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2社合同「秋葉原トーク・デスマッチ」(前編)

電気街はなぜ「萌え」たのか?──ASCII×ITmedia対談

2008年07月30日 16時00分更新

文● 藤山哲人

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Windows 98が「萌え」を加速する!


 パソコンはWAVEサウンドをガンガン再生できるようになり、いち早く美少女ゲーがコレに乗っかり大ブレイク! 女の子が喋る美少女ゲーの到来だ。

 さらにWindows 95では当初、ハードウェアがシステムにかんじがらめにされていたが、Windows 95発売後に「DirectX」が登場し、MS-DOS相当のパフォーマンスが出せるようになる。

 この時期、美少女ゲーは一気にWindows化に踏み切った。プログラマーにも互換性という概念が定着し、RPGやアドベンチャーゲーム用の共通システムを各美少女ゲームメーカーが開発。共通システム上のスクリプトでゲームを楽に作れるようになると、一気に美少女ゲーのタイトル数が増加する。

 そして1998年、フィギュア製作販売の海洋堂が、JR秋葉原駅の電気街口前にあるラジオ会館に「ホビーロビー東京」を出店。同店の窓際から、電気街口を見下ろしていた等身大の「綾波レイ」(アニメ「エヴァンゲリオン」のキャラクター)に吸い寄せられて、CD-Rドライブ買いにきたはずのマニアが、帰りの電車ではフィギュアを手にしていたという惨事が続出する。

 折しもエヴァンゲリオンが社会現象となった時期なだけに、マニアだけでなく、多くの一般市民にも被害が及んだといえよう。フィギュアがアキバに進出した転換期だ

ラジオ会館

現在は窓が塞がっているが、当時は看板の辺りに綾波が亡霊のように立っていた

 またAMDとインテルの性能合戦も激化する中、CPUパワーをガンガン使う3Dゲームが登場する。とはいえ、アメリカンな姉ちゃんが登場する近未来銃撃戦のようなゲームばかりだったので、アニメファンは食いつかなかったが、正統派PCゲームマニアを大いに沸かせた。

 この結果、ビデオカードの換装やメモリの増強、果てはオーバークロックやCPUの冷却など、より3Dゲームを高いフレームレート(1秒間に描画できるコマ数で、多いほど滑らかな映像になる)や、フォグ効果をONにした状態(霧がかった絵の描画は高価で高性能なビデオカードが必要)でプレイすることに必死になる。ある意味ゲームを楽しむというより、ベンチマークテストに走った時代だ。

 この時期、PCパーツ街は最も活気を帯びていたように思える。



アニメファンがいちばんのPCヘビーユーザーに!


 インターネットもこのころから盛り上がりを見せてくる。1997年頃、MP3の登場により音楽CDをMP3化するブームが到来。さらにYahoo! BBやフレッツADSLでADSL接続がスタンダードになると、世界各国からウヒョ〜なムービーをダウンロードできるようになる。それまでのエロ画像集めは、エロムービー集めに一気にシフトした。

 そして新星のごとく2001年に登場したのが、ファイル交換ソフト「WinMX」。これによりMP3のファイル交換や、エロムービー交換がワールドワイド(?)で頻繁になり、国内のADSL回線は日進月歩で高速化、低価格化が進んだ。

 それまでも多くのアニメファンを取り込んでいたパソコンだが、フリーウェアのMPEGエンコーダー(MPEG変換ソフト)の登場により、パソコンをアニメファンの必須アイテムとして確固たるものにした。画質にうるさいアニメファンが、より高速に、より高画質にエンコードし始めたのだ。

 またこのころ、不可能といわれていたDVDのコピー防止暗号キーが解読され、DVDの吸出しが大ブレイク。いわゆるDVDリッパーの登場である。こうしてエンコードブームに一層の拍車がかかった。

 アニメ業界にも異変が起こり始める。それまでのテレビアニメは放送局が制作費を払うというスタイルだったが、製作委員会が資金を出しあって番組を作るというスタイルが確立。そして製作委員会がテレビ局から放映枠を買うというスタイルが深夜帯で広まった。

 製作資金が乏しい独立系UHF局はこれに飛びつき、深夜枠のアニメ番組が爆発的に増える。もちろんオンエア後にDVDをリリースして、ソコでも製作委員会は利益を得られるという計算だ。こうしてアニメのDVDタイトルも爆発的に増えて、アニメ制作会社が不足するといった事態にも発展した。

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