NHKもテレ朝も「ビビって」いた
── ところでこうしてお話ししていると、都知事選の政見放送の時とは話し方が大分違いますね。
外山 政見放送は、僕が言いたいことをただ面白くして言っただけ。練習も大量にやって、一字一句間違えないように、口調とかところどころのテンションも間違えないように作ったんですよ。わざと声が裏返るところとかも。
── 面白がってくれることを期待して、あの政見放送を作ったと。
外山 うん。でも、分かる人には分かるように作ってある。馬鹿な人が見たら、なんだこりゃといって単純に笑えて、一定の学力や知性がある人が見ると、笑いながらもこれはなかなか背景があるなと思ってくれるようになってる。
── しかし、ああいう演説をいきなりやって、収録したテレビ局の人たちは相当驚いたんじゃないですか?
外山 うん。内心、ビビっていたみたい。NHKの人たちはお役所体質というか、表面的には平静を装ってたけど、後で聞いたところでは、その次にあったテレビ朝日での収録前に、NHKからテレビ朝日に「まずい奴が行くから注意しろ」と通報が行ってたみたい(笑)。まぁ、まずい奴が来たって、制度上は撮って流すしかできないから、対策の建てようがないんだけどね。
── ちなみに、選挙に出て注目を集めるという方法はどこから思いついたんですか?
外山 これも獄中で思いついた。選挙なんて本当にろくでもないなと感じていたのが、当落を度外視したら意外と使えることに気が付いて。ポスターに書いてある内容も全部獄中で考えたんだよ。「政府転覆」とか「こんな国滅ぼせ」とか、そんな言葉が選挙ポスターに書いてあったら、むちゃくちゃ面白いだろうなと(笑)。
最近、ちょっとしたビラまきで逮捕されるという事件が相次いでいるので、だったら逮捕されるリスクを負って危険なビラまきをするよりも、選挙だったら供託金さえ払えば町中にポスターを貼れるわけだし、選挙公報を税金で各家庭に配布してくれるわけでしょう。これはビラまきよりも効率がいいなと。
【YouTube】投票率ダウンキャンペーン
「投票率ダウンキャンペーン」という、福岡知事選の際に行われた活動を元に外山氏が自作した映像。ほかにも自作の映像を定期的に投稿しているが、別の人間がアップロードした映像も数多い。