面倒だから、絵柄はずーっと変えない
── では、3歳シリーズを始めたきっかけから教えてください。
G-STYLE 僕はもともと、2ちゃんねるのいわゆる「お祭りFlash」を作っていました。事件の風刺ネタとか、北朝鮮ネタとかですね。アップしたら即刻削除されるようなやつ(笑)
そんなことをしていた2003年頃、紅白Flash合戦というイベントがあったんです。版権をクリアした音楽や映像を作る表の世界の大会ですね。
それに勝手な対抗心を燃やして「裏紅白2003年」というイベントをF-STYLEさんというFlash職人さんと一緒にやりました。そこで作ったのが「げんこつやまのたぬきさん?」という3歳シリーズの原点になるFlashだったんですよ。
── それが好評で、シリーズ化しようと。
G-STYLE そうですね……抵抗感はありましたけどね。自分自身、動物ネタや子供ネタ、お涙頂戴ネタはあまり好きじゃなかったですし。実際「子ども出して卑怯やないか」って、思いっ切り言われたりもしました。
でも、子どもネタってすごく作りやすいんですよね。育児中はいくらでもネタができるから、簡単にシリーズが作れるんです。登場人物も、基本の「丸形」とかをちょっといじった程度で、使い回せますし。
適当に10本程度作ったときになかなか好評だったので「それなら専用のサイトを作ろうかな」ということになりました。
── フォーマットは昔からほとんど変わっていませんよね。輪郭が太くなって、キャラクターの色が変わったくらいで。
G-STYLE 変化させるのが面倒くさいから、変わりようがないんですよね。目のぐりぐりも最初に書いたのをコピペしているだけだから。
輪郭を太くしたのも、書籍の付録用に作ったDVDがきっかけなんです。出版社さんから「テレビで観るにはちょっと線が細い」と言われて修正したので、別にクリエイターとしてのこだわりとかではないんですよ。
── あと、背景などを極力省いているのも、狙いですか?
G-STYLE そうです。絵を描くのが面倒くさいから(笑) あ、だけどちゃんとした建前もあるんですよ。子育てした人にとって、子どものネタというのは「あるある」と感じることが重要なポイントなわけですよね。
そこで背景を綿密に描きすぎると「ウチとは違う」と感じる人が出てくるわけです。誰でも当てはまるようにするなら、具体的な背景は邪魔になるんですよ。
本当ならこいつら(子ども)の発言だけでもいいくらい。ただ、それじゃ伝わりにくいから紙芝居みたいなFlashにしているというわけです。
(次のページ: そんな理由なの?! Flashがすべて「1分26秒」なわけ)
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