ASCII.jpヘッドホン研究所 第10回
ASCII.jpヘッドホン研究所
カナル型の手軽さでノイズキャンセルを楽しむ――オーディオテクニカ「ATH-ANC3」
2008年05月29日 10時00分更新
「ノイズキャンセル機能は魅力的だが、外出時に大柄なヘッドホンは見た目が重苦しい。収納時にも邪魔になりそうでちょっと……」 そんな人にはカナル型イヤホンにノイズキャンセル機能を追加した製品がおすすめだ。装着しているときの見た目は普通のイヤホンと変わらないし、収納時はヘッドホンタイプの製品より断然コンパクトだ。
ノイズキャンセル機能搭載カナル型イヤホンは数社から発売されているが、今回はその中のひとつ、オーディオテクニカ(株)の製品「ATH-ANC3」を評価してみた。
Point 1 ノイズキャンセル機能の効果は?
ATH-ANC3最大の特徴は、もちろんノイズキャンセル機能である。マイクで集音した音からノイズ成分を検出。逆位相の信号を生成してノイズを相殺する、一般的な仕組みを採用する。

イヤホン中央のロゴマークを囲む円がマイクスリット
マイクはイヤホン本体に仕込まれている。ロゴマークを囲む線が極めて細いスリットになっており、その内部にマイクを搭載する。目立つマイク穴を作らないようにして、デザインを崩していないのは見事だ。
徒歩~駅~電車内と実地検証してみたが、ノイズキャンセルの効果は確かなものだ。特に、ゴォーとうなるような低域の騒音(車や電車の走行音など)をかなり軽減してくれる。耳を完全に覆う密閉型のノイズキャンセリングヘッドホンには及ばないまでも、対ノイズ性能は十分に効果を実感できるレベルだ。
Point 2 使い勝手への配慮
電源は単4アルカリ乾電池1本。電池によるバッテリー駆動時間は約50時間と十分長いが、再生中に電池切れを起こすこともあるだろう。ノイズキャンセル製品の中には電源オフ時に通常のヘッドホンとして使えないものもある。
本機は電池が切れてもそのまま使えるスルー機能が搭載されており、電池が切れるとノイズキャンセルはできなくなるが、音楽は聴き続けられる。本機に限った話ではないが、電源オフ時でも利用できるノイズキャンセル製品は、その点安心できる。
なお電池残量はパワーインジケーター(電源ランプ)の明るさで確認する。インジケーターの色を変えたり点滅させたりしてくれた方が分かりやすいと思うが、前述のように電池が切れてもとりあえず音楽は聴き続けられるので、切実な問題とはならない。
ノイズキャンセルイヤホンには必須のモニタースイッチも搭載する。押すとノイズキャンセル機能と再生音を同時にオフして、周囲の音を確認できる。

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