トンネルはこうして造ったのだ!
海底より低い場所から一気に海面以上の高さまで階段を登った一行が到着したのは、海ほたる内にある資材倉庫と思われる場所。この場所で何が待ち構えていたかというと、アクアトンネルを掘削するのに使用されたシールドマシンの模型だった。長さ5m以上ある模型で、海底でシールドマシンが行なった作業を、動きや音声でわかりやすく解説してくれた。
ちなみにこのアクアトンネルを掘る際に使用されたシールドマシンの直径は14m。掘削に使われる1個の重さが10kgあるバイス(刃)がシールドマシンの先頭部分に1142個付けられれている。このバイスはダイヤモンドよりも硬い合金製なのだが、見た目は単なる金属なので、ダイヤモンドのような希少性はなさそうだ。シールドマシンはただ掘削するだけではなく、掘削して出た土を自動的にトンネルの後方に運ぶための設備や掘削した場所が崩れないようにコンクリートのブロックを敷き詰めるといった作業も全自動で行なう優れものなのだが、1つあたりの重さが3200tと超重量級。そんな機器をどうやって運んできたかというと簡単で、パーツごとに別け、船で現在は風の塔となっている人口島に搬入、そこから地下に降ろして組み立てが行なわれたとのことだ。
トンネルを掘削していく上で重要なのはその掘削する場所の地盤。残念ながら東京湾の地下は軟弱地盤で非常に緩く、説明をしていた職員によると硬さは「プリン程度しかなかった」とのこと。そんな軟い場所が崩れてこないようにしてる外壁は、厚さ65cm、横1.5m、横4m、重さ約10トンのピースを1周11枚使い崩れ落ちないようにしてあるそうだ。このシールドマシン、アクアラインが完成したいま、再利用可能な箇所のみを持ち出し、ヘッドの部分はトンネルの一部として地中に埋まったままになっているそうだ。
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