PIE2008に展示されているコンパクトデジタルカメラ製品に関しては、開催前に発表されたものがほとんどで、開催期間中に「突然の新製品発表!」もないようだ。とはいえ、直前にリリースされたものや4月発売の製品に関しては、このイベントが初出ということもあって、発売前に実機を触るいい機会となっている。
直前リリースされた製品の中では、松下電器産業(株)は「LUMIX DMC-FX500」(関連記事)をメインにした展示が目立った。タッチパネル液晶ディスプレーにより、タッチした被写体に追尾するフォーカス機能など、デモで分かりやすく表現していた。
また、LUMIXシリーズとしては初の無線LAN内蔵モデル「DMC-TZ50」(関連記事)も展示されていた。3月に発売された「DMC-TZ5」に準拠する仕様であるが、同社直販サイト限定で販売される製品であるため、実機を触る機会自体、PIE会場くらいしかないだろう。
富士フイルムは新モデル「FinePix F100fd」(関連記事)を中心に、顔検出追従性やワイドダイナミックレンジなどをアピールする展示が目を引く。しかし、コンパクトデジタルカメラそのものよりも、プロラボおよびセルフプリント端末の展示にかなり注力している。PIEはエンドユーザーだけでなく、業者も多く参加するイベントだけに、強くアピールしたいところだろう。とくにセルフプリント端末の新アプリケーション「フォトブック・スクエア」は、印刷物が正方形の冊子形状に仕上がるなど、従来のL判やポストカードとは異なる出力サービスの新しい展開を感じさせる。
富士フイルムの中でもひっそりと展示されていたのだが、中判フィルムカメラの参考出品は見逃せない。「KLASSE」など高性能高級機をラインナップする同社ではあるが、出品されたのはコンパクト中判機。しかも蛇腹鏡胴という思いきりマニアのツボを付いたモデルだ。発売時期や価格はまったくの未定とのこと。
顔検出のように普及する技術になるかどうかは未知数ながら、カシオ計算機(株)の高速連射カメラ「EXILIM PRO EX-F1」(関連記事)に対する関心も高かった。EXILIM PRO EX-F1は1秒間に60枚の静止画が撮れるという、超高速連射を売りにした製品。カシオではブースのほぼ全体を“EX-F1タッチ&トライコーナー”としている。舞台上のコンパニオンの姿を、秒間60コマの超高速連写もしくは、秒1200コマのムービーで撮る展示には、プレスデーにも関わらず入場待ち行列ができる状態だった。