「OCNグループウェア」のメリット
情報システム部から提案された「OCNグループウェア」をプロジェクトで利用するメリットには、以下のようなものがあった。
- ・月単位の契約ができ、初期投資も不要
- ASP型サービスなので費用は利用する期間の間、利用者数に応じて月額で支払えるため、終了期限のあるプロジェクトに最適。グループウェアを提供するサーバは事業者が準備しているものを利用し、ソフトウェアライセンスなどの購入が不要なため、初期投資も不要となる。また、システムは完全にインターネット上だけで行なわれるため、社外メンバーや部門が違うメンバー構成でも、利用面で支障がない。
- ・メンバーはブラウザがあれば利用可能
- ブラウザベースのアプリケーションで、シンプルなインターフェイスを採用しているため、直感的な操作が可能であり、利用開始に当たってメンバーのトレーニングがほとんど不要。サーバはインターネット上にあるため、インターネットに接続する環境があれば、どこからでもアクセスできる。通信内容はSSLによって保護されるため、セキュリティも万全。
- ・申し込みから短期間で利用開始可能
- 機器の設置やクライアントソフトのインストールも必要ないため、簡単な初期設定だけで運用に移れる。
- ・サーバの管理も不要
- サーバーインストール型のグループウェアなら専門スタッフが行なうことになるサーバのメンテナンスやバックアップもASP型サービスなのでOCN側で行なうため不要となる。
機能面でもプロジェクトを運営するに上で必要十分な機能が揃っていた。さまざまな現場で働くメンバーの調整や情報共有を促する「スケジュール」機能や「掲示板」機能、メンバー間のコミュニケーションを図る「伝言メモ」機能、プロジェクト内で利用する社内施設や共有機器を管理するための「設備予約」機能など。社内への導入ではなく、プロジェクトという単位で利用するため、実際の運用には工夫の必要があるが、プロジェクト活動を円滑に行なうためのツールはそろっているのだ。
また、基本機能の多くは携帯電話からのアクセスに対応しており、本業とプロジェクトの二束のわらじで多忙になることが予想されるメンバーにとっては、時間と場所にとらわれず利用可能なことは大きなメリットになると予測できた。
このようなグループウェアの導入に際して、重要になるのは、いかにこのツールがグループ全体のメリットになるかをメンバーに知らせること。「OCNグループウェア」の場合、最大2ヶ月間無料で使えるお試し期間があるため、A氏は導入に当たって、自らその使用感を試した上で、プロジェクトメンバーの前で実際の画面を使ってプレゼンテーションしながら、OCNグループウェアの導入を提案した。
ブラウザベースによるシンプルな使い勝手の良さやスケジュール表を元にあき時間検索機能を使ったミーティング設定の簡単さ、メンバー間社外のパソコンや携帯電話からもアクセスできる利便性などを積極的にアピール。実際に利用するアプリケーションそのものを例にしたことで、ほとんどのメンバーから支持を取り付けることができた。
メンバー間の情報共有を可能にした「OCNグループウェア」を導入し、複数部門や社外に広がるメンバーのコミュニケーションツールを獲得したことで、新製品開発プロジェクトは本格的にスタートした。
次回はX社がプロジェクトを進める中で、「OCNグループウェア」がどのような働きをしたかを具体的にレポートする。