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【レビュー】最新自動画像処理を採用したハイエンド複合機 キヤノン「PIXUS MP970」

2007年11月08日 15時00分更新

文● 行正和義

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細かな改良で使い勝手が改善


 ボディーデザインの変更によってややサイズが小さくなったとはいえ、家に置くにはまだかなり大きい印象はある。従来機の逆台形は斜め上から見下ろしたときに大きさを感じさせない印象を狙ったようだが、デザイン的にはシンプルな直方体形状になった本機のほうがすっきりして見える。なお、ライバルであるセイコーエプソン(株)のハイエンド複合機「PM-T990」は、幅450×奥行き438×高さ227mmなので、本機のほうが横幅はあるものの高さと奥行きが小さく、体積比で11%ほど小さいことになる。

印刷メニュー画面

メモリーカードを装着して画像を選択して印刷(左上)。印刷設定項目が1ページ内の項目が増えて見やすくなっている(右上)。印刷項目の詳細設定で「自動写真補正」を選択(左下)。選択しない場合は細かな詳細設定となる(右下)

ソリューションメニュー

今期のPIXUSシリーズでは新たに「ソリューションメニュー」と呼ばれる新しいメニューが採用され、プリントツールやスキャンツールなどをこのメニューから呼び出す方式になった。従来どおり個別の印刷/スキャンツールの呼び出しも可能だ

 ボディー形状が変更されたといっても基本的な機器レイアウトは従来機同様で、ボディー前面右下のドアを開くとメモリーカードスロットが現われる。従来機では上面前端が手前にせりだしているためややアクセスしづらかったカードスロットだが、本機では前面が垂直に近くなったためやや使いやすくなった。奥まったところにあって抜き差ししづらいのは同様だが、スロットにメモリーカードをセットしたままでもフタが閉められるため、ホコリなどの侵入やメモリーカードを露出したまま使っていて何か物をぶつけてしまう心配はないだろう。

 操作パネルのボタン類は従来機とほぼ同様だが、ボタンのレイアウトが若干変わっており、横幅を狭めて密集した配置となった。操作の中心はホイールと液晶ディスプレーなので、その周囲にボタンが近づけられたことで操作時の指の動きが少なくて済むという配慮だろうが、見た目にも“コンパクトにまとまった感”があっていい。

フォトナビシートに自動写真補正のON/OFFマークシート

メモリーカードからの印刷を行なう際は液晶ディスプレーとホイール操作だけでなく、「フォトナビシート」を用いればメモリーカード内の画像を一括してサムネイル印刷し、スキャナで読み込ませれば指定した画像だけ印刷できる。フォトナビシート自体は従来からある機能だが、こちらにも「自動写真補正」のON/OFFマークシートが付いた

手書きナビシートに薄く元画像が印刷される

パソコンなしで、メモリーカード画像の上に手書き文字や絵を描いて合成した印刷ができる「手書きナビシート」。こちらも従来からある機能だが、新たに絵や画像を載せる手書きエリアに薄く元画像が印刷され、コメントなどの手書きが容易になった。元画像の上にある音符などのアイコンは手書きナビシート出力時にメニューから呼び出して合成したもの

 電源を入れると6秒でパネルでの操作が可能となるクイックスタートに加え、LED光源によるウォームアップ不要なスキャナーにより、コピーなどはすぐに開始できるのもうれしいところ。また、従来機からの自動排紙トレーオープン機能も継承しており、印刷が開始されると自動的に前面パネルが倒れて排紙トレ-となる。とくにLAN機能はPCから離れた位置にプリンターを設置できるのがメリットだが、普段は排紙トレーを閉じておいてホコリの侵入を防ぎ、印刷結果を取ってからまた排紙トレーをパタンと閉じればよいのは便利。印刷音は非常に静かで、用紙の搬送などの際にガチャっと音がする程度なのだが、コピー・スキャン利用ではスキャナーのセンサーユニットを移動する際の甲高い音がやや大きいのが気になった。

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