印刷サンプル
印刷結果を見ると、やはりハイエンド機だけあって粒状感の低さ、発色の鮮やかさなどはなかなかのものだ。スペックが変わってないため印刷品質自体は従来機と同様なはずだが、自動写真補正をONにすると暗部の明るさの引き上げや発色強化などが行なわれ、きちんと印刷結果に反映される。同社のプリンタードライバには従来から“VIVID(ビビッド)フォト”と呼ばれる発色/コントラスト強調モードを備えているのだが、草花の緑や青空などが必要以上に鮮やかになってしまう傾向にあり、やや不自然な印象も強かったのだが、今回の自動写真補正では、あくまでも“写真”として奇麗に見えるような自然な補正となっている。
印刷サンプル1 自動写真補正OFF、VIVIDフォトOFFで印刷。補正OFFではやや発色が地味な印象は受けるものの、元画像にはかなり近い色味となっている(印刷結果のスキャンなので必ずしも一致しないが)。いずれもL判で印刷したものを300dpiでスキャンし、縦800ドットにリサイズした画像と、800×600ドットにトリミングした画像を掲載している。印刷時間はいずれも約33秒
印刷サンプル4 プリンターの自動写真補正やVIVIDフォトは用いず、Photoshopの「スマート補正」を掛けて印刷してみた。暗部を引き上げるために全体的に明度が上がり、彩度はあまり強調されないためってコントラストの低い結果となっている
顔検出による補正では、特に輪郭強調を顔部分にのみかけることができるのは簡単に写真の見栄えを向上させる手段として効果的だ。人物写真であればまず強調した場所は顔であり、ほかの場所にピントが合ってしまった失敗写真や全体的にピントの甘い画像であっても、顔にだけシャープネスを強めにかければ顔にピントが合っているように見えて、きちんとした写真のように繕うこともムリではない。もちろん補正するにも限度はあるし、本来レンズから等距離にあるはずのほかの被写体の輪郭が強調されないのは写真的に見ればおかしいのだろうが、てっとり早く見栄えをよくするレタッチとしては、実際かなり使いでのある手法と言えるだろう。
本機の印刷エンジンは昨年を継承していることもあって画質そのものはほとんど変更されていない。これは本機だけでなくPIXUSシリーズ全体、またキヤノン製品だけでなくエプソン製品にも言えることだが、今年のモデルは昨年と基本仕様が同一で、毎年のように画質向上、速度アップが行なわれていた数年前からすればやや物足りなく感じるかもしれない。
焼き増しサンプル 「写真の焼き増し」機能で紙焼き写真をスキャン→L判印刷した。「焼き増し」機能ではスキャンに約30秒、印刷処理に約45秒かかり、途中で補正の有無などを選ぶことができる。単純に「コピー」を指定すれば補正は使えないが約44秒で済む
といっても進歩が滞っているというわけでなく、画質(解像感の向上・粒状性の低減)自体が肉眼で判別できる限界に近づきつつある中で、いかに印刷結果をよく見せるかという方法論へと強化の主眼が移行した現われなのだろう。従来、画像のレタッチ技術をそれほど強くは主張しなかった同社製品ではあるが、新機種の目玉とするだけあって自動写真補正機能はかなり高い精度で最適な補正をしてくれる。本機は写真印刷としての新たな展開を見せつつも複合機としての使い勝手、起動時間の短縮や操作性の向上、若干ながら複合機で最大のネックであるボディーサイズの小型化など、細かな改良も施され、堅実にホームプリントの質的向上を図っている製品と言えるだろう。
| PIXUS MP970の主なスペック | |
|---|---|
| 製品名 | PIXUS MP970 |
| 印刷方式 | サーマルインクジェット |
| 印刷解像度 | 9600×2400dpi |
| インク | 7色(C/M/Y/PC/PM/染料Bk+顔料Bk) |
| インクノズル | 最小1pl、各色512ノズル |
| 印刷サイズ | A4~A5、レター、リーガル、洋形封筒4号/6号、長形封筒3号/4号、はがき |
| 給紙容量 | 給紙カセット・給紙トレイ、各150枚 |
| スキャン方式 | CCD |
| スキャン解像度 | 4800×9600dpi |
| 液晶ディスプレー | 3.5インチTFT |
| インターフェース | USB 2.0、10/100BASE-TX |
| 本体サイズ | 幅471×奥行き396×高さ214mm |
| 重さ | 約11.9kg |
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