「萌え」と「カ○ピス」の意外な共通点
先に紹介したとおり、アニメファンやアキバ系にもさまざまな専門分野がある。流行語にもなった「萌え」は、それぞれのジャンルで「萌え」方も違い、萌えのダイナミックレンジは広がりつつある。
そもそも「萌え」は、キャラクターが好きという意味で使われていたが、現在はキャラだけでなく「パンチラ」や「絶対領域」※と言った部分萌えにも使われる。
※絶対領域 ミニスカートとオーバーニーソックスの間から見える素肌のモモのこと
極論すると現在の「萌え」は、かなりエロに寄った意味も含んできた。がっ! ここが重要!
バリバリなエロは「萌え」じゃない。
この一線は守られている。
もちろんマニアの中には、バリバリのエロエロが好きなヒトもいるのは事実。とはいえ、女の子のまったく登場しないアニメや漫画、ましてや美少女ゲーに萌えはない。言ってみれば……
これはまさにカ○ピスである!
さすがに原液のカ○ピスを好むヒトはいないと思うが、かなり濃い味を好むヒトがいるのは事実。多くのヒトは、コンビニで売っているペットボトルのカ○ピスがいちばん美味しいと感じるだろう。でもあれって、その場は美味しいんだけど、後味がズーッと残ってかえってのどが渇いたりする。いちばん美味しいのは、ちょっと薄めのカ○ピスなのだ。
ソレを図にするとこんな感じ。
ちょっと濃いめなペットボトルのカ○ピスは、ちょうどライトエロのあたりだ。パンチラや水着で下乳が見える程度って感じ。ちょうど深夜枠で放送コードギリギリのアニメのお色気、萌えの限界だ。それ以上の場合は、「萌え」ではなく「萌エロ」と区別されることもある。
パンチラ上等! ウェルカム・パンチラ!って人も、1話に何回も何十回もパンチラがあると、食傷気味になって、ときには制作サイドのあざとさを感じてしまうだろう。何よりパンチラはチラだからいいので、あまりにインフレだと、1パンチラあたりの価値が下がる!
それはまるでひと口、ひと口のノド越しは濃くてうまいのだが、後味がズーッと残るペットボトルのカ○ピスのようだ。
最も好まれるのはライトエロとノンエロの中間だ。家で飲む薄めのカ○ピスと同じ! アキが来ず後味もスッキリ。多くの深夜アニメは、大体この辺りの萌えを狙っており、全13話のうち第6話だけに温泉のエピソードを持ってきたり、よーく見ると1/12秒のコマにパンチラがあったり、カメラ視線では見えないがアッチから見たらモロだよな?的な、軽いエロ要素を入れている。
ノンエロからピュア層にかけては、従来どおりキャラクターの性格や仕草、語尾が重要。エロ成分はなくても、萌えは成立する。
その代表格が、出会ったときはツンツンだが、後に自分にデレデレに惚れてくれる「ツンデレ」の女の子だ。従順な妹系のキャラクターや、語尾のすべてが「なの〜♪」や「りゅん♪」(実際に居たらかなりドン引きだが……)という女の子も該当する。これらはちょうどコンシューマーゲーム機の恋愛シミュレーションや、チビッ子も見る時間帯のアニメのキャラクターである。
ただカ○ピスもあまりに薄くしてしまうと、水と変わらなくなり美味しくもない。ピュアから女の子の登場しない作品は、もはや萌えにあらず。「萎え」とジャンル分けされるのだ。
ちなみに熱血男子の生き様を綴るようなアニメは「燃えアニメ」として区分される。