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LinuxWorld Expo/Tokyo 2000展示会場レポート(その5)

2000年05月22日 03時20分更新

文● 吉川大郎

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 5月11日、12日の2日間、東京ビッグサイトにおいてLinuxWorld Expo/Tokyo 2000が開催された。参加社は85社、入場者数は2日間合計で2万4193人となった。

 展示会場レポート第5回目の今回は、より使いやすく進化したLinuxサーバ設定ツール「HDE Linux Controller」のニューバージョンをはじめ、Alphaマシンに力を入れるデジタルファクトリ(株)のブース、風変わりなプレゼントを行なった(株)テンアートニのブースなどを紹介する。

(株)ホライズン・デジタル・エンタープライズ

HDEブース全景写真
ホライズン・デジタル・エンタープライズのブース

 ホライズン・デジタル・エンタープライズブースの目玉は、なんといっても「HDE Linux Controller 2.0」だ。HDE Linux Controllerは、LinuxサーバをWebブラウザから簡単に設定できるソフトウェアで、今回の2.0では、ユーザビリティが格段に向上したという。また、ラインナップも、前バージョンでは1種類だったものを、「Standard Edition」と「Professional Edition」の2種類に拡充した。

Standard Edition

 新機能として、「システムウィザード」と、「ソリューション別初期設定ウィザード」の、2つの設定ウィザードを搭載した。
 「システムウィザード」は、HDE Linux Controllerが、DNSなどのネットワークの構成を自動的に取得することにより、管理者が最小限の必要項目に記入するだけで、システム設定が可能となる機能だ。
 「ソリューション別初期設定ウィザード」は、インターネットサーバ/イントラネットサーバ/ファイルサーバといった「目的」を指定するだけで、Linux Controllerが設定値を自動生成してくれる機能である。

 こうした機能面ばかりでなく、見た目(ユーザーインターフェイス)を専門デザイナーが担当したことも、2.0のウリのひとつだ。とにかく2.0は、簡単でわかりやすい製品を目指しているという。

Professional Edition

 Standard Editionの機能に加え、

  • SSL(Secure Sockets Layer)による暗号化通信
  • POPサーバのユーザー認証を暗号化して行なう「APOP」への対応
  • CSV形式ファイルによるユーザー一括登録
  • 使用できるディスクスペースの上限をユーザーごとに設定する「quota」の設定機能

が加わっている。

 Standard Editionの発売予定は2000年7月で、予定価格は3万円、Professional Editionの発売予定は2000年秋で、価格は未定となっている。

 以上の特徴のほかに、2.0では「実行のバックアップ」も可能になる。これは、古い設定を自動的にバックアップすることで、どの段階からでも設定のアンドゥを可能にする機能だ。これにより、「もとの設定に戻すことができない」といった事故を防ぐことができるわけだ。

 会場では、実際にStandard Editionのデモンストレーションを行なっていたのだが、ユーザーインターフェイスはこれからもまだまだ改良を加えていくそうなので、よりいっそうのユーザビリティ向上が期待できる。

2.0メインメニュー画面
HDE Linux Controller 2.0 Standard Editionのメインメニュー。「Webサーバの管理」、「ネームサーバ(DNS)の管理」、「ユーザーの管理」、「メーリングリストの管理」、「ファイルサーバの管理」、「グループの管理」といったメニューが並ぶ。“Now Printing”と書いてあるとおり、まだ開発中の画面
バーチャルホストの追加画面
「バーチャルホストの追加」画面。HDEがネットワークの情報を取得してきてくれるため、「ホストアドレス」、「サーバ名」、「ドキュメントルート」という3項目を記入すればOKとなっている。また、画面下に「Undo」、「Redo」といったボタンが並んでいるのにも注目だ

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