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島さん!日本のモノ作りはどうなりますか!?

社長 島耕作にITを聞く(しょこたん乾杯)

2008年05月29日 04時00分更新

文● 吉川大郎/アスキーネタ帳編集部

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 5月28日、都内にて初芝五洋ホールディングス株式会社 代表取締役社長島耕作氏の社長就任記者会見&乾杯式が行われた。

 我々ascii.jpは会見終了後の島耕作氏を直撃。独占インタビューを敢行した。

初芝五洋ホールディングス株式会社 代表取締役社長島耕作氏。1970年初芝電器産業株式会社入社。以来宣伝畑を歩くが、1999年初芝電産貿易株式会社への出向を皮切りに、ワインビジネスや新人歌手プロデュースといった異色の仕事も手がける。2001年2月より初芝本社取締役。2002年中国担当役員。2006年専務取締役として中国、インド、北米を担当。韓国ソムサン電子からの敵対的TOBを仕掛けられた五洋電機に対し、初芝がホワイトナイトになることを提案。総指揮を執り成功させ、現職に至る。「趣味は仕事」(本人談)。声は井上和彦張りの美声。

ascii.jp 日本のものづくり企業として、初芝さんはどのように強みを発揮していくのでしょうか?

島耕作氏(以下 島) 日本のGDPは世界第2位までになりましたけれども、その基礎を作ったのは自動車と家電だと言われています。これらの技術が世界で抜きん出た時代があり、今日の日本があります。しかし近年、トップにあった日本の技術が「そうでもないのではないか」という時代になっています。たとえば家電においては韓国勢の躍進がかなり大きい。韓国がこれほど強いということに、日本人は気が付いていなかったのです。

 日本とは、世界でも珍しく韓国商品が売れない市場なのです。ヒュンダイの自動車に乗っている人や、サムソンの電機製品を使っている人は珍しいでしょう? 日本の技術はまだ優秀だと思っている内に、外国ではもっと優秀なモノがどんどん出てきている、どんどん作っているんだということを、これからはハードの面では自覚しなければいけないと思っています。世界に目を開いて、自分の国の製品と比較してみて、ほんとうに日本はそんなに優秀なのか、確認したいですね。

ascii.jp 世界と日本といったテーマでは、“パラダイス鎖国”という言葉も生まれました。

 価格競争でギリギリ詰め合っているような、たとえば中国市場でしんどい思いをしなくても、日本だけでやっていいければいいじゃないかというお話ですね? 家電だけでなく様々な業界の人が、同じような話をしています。海外に背を向けていた時期があると。そしてそれに今、やっと気が付きはじめている。日本の豊かな市場も、少子化でこれからどんどん縮小していって、さほどうまみもなくなってきます。一方、中国では富裕層が増えて、テレビを買う層も飛躍的に増えます。インドやロシアもそうでしょう。すると、やはり国外市場に目を向けざるを得ない。私が「シンク グローバル」というスローガンを謳ったのは、そういう背景からです。

ascii.jp 会見場では、五洋電機の勝浦大喜社長が、初芝五洋HDとなったことで、「国外への技術流出が防げた」と仰いました。しかしながら、人材はどうなのでしょうか? 優秀な人材が海外の企業に流れていくことは防げないと思いますが。

 それは仕方がないでしょうね。野球選手も同じですし。出来る人ほどいなくなるという傾向はあります。しかしそうした状況でも、日本でやっていきたいという人を探していかないといけない。また、出来る人の数を増やしていかないといけないと思います。ここまで来ると教育問題に入ってきてしまいますが、もっと数学に力を入れた教育をしていくべきですね。数学オリンピックで、日本は10~20位を低迷していますが、かつてはベスト5に入る力を保っていました。今は中国、ロシア、アメリカが常連です。大国は数学の力が強い。また、故に大国と言えるかもしれません。

ascii.jp 日本企業のIT戦略についてはどう思われますか? 欧米に比べ、日本企業はITを武器として使ったビジネスに鈍感な傾向があるように見受けられます。

 若い人に期待したいですね。国外の企業で働いた若い人に戻ってきてもらって、国外企業の状況を日本の上層部に伝えてもらうことです。日本は留学生の数も圧倒的に少ないといいますね。原因はいろいろあるでしょうが、大学が終わったら、大学院よりも先に海外に行くという、ある種の流れというか風潮というか、トレンドが作られたらいいと思います。

ascii.jp 最後に、初芝五洋HDの今後の施策を教えてください。

 我々は3兆2500億円を使って経営統合をしているわけですから、20年といった単位ではありますが、ペイしていかなければいけません。同時に、五洋が持っているものを得たので、それをシナジー効果としてさらに発展していきます。その代表的なものが、電池系です。燃料電池も含め、自動車の電池もそうですが、世界中がCO2削減やエコに向かっていっています。自然現象を見ていると待った無しですから。

次ページ 「しょこたん乾杯」 に続く

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