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2社合同、夏の特別企画(後編)

萌えは「薄めたカ○ピス」だ──ASCII×ITmedia対談

2008年07月31日 11時00分更新

文● 藤山哲人

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忘れちゃならネー! メイド喫茶の文化


 Windows XP以降のアキバを語る上で、避けて通れないのがメイド喫茶だ。

 がしかーし! PCパーツ街を徘徊する古田氏なのに「メイド喫茶には取材でしか行かない」とっ! なんともったいないっ! それでも貴様は男かーーっ! 自作PCをやらない筆者的にとっては、PCパーツ街はメイド喫茶街なのに!

 さてメイド喫茶がアキバに登場したのは、2001年3月。まさにWindows XPが発売されたその年である。コスプレ系アパレル会社のコスパが運営する「Cure Maid Cafe」がその発端だ。

ガチャポン会館の上にある

正統派ブリティッシュメイドスタイルで、飯もうまい「Cure Maid Cafe」

Mai:lsh

明るい店内と17時から始まるコスプレタイムが楽しみなMai:lish。現在T・ZONEとの関係は切れて、独立した会社となっている

 そして翌年、PCパーツショップの「T・ZONE」が業績不振の打開策として「Mai:lish」をオープン。日経流通新聞には、社長のコメントとして「これからは本業をメイド喫茶とする」と掲載されたモノだから大変だ。

 T・ZONEと言えばPCマニアも納得の硬派な店として有名、電子工作マニアにとってはその母体の亜土電子がメイド喫茶だと!ということで、両マニアを震撼させたのだ。

 しかも「流通」とは付いているものの「日経新聞」(内容的には「流通」の方がレアネタが多くて面白い)である。これでメイド喫茶の名が一夜にして全国に広まった。

 その後は雨後の竹の子のようにメイド喫茶が乱立。店を畳んだPCパーツショップは、続々とメイド喫茶に姿を変えていく。あまりにも数が多くて現状は把握できないが、筆者が「メイド喫茶制服コレクション」(竹書房刊)を書いた2006年時点で、メイド喫茶とメイドリフレクソロジー店だけでも43店舗。それ以外にも風俗寄りのサービスを提供する店もあった(ヤバすぎで掲載できず)ので、実際には50店舗以上あった。

「メイド喫茶制服コレクション」

コイツを見れば、各店舗の制服が分かるというマニアックな1冊


 50店舗はもちろんアキバエリア内!


 2006年以降も潰れたり新規オープンしたりが繰り返されているが、おそらく全体として若干減った程度で50店舗近い店があると思われる。



メイド喫茶が「アキバ」を広げた


 ブレイクの理由は、ソコに萌えと現実とアニメの境があったからだ。

 コトの発端は「アンナミラーズ」。胸が強調されるコスチュームで給仕してくれるウェイトレスさんに、アニメや美少女ゲーのマニアを越えて、多くの野郎ドモがコスプレ見たさに高いコーヒーとパイを食いに通った。

 やがてアンナミラーズのコスチュームと思わしき衣装を着たキャラクターが登場するゲームや、アンナミラーズ好きによる同人誌が登場。そしてついに、映画でしか見られないメイドさんが着目される。

 洋館のお屋敷で働くメイドさんは、美少女ゲーにとってこの上なく好都合なモチーフ。お屋敷という閉空間は、一種異様な空間を演出できるだけでなく、世界もお屋敷内で閉じているので、設定も作りやすい。

 しかも、主従関係がはっきりしているとあって、SM系の美少女ゲーに多数のメイドさんが登場することになる。後に18禁アニメ化され大ブレイクするゲーム「殻の中の小鳥」(1996年)の影響で、メイドさんは地下牢でHされるキャラとして深く根づいた。

 一方アニメでもサブキャラクターとしてチョコチョコと描かれていたメイドさんだが、1999年にはコスチュームの可愛さと主従関係に注目して、アンドロイドのメイドさん3人が悪と戦う「鋼鉄天使くるみ」がオンエアされる。このお色気ありのドタバタ・ラブコメのおかげで、一気にメイドアニメというジャンルが確立された。

 そもそもメイド喫茶がオープンするまで、メイド服姿のメイドさんなんてものは日本に皆無だったのだ。2000年頃、筆者は雑誌にメイドさんの写真を乗せたくて必死になって各所に電話しまくるも、メイドさんどころかメイド服すら手に入らず断念した経験がある。それが現実に見られるとあって、美少女ゲーとアニメの2つのイメージを持ったマニアたちが、メイド喫茶に集まるようになる。

 現在のメイド喫茶は、映画のメイドさんのイメージを持った女性客が増えたため、メジャー店では男女半々という客層になっている。そんな店では、マニアたちと女性客で一触即発の緊張感が漂うが、徐々にライトメイド喫茶(強制参加イベントなし、立地条件よし。初心者が集まる)〜ディープメイド喫茶(強制参加イベントあり、立地条件悪し。マニアが集まる)ですみ分けが始まっている。

 さらにメイド喫茶がアキバに大きく影響したのは、アキバと呼ばれるエリアを広げたこと。メイド喫茶を含めると、アキバの東西は昭和通りを越えた路地〜西は昌平橋の通り沿いまで。南北は万世橋を越えた神田寄りの靖国通り〜末広町の交差点をさらに上野側まで広がる。

メイド服姿のメイドさんなんてものは日本に皆無 この点、「それ以前にも渋谷にメイド服の喫茶店があった」「アダルト、パーティーグッズで見かけた」「でも、そりゃ風俗じゃネ?」などとASCII.jp編集部で大論争を巻き起こした。

メイドさんがアキバをさらに拡大

ピンクの部分がメイド関連店のあるブロック(かなり大雑把だが……)

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