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「今年も暴れます」――イー・モバイル2009年新戦略を聞く

2009年01月27日 16時00分更新

文● 西川仁朗/トレンド編集部、撮影●岡田清孝

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昨年イー・モバイルで最も売れた端末Touch Diamondを手にする阿部基成副社長

 ケータイ業界の風雲児として、2008年に名を馳せたのイー・モバイル。電気通信事業者協会の調査によると、2007年は約20万台だった同社の契約者純増数は、2008年は一気に90万台を超えた。飛躍的に数値を伸ばすことができたのは、定額でHSPAのサービスを提供している同社のデータ通信サービスが、多くのユーザーに受け入れられたため。また、昨年パソコン業界の話題をさらったNetbook(UMPC)とのセット販売による、効果的なマーケティングにある。

イー・モバイルとNetbookの共同販促はすでに量販店では見慣れた風景となった

 しかし、2008年2月にはUQコミュニケーションズがMobile WiMAXの試験サービスを開始。4月にはウィルコムが次世代PHS「WILLCOM CORE」の試験を始めると言われている。先行するデータ通信の競争において、イー・モバイルに対する競合が増える1年になるわけだ。

 イー・モバイル副社長で、戦略のキーマン阿部基成氏に2009年の展望を聞いた。

順調だった2008年3つのカギ

 2008年はおかげさまで、新規契約数を大幅に増やすことができました。これには「高速サービス」「セット販売」「スマートフォン」の3つの要因があったと思います。

 まず、我々の強みである高速サービスですが、もともと2007年に下り3.6MbpsのHSDPAのサービスを他社に先駆けて定額で開始し、同年12月には7.2Mbpsを開始しました。そういった一連の展開でユーザーに「高速のデータ通信サービスならイー・モバイル」といったイメージを持っていただいただくことができたのではないでしょうか。

2008年11月に登場した「D21HW」。HSUPAにも対応しており「どうせ買うなら上りも早いほうがいい」とユーザーに好評のようだ

「D21HW」

 2008年には上りの回線速度も大幅に向上させ、上り最大1.4Mbpsを実現するHSUPAをスタートさせました。

 HSUPA対応のデータ通信カードの店頭価格は「新にねん割」にご加入いただいても、1万3000円ほどします。我々も驚いたのですが、高額にもかかわらず、新規ユーザーの半数以上がHSUPA端末を選んでいます。買い換えのお客さまには上りに速度を求めるニーズがあるようです。

 また、昨年話題になったNetbookとのセット販売もうまくいきました。我々の端末の主な販路は量販店ですが、そこでASUSさんの「Eee PC 901」など人気のNetbookと組むことができたため、店頭での訴求効果が大きかった。店舗によってはNetbookだけでなく、PSPなどのゲーム機とセット販売するケースもあるようですし、ユーザーに我々のサービスを拡げてくれました。

 それから、2008年3月から音声通話のサービスを始め、「Touch Diamond」に代表されるスマートフォンを展開しました。Touch Diamondの好調な売れ行きは「回線速度が速いスマートフォンは使い勝手がよい」とユーザーに支持をされたためだと考えています。iPhoneが一定のユーザーのニーズを掴んだことで、以前は考えられなかったキーのない端末に対してもユーザーの抵抗がなくなってきたこともあると思いますが。

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