PacketiX VPN 3.0の変更点は
まず、PacketiX VPN 3.0は「IPv6」に対応することとなった。これにより、IPv6のみが通信可能なネットワーク上でも、IPv4通信が行えることとなる。
たとえば、NTT BフレッツのIPv6サービスを利用すると、ISPを経由せずに任意の2台のPC間でIPv6通信が可能だが、そこにPacketiX VPNを利用すれば、拠点間VPN接続が安価かつ高性能で実現できることとなる。具体的には、PacketiX VPN 3.0を利用すると「つくば市内の2拠点をVPN over IPv6で接続したとき、スループットが約80Mbps、遅延は3msec程度」(登さん)というからその効果のほどがわかる。
ほかにも「VLAN対応機能の強化や、遅延・ジッタ・パケットロスの生成機能の追加、PacketiXクライアントのセキュリティ向上など」(登さん)、新機能や機能改善点は枚挙にいとまがないほどだ。
無償版も配布予定 変わるエディション編成
また、PacketiX VPN 3.0ではエディション編成が若干変更される予定だ。PacketiX VPN 2.0では、「スタンダード」「エンタープライズ」の各エディションに「32bit OS対応版」と「64bit OS対応版」が存在し、それぞれ別エディションとして扱われていた。しかし「64bit OSでも32bitバイナリが特に問題なく動作することが多く、別エディションに分ける意味が少なくなっている」(登さん)という理由で、64bit、32bit対応版のどちらにも同じライセンスキーを利用できるようになる。
価格は未定なものの「ブリッジ接続ライセンスを値下げし、クライアントの価格を若干値上げするかもしれないが、トータルとしては大きく価格変更しない予定です」と登さんは言い、「筑波大学の“UT-VPNプロジェクト”サイトで無償版を公開する予定もある」とも述べた。「UT-VPNプロジェクト」(URL:http://utvpn.tsukuba.ac.jp/)はこれまで行われてきた筑波大学とソフトイーサ社の共同研究の成果を社会に無償で配布することで、VPN技術をさらに世に広めることを目的としたプロジェクトである。
「PacketiX VPN 3.0は、機能的にもインターフェイス的にも使い勝手が向上している。また、無料版を公開することで、さらなるユーザーの獲得を目指す」と登さんは言う。
その上で登さんは、ソフトイーサ社が驚愕の新サービスを打ち出ことを明らかにした。
次ページ「ソフトイーサから「HardEther」へ!?」に続く