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SUPER GTに痛車が参戦! 初音ミクZ4密着レポート 第11回

痛車がSUPER GTを席捲! 大波乱の富士最終戦!

2008年11月11日 20時33分更新

文● 末岡大祐/Webアキバ編集部 写真/加藤智充、編集部

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もうひとつの痛車、リン・レンZはチャンピオンに

 また、急遽「鏡音リン・レン」を起用し、痛車化された「MOLAレオパレスZ」(ベース車はフェアレディZ)は数回スピンしたにもかかわらず、6位でフィニッシュ。元々チャンピオン争いをしていたマシンで、ライバルだった「ARTA Garaiya」を下し、見事シリーズチャンピオンとなった(抗議があったため、現在は暫定結果)。スポットで痛車化したとはいえ、痛車がSUPER GT GT300クラスチャンピオンなんて史上初! 最終戦は2台の痛車が話題をさらった、と言っても過言ではないだろう。

ミク&リン・レン、コラボの図。両方とも、車名に「Z」と付いているのは偶然か必然か?

続々と脱落するライバルを尻目に、最後までマイペースで走り続けた初音ミクZ4。それだけに、グリッドに並べられなかったのが悔やまれる

 8月からのシリーズ途中参戦。3戦中1度だけの完走。順位は18位。確かにこのような結果だけ見ると、SUPER GTに参戦しているチームとしては力不足かもしれない。レースは結果がすべて。その通りだ。それは「Studie and GLAD with ASADA Racing」のスタッフが一番よく分かっているだろう。ときには「出る出る詐欺」、「展示車両」などと、そしりを受けたこともあった。SUPER GTのパンフレットには「話題先行の痛車」と書かれた。だが、チームスタッフはブログなどで反論することはしなかった。SUPER GTという国内最高峰のレースに出ている以上、すべては結果で応えなければいけないということを知っていたからだ。

大雨の中、信じられないスピードで走るレースカーたち。気温は低かったが、観客は熱くなっていたはず

 メインスポンサーの不在、レギュレーションの見解の相違、エンジントラブル……この3ヵ月に様々なアクシデントがあった。初参戦のチームがいきなり勝てるほど、レースの世界は甘くない。ワークスチームのように豊富な資金と高い技術力があるなら不可能ではないが、プライベーターの多いGT300クラスでは難しい。また、チームのマシンがBMW Z4だったというのもハードルが上がった要因だ。

 例えば、これがポルシェだったら話は早い。マシンのレースデータは豊富にあるし、ポルシェで出ているチームはたくさんあるので、情報交換もできる。中古の型落ちポルシェでもすぐに良い勝負ができただろう。現に「ユンケルパワータイサンポルシェ」は旧モデルの911(TYPE996)ながら、最終戦は優勝したし、去年も何度か勝っている。しかし、StudieはBMW専門店だ。同じドイツ車とはいえ、ポルシェをチョイスするワケにはいかない。スーパー耐久で現在敵なしの、Z4の戦闘力と可能性に賭けたのだ。

もちろんチームメカニックたちの頑張りがあったことも忘れてはならない。何日も徹夜でマシンを作り上げてくれた

ドライビングだけでなく、ファンサービスにも大忙しだった菊地選手と田ヶ原選手。相変わらず多くのファンが詰めかけるピットで、嫌な顔ひとつせずにサインや記念撮影に応じていた

(次のページへ続く)

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