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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第62回

iPhoneで猫を撮る―カメラとしての実力は?

2008年07月23日 13時41分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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究極のシンプルカメラ


 iPhoneのカメラは機能的にも超シンプル。露出補正もホワイトバランスもなし。画像サイズも200万画素固定(つまり、壁紙サイズとかVGAサイズとかもない)。ちなみにライトもない。デジタルズームもないので遠くから撮るのは難しい。

 ユーザーが自分で変更できる点って「まったくない」のだ。わざとそう作ってある。究極の「シャッターを押すだけカメラ」なのだ。シャッターも押すんじゃなくて「画面のシャッターボタンに触れる」だけ。

 ここまで機能を搭載しないのは逆に難しくて、勇気がいることだと思う。なかなかできることじゃない。

 iPhoneらしい機能といえば、縦横自動判別。カメラの向きに応じて、縦横を判別して撮ってくれる。最近はこの機能をもつケータイもぼちぼちとあるけれども、やはりあるととても便利。

縦と横で撮ってみた。この写真は光りの条件がよかったのか、予想以上にきれいに

 レンズは小さくてあまりいいものを使ってないようなので、逆光には弱い。逆光で撮るとかなり余計な光りが入り込んでしまう。

クルマの下の猫

これはiPhoneを逆さにして(つまりカメラが地面スレスレにくるようにして)撮ったクルマの下の猫。クルマの下という非常に暗いところで撮ったにしてはがんばってる

 暗いところもあまり強くない。画面上のアイコンをタップして撮影、というインタフェースなので、撮影時に手でカメラを固定しづらく、ぶれやすいからだ。

iPhoneはカメラに見えないらしい

うちの猫。昼間の室内で撮影。ぶれやすいので撮るときは気を付けて。そうそう、うちの猫はカメラを向けると逃げちゃうのだが、iPhoneだけは大丈夫でした。カメラに見えないらしいです

 iPhoneで撮るときのコツは、できるだけ光りの条件がいい方向から撮ることと、ぶれないように気をつけること。近すぎず、遠すぎないこと。そうすればスペックから感じる以上にきれいな絵が撮れるのだ。

 それでもiPhoneで撮っちゃうのは、気軽に撮って、気軽に再生して、気軽にアップできるのが気持ちいいから。特に画面がでかいので、撮った写真を指でなぞりながら再生する楽しさは他のケータイでは味わえないもの。

 iPhoneのような携帯機器のカメラで重要なのは、画素数や多機能じゃなくて、その気軽さ・楽しさなのだと再認識させられるのである。

 最後に、一昨日撮ったばかりの猫をどうぞ。

手首と足首が白いのが可愛かった猫

手首と足首が白いのが可愛かった猫。暑いので日陰からなかなか顔を出さなかったので、頑張って手を伸ばして撮影してみた


筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月撮影何かしらの新型デジカメのレビューをしている。趣味はネコと自転車で、天気がいい日は自転車で都内を走り回りながら面白いものを見つけては撮影する日々。最近の単行本は『デジカメ撮影の知恵』(宝島社新書)。密かにネコ動画ポッドキャストも更新中。



*次回は7月30日掲載予定

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