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2社合同、夏の特別企画(後編)

萌えは「薄めたカ○ピス」だ──ASCII×ITmedia対談

2008年07月31日 11時00分更新

文● 藤山哲人

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アキバイメージ

 前編に引き続き、後編では「アキバはいつから変わりだしたか?」「マスメディアが取り上げるアキバ」「アキバの未来」などについて語っていくぞ!




アキバはいつから「萌え」出したのか?


対談風景

対談風景(編註:藤山氏の顔は伏せさせていただきます。なにとぞ、ご勘弁を!)

 ITmedia代表の古田氏は、2002年頃からアキバのPCパーツ街に深く関わり合うようになったということ。前職はなんと


 葬 儀 屋 さ ん !


 ん〜、ある意味人生最後の「燃え」だが、「萌え」とはかなり違うなぁ。むしろ「萎え」(笑)。

 そんな古田氏も大学生時代に、海洋堂の綾波レイを目にしたことがあるという。


 次のテーマは「アキバはいつから変わりだしたか?」だ。


 ココで言う「変わる」とは、いかにアニメが進出してきたか?である。前編の話の通り、ターニングポイントは綾波レイのフィギュアだ。

 それまでも水面下では、アニメキャラのCGや美少女ゲー、くりぃむレモンの登場など基礎は着々と構築されていたが、ラジオ会館が非電気系の店に落城(?)し、自由の女神にも似た綾波レイが姿を現したのは、アキバが萌え出した象徴だった。

 一般人に言わせれば「アニメファン」や「アキバ系」と十羽ひとからげにされてしまうわれわれでも、「逸般人」(一般から逸脱してしまった人々)の目から見れば、かなり細分化され、それぞれの文化が影響し合っている。

大きく分けると、電子、アニメ、アイドル系に分けられるだろう

アキバに集うマニアの相関関係。ここでは複雑になりすぎるため、あえてゲームは外している

 アニメ系には大きく、「アニメ」「漫画/ライトノベル」「美少女ゲー」という3つの柱がある。ほとんどの人は「漫画」と「アニメ」のつながりは理解できるが、「美少女ゲー」がそれほどまでに影響力を持っている理由が分からないだろう。いや分からない一般人のままのほうがいいのか?

 現在、オンエアされている深夜アニメでは、原作が美少女ゲーというものがかなりある。なにせ現代の美少女ゲーは、世界観や人物設定などがしっかりしていて、人間ドラマが展開されているほどだ。マニアを号泣させてしまう「泣きゲー」というジャンルまである。じゃんけんに勝つと女の子の裸が見られるゲーム……なんて思っていたら大間違いである!


 ただ年間600本リリースされる(!)美少女ゲー市場だけに、粗悪品も多くある。興味ある方は店員に「短時間で終わって、人気のゲームはどれか?」を聞いてプレイするといいだろう。

図解

トーク現場でも、ちゃんと図解したぞ!



マニア同士は区別したがっている


 アキバには多種多様のアニメ関連ショップがあるが、その外郭は先ほど挙げた「アニメ」「漫画/ライトノベル」「美少女ゲー」というソフトウェアタイトルで固められており、その二次創作物という形で「フィギュア」「同人誌」「コスプレ」などのジャンルが存在する。また美少女ゲーとアニメにとって欠かせない、「声優」もこの中に属するだろう。

 多くのマニアは「ソフトウェアの大三角形」のいずれかをたしなみ(濃いマニアは全部)、その内側にある二次創作系も趣味としている。中には広く浅くというマニアもいれば、狭く深くというマニアもいる。それゆえ、外からは同じように見えるマニアでも、以外に話がかみ合わないことが結構ある。


 パソコンやプログラムの会話と一緒で、相手の好きなモノとレベルを知らずには話が始まらないのだ!


 Visual C派とVisual Basic派、Linux派とNT Server派じゃまったく話にならないのと同じで、相手が好んでプレイする美少女ゲーや、好んで見るアニメが違うと、ソコには大きな壁ができる。

 また自宅でSambaとApacheを動かして喜んでいるユーザーと、プロ顔負けのネットワークを構築しているroot様じゃお話にならないのと同じで、作品を深く知っているマニアと、そうじゃないマニアじゃ会話が成立しない。このようにマニア間には高い壁がそびえ立ち、交流は少ないため、マニア同士は区別したがってる。「えー俺、同人マニアじゃネーよ」みたいに……(笑)。

 さて、ソフトウェア大三角形の2頂点である、美少女ゲーとアニメのファンに欠かせないのがパソコンだ。美少女ゲーは無論のこと、アニメファンは映像を保存したり、番組のオンエア情報を追いかけるのに必須アイテムとなっている(新聞のテレビ欄では省略されて何の番組だかサッパリ分からない)。

 が、前編でも触れたように、のちにパソコン自体の面白さに気づき、オーバークロックにも手を伸ばしたり、電子工作に興味を持ったりするマニアもいるから、アキバは面白い。

 このように1998年を皮切りに、二次創作物のショップがアキバに進出してことで、一大勢力となったのである。

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