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夏だ!海だ!ホタルだ! 大人2人が童心に帰って海ほたる探検隊に同行!

2008年08月20日 21時00分更新

文● 伊藤 真広

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トンネルはこうして造ったのだ!

 海底より低い場所から一気に海面以上の高さまで階段を登った一行が到着したのは、海ほたる内にある資材倉庫と思われる場所。この場所で何が待ち構えていたかというと、アクアトンネルを掘削するのに使用されたシールドマシンの模型だった。長さ5m以上ある模型で、海底でシールドマシンが行なった作業を、動きや音声でわかりやすく解説してくれた。
 ちなみにこのアクアトンネルを掘る際に使用されたシールドマシンの直径は14m。掘削に使われる1個の重さが10kgあるバイス(刃)がシールドマシンの先頭部分に1142個付けられれている。このバイスはダイヤモンドよりも硬い合金製なのだが、見た目は単なる金属なので、ダイヤモンドのような希少性はなさそうだ。シールドマシンはただ掘削するだけではなく、掘削して出た土を自動的にトンネルの後方に運ぶための設備や掘削した場所が崩れないようにコンクリートのブロックを敷き詰めるといった作業も全自動で行なう優れものなのだが、1つあたりの重さが3200tと超重量級。そんな機器をどうやって運んできたかというと簡単で、パーツごとに別け、船で現在は風の塔となっている人口島に搬入、そこから地下に降ろして組み立てが行なわれたとのことだ。
 トンネルを掘削していく上で重要なのはその掘削する場所の地盤。残念ながら東京湾の地下は軟弱地盤で非常に緩く、説明をしていた職員によると硬さは「プリン程度しかなかった」とのこと。そんな軟い場所が崩れてこないようにしてる外壁は、厚さ65cm、横1.5m、横4m、重さ約10トンのピースを1周11枚使い崩れ落ちないようにしてあるそうだ。このシールドマシン、アクアラインが完成したいま、再利用可能な箇所のみを持ち出し、ヘッドの部分はトンネルの一部として地中に埋まったままになっているそうだ。

内部が可動式のシールドマシンの模型。掘りだされた土が運び出される方法やトンネルの壁面を組み立てる方法などが、実際の動きで見ることができる優れもの。子供たちだけではなく保護者の大人たちも食い入るように模型の動きを見ていた

可動式ではないシールドマシンの模型は、資料館の「うみめがね」にも設置されているので構造を確認するだけであれば、これで十分といえる

シールドマシンで掘り進むために調査掘削としてボーリング工法を使って、予定されているルートを外れることなく進むことが出来た。向かい合って進んでいた2台のシールドマシンが最接近したさいの誤差は、わずか30cm

シールドマシンの模型を使ったアクアトンネル掘削に関しての解説が終わり、外に出た 先に待っていたものは!

直径14mのシールドマシンの先端部分のモニュメント。この先端部分が回転して土を抉り出すことでトンネルが掘られていく。先端部分に1000個以上取り付けられているビットの1つあたりの重さは、約10kg

(次ページへ続く)

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