細かな改良で使い勝手が改善
ボディーデザインの変更によってややサイズが小さくなったとはいえ、家に置くにはまだかなり大きい印象はある。従来機の逆台形は斜め上から見下ろしたときに大きさを感じさせない印象を狙ったようだが、デザイン的にはシンプルな直方体形状になった本機のほうがすっきりして見える。なお、ライバルであるセイコーエプソン(株)のハイエンド複合機「PM-T990」は、幅450×奥行き438×高さ227mmなので、本機のほうが横幅はあるものの高さと奥行きが小さく、体積比で11%ほど小さいことになる。
ボディー形状が変更されたといっても基本的な機器レイアウトは従来機同様で、ボディー前面右下のドアを開くとメモリーカードスロットが現われる。従来機では上面前端が手前にせりだしているためややアクセスしづらかったカードスロットだが、本機では前面が垂直に近くなったためやや使いやすくなった。奥まったところにあって抜き差ししづらいのは同様だが、スロットにメモリーカードをセットしたままでもフタが閉められるため、ホコリなどの侵入やメモリーカードを露出したまま使っていて何か物をぶつけてしまう心配はないだろう。
操作パネルのボタン類は従来機とほぼ同様だが、ボタンのレイアウトが若干変わっており、横幅を狭めて密集した配置となった。操作の中心はホイールと液晶ディスプレーなので、その周囲にボタンが近づけられたことで操作時の指の動きが少なくて済むという配慮だろうが、見た目にも“コンパクトにまとまった感”があっていい。
電源を入れると6秒でパネルでの操作が可能となるクイックスタートに加え、LED光源によるウォームアップ不要なスキャナーにより、コピーなどはすぐに開始できるのもうれしいところ。また、従来機からの自動排紙トレーオープン機能も継承しており、印刷が開始されると自動的に前面パネルが倒れて排紙トレ-となる。とくにLAN機能はPCから離れた位置にプリンターを設置できるのがメリットだが、普段は排紙トレーを閉じておいてホコリの侵入を防ぎ、印刷結果を取ってからまた排紙トレーをパタンと閉じればよいのは便利。印刷音は非常に静かで、用紙の搬送などの際にガチャっと音がする程度なのだが、コピー・スキャン利用ではスキャナーのセンサーユニットを移動する際の甲高い音がやや大きいのが気になった。