マイクロソフトはスペインのバルセロナで開催中の携帯電話関連展示会「GSMA Mobile World Congress 2009」にて、携帯端末向けの新OS「Windows Mobile 6.5」と、同OSを搭載した携帯端末「Windows Phone」を発表した。
Windows Mobile 6.5は、名前のとおり現行の「Windows Mobile 6.1」の改良版である。その最大の特徴は、タッチスクリーン操作を重視した新しいユーザーインターフェース(UI)への対応と、新しいウェブサービス「My Phone」への対応にある。
「Honeycomb interface」(蜂の巣インターフェース)と呼ばれる新しいスタート画面は、各アプリケーションや機能を大きな六角形の集合で配置。小さな画面でも指でタッチしやすいように配慮されている。デモ映像では、指でなぞる「フリック」操作で、スライドショーの画像を切り替える様子も披露された。
付属のウェブブラウザーである「Internet Explorer Mobile」も改良され、指操作に適したUIが追加されているほか、アドビシステムズの「Adobe Flash Lite」にも対応。デスクトップ並みの“リアルなウェブ”表示を実現するとしている。
もうひとつの特徴であるMy Phoneは、携帯端末上のデータをウェブサービスと同期して管理、共有できる、Windows Phoneユーザー向けの無償サービスという。マイクロソフトではMy Phoneによって、連絡先や予定表、メッセージデータを常に最新の情報としてウェブサービス側で保持でき、端末を交換した際にも簡単に更新できるとしている。写真や動画のアップロード機能も備える。
そのほかにも、iPhoneでのアプリケーション配信サービス「App Store」と同種の仕組みとして、新たに「Windows Marketplace」を用意。Windows Marketplaceを通じて、ソフトウェア開発者はWindows Phone向けのアプリケーションを販売できるという。
マイクロソフトが発表したパートナー企業のリストには、NTTドコモやソフトバンクモバイル、ウィルコムなど日本のキャリアが名を連ねているほか、端末では台湾のHTCが対応端末を提供するもようだ。また現時点では日本向けには参入していないが、ASUSTeKやLG電子なども端末を出荷するようで、日本での投入も期待したい。
Windows Phoneの登場時期は未定だが、2009年後半には市場に登場することになりそうだ。