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電池が切れても使える上にメモリカードスロットまで付いた

三洋の最新ICレコーダはここまで高機能

2009年03月03日 06時00分更新

文● 岡本善隆/企画報道編集部

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これまで使ってきた機種と比較してみた

 続いて、これまで使ってきたオリンパス「Voice-Trek V-30」(2006年発売)との比較をしてみた。登場時の価格はともに約1万5000円とほぼ同価格帯の製品である。

 何といっても最大の違いはメモリ容量。V-30のメモリ容量は今思えばかなり少ない256MB。ステレオ録音は最高品質のSHQモードでしか利用できず(ほかのモードではモノラル録音)、SHQモードでの記録時間はわずか8時間45分。うっかり以前の音声データを残したままだと、取材先で慌ててメモリ内容を整理する、なんてケースもあった。2GBメモリ+microSD対応のICR-PS501RMは当然この問題は発生しない。

 ICR-PS501RMに搭載されている録音時のローカットフィルタもかなり効果的。会議室の空調のような“サー”といった音が消えた状態で録音される。

 再生時の便利さも特筆できる。再生スピードを早聞き遅聞きともに10段階に設定でき、その変更は本体側面の独立したボタンで切り替えられる。通勤時の語学学習利用者には便利そうだ。

 全体的に機能が非常に豊富で、使いこなすには少々骨が折れそうだが、デフォルト設定と基本的なボタン操作だけでもとりあえず録音・再生が可能で、あとは使い込み次第で色々な可能性がありそうで、今後も楽しみである。

側面スイッチ

側面の独立ボタンで再生時のスピード調整ができる。もちろんスピードを変えても音程は変わらない。メニュー階層の奥深くに入らず直接操作できる点が大きい

マイクモード

話者の方向に指向性を高めたり、会議のように360度バランスよく集音したりと、マイクのモードを切り替えられる

ボタンの位置

再生・録音系ボタンとファイル操作・設定系ボタンとで、位置が反対(正面と側面)である。この辺は慣れるしかないだろう

というわけで、結論は?

 本機はビジネスマン向けのICレコーダとしては完成型に近い商品だ。音質面をもっと重視するなら、内蔵マイクの品質やリニアPCM録音時のサンプリングレートといった部分で、さらに上回る性能の製品は存在するが、会議の録音などのビジネス的な用途なら正直そこまで必要とは言いにくい。

 そんな風に大変満足した買い物だったこともあり、編集部内でも早速自慢して回ったが、そこで気が付いたのは、みんな普段から仕事で使っている割にはICレコーダの機能について詳しくないということ。今回紹介したような機能を説明すると、みんな結構驚いていた。

 PCと同じく、ここ数年で進化が著しいICレコーダだけに、最新製品の機能を知らないままというのはなんとももったいない。これまでちょっと古めのICレコーダを使ってきた人にこそ、最新のICレコーダを一度使ってみてほしいと思う。


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