「時代は、繰り返される」と一般によく言います。確かに世の中は、リバイバルブームで過去のファッションや音楽が流行るようです。人によって意見が異なる所ですが、その時代を体験した世代には「懐古」であり、新たな世代には「斬新」に感じるはずです。
日進月歩のコンピュータの世界は、どうでしょうか。テクノロジーの進化が支えている業界なので、そのようなことはないように思えます。しかし、そんなことは、ありません。それどころか、顕著な感じさえします。
たとえば、TCP/IPがいい例です。ビジネス系では、インターネットが爆発的に利用されるまでは、IPXやNetBEUIに押されていました。一時は、旧世代の遺産的な扱いになりました。インターネットが普及するようになって、「やっぱり基本はTCP/IP」なんていわれます。
UNIXも同じです。ビジネスがパソコンLANを中心とした方向に進むと、UNIXは古臭い高額コンピュータのレッテルを貼られました。海外ではUNIXが担っている業務パッケージのサーバを日本ではオフコンが担っていたため、ビジネスシーンでは出番が少なく冷遇されていました。インターネットとPCベースのUNIXによって、UNIXが見直されるようになりました。
一時は心配されていたSun Microsystemsはどうでしょう。JavaとNCをてこに徐々に元気を取り戻しました。いまでは、反マイクロソフト陣営の重要な位置を占めています。
これでお分かりのように、コンピュータ業界でも「時代は繰返す」が行なわれています。これは、“業界”に関係ない自然の摂理のようなものでしょう。
自然の摂理といえば、サーバ業界も季節の変わり目を迎えています。Linuxが、他のOSを抑えて春を迎えようとしています。季節の変わり目には、荒れ模様の天気が見られます。日本語red hat Linuxをめぐるいろいろな動きは、まさに季節の変わり目を象徴しています。
NetWareから10年、Windows NTから5年と、5年ごとに季節の変わり目を迎えているサーバ業界。我々は、季節の移り変わりを目の当たりにできる歴史的な瞬間に佇んでいすのです。これを逃すとあと5年は、見られません。