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全国8拠点でリモートアクセスサーバを一括導入 ノーツDBを社外常駐先から活用

MKCスタット

1999年11月08日 00時00分更新

文● アスキーNT/イビサ

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図2 松本本社のインターネットのファイヤウォール群。Web用のプロキシサーバ群とメール用のゲートウェイサーバ群によって構成され、複数台のマシンで接続先を分けることで負荷分散を行なっている

 現在、MKCスタットの情報系システムは、ノーツが完全にベースになっているが、Webやインターネットメールなども導入されている(図2)。現在、インターネットとは128kbpsという比較的細い回線でやりくりしており、松本本社にはWeb用のプロキシサーバ(Microsoft Proxy Server)3台とインターネットメール用のゲートウェイサーバ(Linux)3台がファイアウォールとして設置されている。Web、SMTP/POP3のメールサーバ、DNSサーバは、これらファイアウォールの外部に配置されており、社内からプロキシサーバ、ゲートウェイサーバを経由して利用することになる。両方とも当初はPC1台で行なっていたが、さすがにまかないきれず、3台に増やし各拠点からのアクセスをそれぞれのマシンに分散することで、十分実用に耐えるものになったという。なお、セキュリティ確保のため、mkcstat.co.jpのPOP3サーバはインターネットからの接続を禁止し、社内LAN、そしてリモートアクセスサービス経由でのみ接続できるようにしている。

 ノーツ/ドミノR5に関しても当然導入は検討されている。現在使用中の4.6のWebパブリッシュ機能は、部分的に公開しているのみだが、もともとWebブラウザを利用したいという要望は強い。たとえば社外常駐先のマシンを利用する際などは、ノーツのクライアントをインストールするよりも、WebブラウザからノーツDBを利用できたほうがよい。R5では実証実験が終了次第、ノーツサーバをひととおり入れ替え、ケースバイケースでノーツクライアントとWebブラウザのいずれからも利用できるようにする計画だ。

 現在の社内ネットワークに関しての感想をきくと、「VPNなどのような技術もあります。東京に情報が一極集中して、各地に多くの拠点がある場合などは効果があると思いますが、われわれの場合には各拠点に情報が分散しています。ですから、各拠点まではRASなどで社内LANにはいって、そこからは固定料金のフレームリレーでいく。そう考えると、企業の形態にあわせた、現実的なネットワークになっていると思います」(水谷氏)という自己評価をしている。

 現在、リモートアクセスサービスのセキュリティはパスワードをベースに個人の管理になっているが、将来的には指紋のように偽造できない個人認証のシステムを開発し、製品化していきたいとしている。こうした例をみるまでもなく、自社システムの構築・運用で得たノウハウを、そのまま事業に結びつけていくことができる情報のループが、MKCスタットの強みになっているようだ。

今回のリモートアクセスサーバ導入を進めたのがMKCスタットの技術本部。合併や提携などの激しい社内のシステムを業務にあわせ統合していく過程では、社内に蓄積されたシステム構築・運用ノウハウがそのまま生かされているといってよいだろう。

(株)MKCスタット 技術本部 技術部 主事 音喜多 順氏
(株)MKCスタット 技術本部 技術部 GM 水谷 芳利氏

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