、一般に売られている書籍の情報が、正しいか否かということです。Red Hat Linuxのディストリビュータであるレッドハット自身が、Linuxを扱う手順を示してくれているので、技術に対しての自信が付きます。
[I.Nさん]
私はFreeBSDユーザーなのですが、FreeBSDと比べるとLinuxは設定ツールが多いので、便利な面が結構あるんです。そういう意味では、ツールの使い方さえ覚えれば、大丈夫という面はありました。……試験のほうは少しまずいかな(笑)。
[日刊アスキー]
試験は相当きつかったようですね。
[M.Hさん]
講習が終わって次の日にいきなり試験というのが辛いです。講習が終了したあとに1日休んでから、というのであれば復習ができていいのですが。
[Y.Nさん]
カーネルの再構築を家で復習しようとすると、実時間がかかってしまうので何回も繰り返すことができないし。
[M.Iさん]
最終日に試験があるので、とにかく詰め込みましたね。
[日刊アスキー]
睡眠時間もずいぶん削られたのではないですか?
[M.Iさん]
いえいえ。寝ていないと試験の時に考えることができませんので、寝ないわけにもいかないんです。暗記だけではダメなので。私はMCSEを持っているのですが、MCSEの6つの試験を1日で受けるよりもきついのではないでしょうか(MCSEは、Microsoftが指定した6つの資格を得ることで、認定される)。
[M.Hさん]
無理矢理覚えているので、身について役に立つとは思います。
[M.Iさん]
すごく無理矢理覚えました(笑)。
[Y.Nさん]
試験は講習の集大成という感じで、試験を受けてすべての知識が完成するといった感じですね。
[I.Iさん]
自分の場合は、設定ファイルの位置などは講習を受ける前から身についていたのですが、設定の中身を本を見ないでこなすというのは無理だったので、今回は細かいところを身につけるという意味で役に立ちました。
[日刊アスキー]
私が思ったのは、現場において何らかのマニュアルを見て設定ができるのであれば、本を見なくても作業できるようになる必要はないのではないかということです。作業をソラでできるメリットとはなんでしょうか?
[Y.Nさん]
僕は未だに本を見ないとできないと思いますが(笑)。
[M.Hさん]
実際の現場では本を見て作業すると思いますよ。逆に、何も見ないで作業するのは怖いでしょう。
[I.Nさん]
暗記するとカンが養われるんですね。私は試験の1問目でいきなり詰まってしまいまして(笑)、困っていたら「もしかして……」と、その瞬間講習の場面が頭に出てきました(笑)。今後現場に出てトラブルに見舞われたときに、パニックにならずに済むと思います。
[M.Hさん]
RHCEのテストは「現場でハマッた」という状態と同じだと思うんですよね。システム管理者になったときにハマるのと、今試験の時にハマるのはイコールだと思います。OSが立ち上がらない試験なんて、ほかではありませんから(笑)。
[M.Iさん]
デバッグ問題も、ほかの試験ではないですし。
[日刊アスキー]
講習の環境はいかがでした?
[Y.Nさん]
1人に対して2台割り当てられているし、マシンもPentium IIIのものなので、それはいいかなと思いました。
[日刊アスキー]
このビルは秋葉原に近いわけですが、帰りはアキバに寄って帰れるという楽しみもありますね。
[M.Iさん]
そんな暇はないですよー!(笑)
[Y.Nさん]
直行直帰です。朝9時半から午後4時半まで講習を受けて、そのあとに6時半まで教室が開いているので、自習してから帰るというパターンでした。
[M.Hさん]
6時半まで先生が残っていてくれますので、先生に聞きながら自習できます。自宅で復習するとつっかえたりするので。
今後の希望
[日刊アスキー]
今回皆さんLinuxのスキルを身につけられたわけですが、今後どういうようなお仕事をされたいのでしょうか?
[Y.Nさん]
インターネット関連も含めてプログラミング関係の仕事をしてみたいなあと思っています。
[日刊アスキー]
やはりアプリケーションサーバが今後主流になっていくということですね?
[Y.Nさん]
そうですね。クライアントをインストールしなくてもいいというのは楽です。前の職場でも、「バージョンアップするからいっせいに切り替えろ」といったオーダーがくるわけです。その度に本来の作業が止まってしまっていて。これからはWebブラウザですべてが済んでしまうアプリケーションサーバが「来る」と思います。
[M.Hさん]
システム管理者としてやっていきたいですね。イントラネット構築の経験もありますので。将来はLinuxからSolarisにつなげていきたいです。
[I.Iさん]
もともとSEとして仕事をできるようになりたいと思っていて、できたらオープン系の仕事をしたいと思っていました。その入り口ということでLinuxやネットワークの勉強をしています。ネットワーク管理者をやりながら、CやJavaを勉強します。今まではcobolでしたので。
[M.Iさん]
せっかくRed Hat Linuxを勉強したので、Red Hat Linuxを使った仕事をしていきたいです。Red Hat Linuxから離れたくないですね。職種はサポートでも構築でもいいのですが。私の計画としては、今年はRed Hat Linuxを勉強して、来年はWindows 2000を勉強しようかなというところです。
[I.Nさん]
いわゆるUNIX系やLinux系のビジネスをしたいですね。
Do Linux!参加希望者へのメッセージ
[日刊アスキー]
では最後に、Do Linux!に興味を持っている人へのアドバイスをいただければと。
[Y.Nさん]
「体力をつけておけ!」、「よく寝とけ」と(笑)。自宅にLinuxをインストールできるPCがないとキツイですね。
[M.Iさん]
2台あるといいですよ。
[M.Hさん]
マニュアルを見ずに、自力で3回くらい環境を構築できれば受かると思います。
[日刊アスキー]
とにかく体力が一番ということですね? 試験が終わってお疲れのところをお集まりいただきましてありがとうございました。