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【ASCII.jpまとめ】青少年ネット規制法

ゼロから学ぶ「青少年ネット規制法」

2008年07月09日 12時15分更新

文● 高橋暁子、広田稔/トレンド編集部

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5.年表


●2006年以前

年月日 出来事
2000年 自民党の参議院議員が中心となって、「青少年社会環境対策基本法」の草案を公表。その後、名称を「青少年有害社会環境対策基本法」と変更して、2002年、通常国会への提出を予定していたが、表現の自由を侵害するとの批判を受けたため提出されなかった。
2004年 自民党が「青少年有害社会環境対策基本法」の一部を改案した「青少年健全育成基本法案」を参議院に提出したが、廃案となった。
2006年
11月20日
出会い系サイトなどインターネット上の有害情報にアクセスして事件に巻き込まれるケースが増えてきたことを受けて、総務大臣(菅義偉氏)が、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、社団法人電気通信事業者協会(TCA)に対して、フィルタリングサービスを普及、促進するように要請する。
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、TCAが共同でプレスリリースを出し、それぞれの取り組みを紹介する。

●2007年

年月日 出来事
10月29日 青森県八戸市のホテルで、男(30)が女子高生(16)を殺害するという事件が発生。二人は携帯電話のゲームサイトで知り合ったと報道される。
11月26日 総務省は「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」を設置し、第1回会合を開催した。社会問題となっている「闇サイト」問題や、青少年が有害サイトにアクセスして犯罪に巻き込まれる問題などに対して、フィルタリングの更なる導入促進、プロバイダ等による削除等の措置の支援、インターネットリテラシーの普及啓発などの違法有害情報に対する総合的な対応について検討を行うことを目的としている。
12月10日 昨年に続き、総務大臣(増田寛也氏)が、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、ウィルコム、社団法人電気通信事業者協会に対して、フィルタリングサービスの導入を促進するように要請した。昨年の要請後、1年間でフィルタリングサービスの利用者は約3.3倍(約150万件増)に増えるなど一定の成果が上がっていたが、ネットを通じて未成年者が事件に巻き込まれたり、事件を起こすことが続いたため再要請した。
TCAと携帯/PHS事業者が共同でプレスリリースを発表。今後、未成年者はフィルタリングサービスに原則加入とする方針を打ち出す。
12月11日 モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)が、モバイルコンテンツの健全化や青少年の保護育成を目的にして、2008年3月末を目処に有識者などからなる第三者機関を設立すると発表。
DeNA、「モバゲータウン」における健全性維持のための取り組みを発表。サイト内メールの利用を年齢に応じて制限したり、2008年春までにサイトの監視要員を300人増員するといった方針を打ち出す。
12月27日 総務省が「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」の第2回会合を開催。

●2008年

年月日 出来事
1月21日 慶応大学のコンテンツ政策フォーラムが「インターネット上の安全・安心に関する緊急フォーラム」を開催(関連記事)。
1月29日 総務省が「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」の第3回会合を開催。
1月30日 情報通信政策研究会議(ICPC)が、「緊急シンポジウム 違法・有害コンテンツ規制の論点整理」を開催。
2月27日 総務省が「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」の第4回会合を開催。
4月2日 総務省が「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」の第5回会合を開催。
4月8日 携帯サイトの有害性を審査するための第三者機関「モバイルコンテンツ審査・運用監視機構」(EMA)が設立される。未成年者がフィルタリング原則加入となったため、健全なサイトにもかかわらずフィルタリングの対象となったサイトを「有害でない」と認定し、フィルタリング対象外とすることを目的としている。
4月14 DeNA、モバゲータウンの監視を行なうカスタマーセンターの新設を発表。年内に450人体制を目指す
4月22日 インターネット先進ユーザーの会(MIAU)を始め、インターネットに関わる12の団体、個人が、青少年ネット規制法案に反対する共同声明を発表。
4月23日 DeNA、ネットスター、マイクロソフト、ヤフー、楽天の5社が共同プレスリリースを発表。子供たちが安心してネットを利用できるための取り組みを開始することを表明する。同時に、5社の代表と、全国高等学校PTA連合会の高橋正夫会長が記者会見を開き、法案に対して「表現の自由を侵害する恐れがある」「保護者の意見が十分に反映されていない」などの指摘を行なう。
4月24日 ネットスターとヤフーが、共同プレスリリースを発表。子どもたちのインターネット利用について考える研究会を立ち上げる。
4月25日 総務省が「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」の第6回会合を開催。今まで話し合った内容を中間取りまとめとして公開する。
総務省が、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、ウィルコム、TCAに対して、「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」の中間取りまとめを踏まえた対応をするように要請。
インターネットサイトとモバイルサイトの健全性を客観的に認定する第三者機関として、有限責任中間法人「インターネット・コンテンツ審査監視機構」(I-ROI)が設立。コンテンツのレーティング基準は、学識経験者と有識者が策定する。
4月28日 TCAと携帯/PHS事業者が、4月25日の総務省の要請を受けたプレスリリースを共同で発表する。
4月29日 WIDEプロジェクトが、青少年ネット規制法案に対して反対するという声明文を発表
4月30日 社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)の理事会が、青少年ネット規制法案に反対する旨を発表
硫化水素ガスによる自殺が相次いだことを受けて、警察庁は各都道府県警に対し、ガスの製造や利用を誘引する情報がネット上にあった場合、削除などの措置を採るようにプロバイダーや電子掲示板の管理者に依頼することを通達。この要請に基づき、該当する数十件に渡る情報が削除された。
5月1日 MIAUが「青少年ネット規制法について考える」と題した緊急シンポジウムを開催。同法案に反対の意見を表明する。
5月21日 民主党が子供のインターネット利用における有害情報対策として、「子どもが安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律案骨子」を公表。子供がインターネットを利用して有害情報を閲覧する機会をできるだけ少なくすること、国や地方公共団体は、民間における自主的かつ主体的な取り組みを尊重すること、子ども自身がインターネットを適切に活用する能力を習得すること──の3点を基本理念に、必要な措置を講じてネットの安全利用を実現することを目的とする。
5月26日 学校関係者や有識者で構成される政府の「教育再生懇談会」が、これまでの審議をまとめた報告書を公開。この報告書には「小中学生には携帯電話は持たせない」という提言が盛り込まれている。そのほか、小中学生が安全確保などの理由からやむを得ず携帯電話を所持する場合は、通話とGPS機能のみに限定された端末を持たせることを推奨し、フィルタリングを法的に義務づけることも盛り込まれている。
5月29日 日本新聞協会は、青少年ネット規制法案について「有害情報の基準策定には国が関与するべきではない」という趣旨の意見書を、同法案を推進する議員らに渡したと発表した。

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