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第3の選択肢「VPS」の魅力を探る

コスト削減に「(仮想)レンタルサーバ」はいかが?

2008年12月22日 04時00分更新

文● 大谷イビサ/ネットワークマガジン編集部

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ディスクスペースを借りるホスティング、サーバを借りるレンタルサーバのほか、第3の選択肢として仮想化技術を採用したVPS(Virtual Private Server)型のホスティングサービスが流行しつつある。こうしたサービスのメリットと選び方を調べてみよう。

共用型と占有型のいいとこどり VPSの魅力とは?

 従来、ホスティングサービスには、ハードディスクの容量を貸す「共用型」と物理サーバをレンタルする「専用型」という2つの形態がメインであった。サービス面での分類では、前者をホスティング、後者をレンタルサーバと呼ぶのが一般的だ。

 しかし、ここ3年くらいで急速に台頭してきたのが、サーバの仮想化技術を用いたVPS型のサービスだ。具体的には、ユーザーに対しては、物理サーバ上に構築された仮想サーバを月額料金でレンタルするというモデルである。

 VPS型サービスの台頭は、共用型と専用型のデメリットをうまく解消するスペックを持つからだ。1台の物理サーバを複数のユーザーで共用する共用型サービスは、安価で運用も楽な代わりに、基本的には用意されたサービスしか使えない。一方、専用型サービスは、自由度は高いものの料金が高く、インストールや障害対策などの手間も発生する。

 これに対してVPSは、単一の物理サーバを共用する形態でありながら、自由度の高い仮想マシンをユーザーに提供する。そのため専用型サービスより安価で、共用型より自由度の高いサービスが実現できる。まさに、専用型と共用型のいいとこどりと呼べるサービスがVPSなのだ。

 VPSでの仮想サーバレンタルモデル
VPSでの仮想サーバレンタルモデル

ホスティング業者が 積極的にVPSに取り組む理由

 今でこそサーバやストレージの仮想化はホットなトピックである。しかし、VPSの例を見るまでもなく、ホスティング業者は実はかなり以前から、仮想化技術の導入を積極的に取り組んできた。

 この背景には、サービスを提供するホスティング業者でもサーバやストレージの運用負荷を軽減するために、仮想化の技術が必要になってきたことが挙げられる。仮想化技術を用いれば、ソフトウェアの再インストールや環境の移行、バックアップ、サーバリソースの変更などが簡単に行なえる。複数のサーバを大量に扱うホスティング業者が仮想化のメリットに目を付けたのも当然の話だ。物理サーバの制約を受けず、柔軟にサーバの構成を変更できる「プロビジョニング」という特徴は、ホスティング業者にとってもっとも欲しい機能といえるだろう。

 こうしたVPSを実現するため、Virtuozzo(SWソフト、現パラレルズ)のような高速な仮想化ソフトウェアが登場したことで、VPSサービスは一気に普及した。8年の実績を誇るGMOホスティング&セキュリティのラピッドサイトや、大容量メモリとバックボーンを売りにする「WebARENA Suite PRO v2」を擁するNTTPCコミュニケーションズ、老舗のクララオンラインのほか、各社が軒並みVPSサービスを提供している。

VPSサービス8年の実績を誇るラピッドサイト(左)と、NTTPCコミュニケーションズ「WebArena SuitePRO v2」(右)

 最新のVPSサービスもいくつか紹介しておこう。ソフトバンクテレコムは9月1日に仮想サーバを用いた「ULTINA On Demand Platform バーチャルホスティング」の提供を開始した。サービスはCPU、メモリ、HDDなどのサーバリソースをユーザーの希望する単位で割り当てた仮想マシンとして提供される。

 12月に発表されたばかりのトリグラフ・インフラストラクチャーの「VPS Stock」は、オープンソースの「Xen」をベースにしている。ユーザーは仮想マシンを専有でき、CentOS5.2、Debian GNU Linux4.0のいずれかのOSに加え、PHP、Perlなどの開発環境も用意されている。Xenを採用することで、仮想マシン上でも高いパフォーマンスを実現できるのがメリットだという。オープンソースのXenはコストメリットも高いため、今後XenをベースにしたVPSサービスは増えてくる可能性がある。

 現在では、VPSサービスも低価格が進んでおり、月額数千円程度からスタートできる。コストは重視したいが、レンタルサーバまでは借りられないというユーザーは、まずVPSを主軸にサービス選択を進めるとよいだろう。

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