千葉・幕張メッセで15~16日に開催されている(15日は招待日)アーケード(ゲームセンター)向け機器の展示会「AOU2008 アミューズメント・エキスポ」。このAOU2008では、ビデオゲームからプライズゲーム、はたまた両替機と、ゲームセンターに置いてあるようなありとあらゆる機器の展示が行なわれている。
ここでは、「ストリートファイター」シリーズの10年ぶりの新作で、国内初のプレイアブル出展となる「ストリートファイターIV」(スト4)のプレイインプレッションをお伝えする。
僕たちの青春の1ページ
スト2が次世代になって帰ってきた!
今回のAOU2008に出展されるビデオゲームの中で本命と言えるのが、この「ストリートファイターIV」。スト4を展示していたカプコンブースでは、AOU2008開始直後から終了時間ギリギリになっても人が途絶えることがなかった。
で、そのスト4の出来はどうなのか。一言で言えば「原点回帰」。昨今の対戦格闘ゲームでの主流だった、コンボを駆使してのゴリ押しシステムではなく、間合いを見計らって、きっちりと攻撃を与えていくシステムになっている。小足払いに合わせて昇竜拳、なんていうアレだ。
ストリートファイターII(スト2)世代(厳密に言うとスト2ダッシュあたりだが)の筆者にとっては、若干の古臭さは感じられるものの、とても懐かしくそして安心できるシステムというのが第一印象。なんせ、コンボ重視の格闘ゲームには全く操作が付いていけないですから……。
AOU2008出展時のバージョンで使用できるキャラクターも「リュウ」、「ケン」の2人はもちろんのこと、「春麗」「ガイル」「ザンギエフ」「エドモンド本田」「ダルシム」「ブランカ」などスト2に準拠したキャラクターに、新キャラクター2人を加えた10人という、これまた古い世代にうれしい仕様。
うねうね動く筋肉を感じながら戦え!
というわけで、さっそく“赤きサイクロン”こと唯一のレバー1回転コマンドキャラ「ザンギエフ」を選んでプレイ! 今までのストリートファイターシリーズにはない、3D格闘ゲームのような登場シーンが新鮮なのだが、気になったのが男キャラの筋肉具合。すごく……ガチムチです。
男キャラに引きずられるようにおなじみの春麗(チュンリー)も、そこはかとなく色気を感じられるほどムッチムチに。ほっそい女の子が強くちゃダメなんだ、というカプコンの主張が感じられます。
実際のプレイ画面では、キャラクター・背景ともに3Dで描写されているが、画面奥への移動などはなく、従来の2D感覚で戦えるようになっている。また、ただ単に平面を横移動しているわけではなく、背景が自然に回り込むように動いているのが印象的だった。
本作では3D描写のため、従来のCPシステムIII基板ではなく、(株)タイトーのアーケード向けシステム「TAITO Type X2」を利用している。このため、キャラクター自体の動きも、ドットによるキャラパターンではなく、「うにょうにょ」と動くようになっている。それがまたキャラクターに程よい重さと、攻撃の痛さを表わしていたと言える。
スト4でのザンギエフの持つ必殺技は、ダブルラリアットやスクリューパイルドライバー、バニシングフラットなど「スーパーストリートファイターIIX」までの技が主になる。スクリューパイルドライバーを決めた時は、相手の首がキッチリと横に曲がり、とても痛そうな表情を見せるなど、細かい演出がニクイ。
ちなみに、スト4で採用されているアーケード向けシステム「TAITO Type X2」もタイトーブースにて展示されていた。パッと見た感じコンパクトPCっぽいが、それもそのはず。なんと、CPUはIntel Core 2 Duo E6400(もしくはPentium 4 651かCerelon D 352)で、チップセットはIntel Q965チップセットを採用する。OSはWindows XP Embedded SP2が動作するという。PCプラットフォームおよびコンシューマーへの移植もあるかも?
ウルトラコンボはスーパーコンボ+ボタン2つ押し
また、先日公開された「ウルトラコンボ」のコマンドも筐体には表示されていた。スーパーコンボのコマンドにパンチまたはキックを2つ同時押しというもの。例えば、ザンギエフの場合はレバー2回転にパンチボタン2つといった感じだ。
さらに画面下のスーパーコンボゲージが溜まっている状態で、敵の攻撃を喰らうことで溜まる「リベンジゲージ」(画面左上および右上)が赤くなっている時が発動条件である、ということもわかった。
これは狙わなくてはなるまい、と意気込んでいた筆者だったが、ザンギエフの場合は投げ技なので、カットインの挿入で発動がバレてしまう。相手が避けられないタイミングで出さないと、レバーを上に入れておくだけで逃げられてしまうのだ。というわけで、1回も決められなかった。残念だ。
相手の攻撃を防御して直後に反撃をこなす、スト4での新システム「セービングアタック」については、ほかの人のプレイを見ていたところ、さすがに使いこなしている人は少ない様子だった。筐体の説明では、セービングアタックはボタンを長押しすることで、タメ攻撃として発動できるとある。最大タメでは「ガード不能」まで行くが、普通の立会いでそこまで溜めるのは難しそうだ。
展示台はすべて対戦台だった上に、冒頭で述べたように開催終了まで人が待っている状態だったため、1人用のストーリーモードを進めることはできなかった。果たして現在登場しているキャラクターを倒した先には何が待っているのか、そしてこのほかにも使えるキャラクターがいるのか、今後の情報公開に期待しよう。
ちなみに、今月22日から24日までの週末に、東京・吉祥寺の「プラザカプコン吉祥寺」にて、ストリートファイターIVの第1回ロケテストを実施することが本日発表された。AOU2008に行けなかった人にも、まだスト4に触れるチャンスは残されているぞ。
