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蛍光を発するタンパク質の分子機構を解明

ドロンパの正体見破ったり!

2008年07月01日 13時56分更新

文● 丸子 かおり

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蛍光タンパク質、その名は「ドロンパ」

 「ドロンパ」と聞くとアメリカ生まれの某オバケを思い出す人も多いかもしれないが、今回お話しするのは、タンパク質の一種のことだ。この某オバケのような名前の「ドロンパ」は、蛍光を発する特殊なタンパク質として注目を集めている。

 もともとドロンパは、理研脳科学総合研究センターの細胞機能探索技術開発チームが、沖縄の海で採取したアナキッカサンゴから見つけたことが始まり。採取したタンパク質を改良したところ、ただ単に蛍光を発するだけでなく、青緑色の光を当てると蛍光が消え、紫外線を当てるとふたたび光るという。そんな不思議な特性を、チームでは忍者の術にたとえて「ドロンパ」と命名した。以来、ドロンパは神経細胞の研究に使われていたが、発光のメカニズムは謎に包まれていた。

 しかし先日、研究グループは放射光科学総合研究センタートロント大学らと協力して、X線結晶構造解析や、分子を構成する原子同士のつながりがわかるNMR解析など、最新の技術を駆使してドロンパの発光の仕組みを明らかにした。

ドロンパ
ドロンパの発光の仕組みを分子レベルで解析。分子が振動しないとき、蛍光としてエネルギーが放出されるのだ(提供:理化学研究所)

 発光している状態では分子振動が制限され、持っているエネルギーを蛍光として放出。逆に発光していない状態では、分子振動でエネルギーを使うため発光できなくなるのだ。いやー、名前もおもしろいけど、発光の仕組みもおもしろい。

ドロンパ
ドロンパを解析するためのNMR装置にレーザー光を照射し解析しているところ(提供:理化学研究所)

 光を吸収して色の特性が変化することを「フォトクロミズム」といい、記録媒体材料への応用が期待されている。この、ドロンパのフォトクロミズムの原理が解明されたことにより、分子顕微鏡を使った生体記録システムの開発など、さまざまな研究への応用が期待できるようになった。沖縄生まれ理化学研究所育ちのドロンパが人々の役に立つ日はすぐそこだ!

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