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ビックパソコン館の3万9800円Linuxマシンレポート

1999年10月05日 03時40分更新

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3万9800円の激安Linuxパソコンを見てきたぞ!

 9月22日付けのASCII24に掲載された、激安Linuxパソコン「SP75」。Vine Linux 1.1CRがプリインストールされ、15インチモニタも付属、さらにはサウンドカードとスピーカまで付いて、なんと3万9800円という破格のお値段だが、なぜこのように安くできたのか? 中身はどうなっているのか? 編集部では、発売元である(株)ビックパソコン館に取材を申し込んだ。

このセットが約4万円。ご覧の通りVine Linux 1.1が動作している。買ってきたら電源を入れ、ビックパソコン館のマニュアルに記述してあるパスワードを入力すれば、Vine Linux 1.1をすぐに使える

背面。シリアル、パラレル、ビデオ、サウンド、モデムと、低価格だからといって削っている機能はない

 取材したのは、ビックカメラ発祥の地である池袋の「ビックパソコン館池袋本店」だ。その7階に、例のマシン「SP75」が陳列されていた。SP75は現在、ビックパソコン館の池袋本店、新宿東南口店、新宿東口店、横浜駅前店、新横浜店、天神と、計6店舗で販売しているという。このマシンをオリジナルブランドとして出荷したいきさつを聞いた。「最近Linuxが話題になっていますし、メーカーもまだまだプリインストールマシンを出荷していない状況なので、オリジナルマシンとして出しました」と、ビックパソコン館池袋本店七階主任の秋葉氏はいう。

ご覧の通り、Intelのチップセット(430VX)が搭載されたごく普通のマザーボード。PCIが2スロット、ISAが1スロット開いている

 ターゲットはやはりパソコン中級者、Linuxは初心者という層だという。Windowsならば苦もなく使えるが、Linuxはわからない、といった層ということだ。全くの初心者では、やはりハードルは高いだろうと秋葉氏はいう。Linux入門マシンという位置づけで考えると、たしかに、WindowsとLinuxとのデュアルブート環境を構築するよりも、たとえ低スペックでも、独立したテスト環境がほしくなる人は多いだろう。

 なぜここまで安いのか? という問いには、やはり部材が低スペックで、価格が安いことが大きいのだとか。とはいえ、現在こうした低スペックのパーツは、コンシューマが見つけることは困難になってしまったものばかりだ。今や、850MBのハードディスクなど、中古ショップにしか置いていない。こうした部材調達が可能な点が、この低価格パソコンを産み出したといえるだろう。

メモリスロットはSIMMで、8MB×2枚=16MBを搭載している

28800bpsだが、モデムも付いている

 売れ行きに関してだが、ある程度コンピュータを知っている人が、「あの安いマシンある?」といって買いに来るそうだ。

 写真を見てもらえばわかるが、すべて汎用のパーツで成り立っているので、拡張性は問題ない(メモリに関してはSIMMなので、おいそれと買い足すわけにはいかないが)。一通りいじったら、ハードディスクのみを付け足して、ファイルサーバとして使っても良さそうだし、家庭内LANのプリンタサーバとしても使えそうである。

ベイ付近。3.5インチベイが1つ、5インチベイが1つ開いている。ケースも普通のミニタワーなので、拡張性については問題ない

CPUAMD K5-75MHz
チップセットIntel 430VX
セカンドキャッシュ256KB
メモリ16MB(最大128MB)
メモリスロットSIMMスロット×4(内2スロット空き)
ビデオS3 Trio64v(ビデオメモリ2MB)
ハードディスクEIDE 850MB
CD-ROMドライブATAPI 8倍速
モデム28800bps(ISA接続)
サウンドカードSoundBlasterPro互換(マイク端子あり、スピーカ付属)
マウスPS/2マウス
キーボード109キーボード
シリアル16550A互換×2
パラレルセントロニクス互換×1
USBマザーボード上にN端子あり
電源230W
付属品スピーカ、電源ケーブル、モジュラーケーブル、Vine Linux 1.1CRの箱、15インチCRT
サポートVine Linux 1.1CRのサポートは技術評論社

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