このようにノーツDBやノーツメールを全国で等しく利用できるようになっている環境が整っているだけに、やはり社外常駐先や自宅からでも利用したいという要望は当然出てくる。ここで今回のリモートアクセスサーバの導入に話がうつる。
今まで全国の拠点では、有志がそれぞれNTのRASやノーツのリモート接続などのサービスを立ち上げて、これらの要望に対応していた。しかし、管理が各拠点に任されていたので、セキュリティの確保が困難で、管理コストもかかっていた。また、ノーツリモート接続の機能ではインターネットメールやWebブラウズ、ファイルの共有などができないというデメリットもあった。
このため、インフラを整備する技術本部では、全国の拠点でばらばらだったリモートアクセスサーバサービスを一括で行なうことに決定し、1998年の7月から社内の有志と技術本部で検討を開始した。
検討の結果、Windows NTのRASサービスは採用しなかった。理由の大きな点はユーザーがドメインに登録しなければならないからである。業務上、各拠点で人が多く入れ替わったり、社外常駐先からRASを利用することが多く、すべてのユーザーとマシンをドメインで管理するのは困難であり、完全にNTの管理とは独立したRASサーバが必要だったとのことだ。その他、それぞれにクライアントライセンスのチェックが必要なので面倒くさい、雑誌各所で目にする動作に関する不安などがあり、もっとも安価であろうNTのRASサーバの採用は見送られた。
MKCスタットが今回導入したパール・システムズの「Perle833」。最大115kbpsのシリアルポートを搭載し、モデム・TAが自由に選択できる |
なお、Perle833シリーズでは、ユーザーの認証にPerle833の独自のユーザーデータベースを利用する方法、別途RADIUSサーバを利用する方法、NTのドメインコントローラ登録を利用する方法などがあるが、現在はPerle833のユーザーデータベースによる認証を行なっている。将来、管理のしやすさからRADIUSサーバに移行する計画だ。