独イノテック社は3日、x86アーキテクチャーマシンの仮想化ソフト「VirtualBox」のバージョン1.5をリリースした。VirtualBoxは、オープンソースで開発が進められている仮想化ソフトで、Mac OS X(インテルマックのみ)、Windows(x86、AMD64)、Linuxに対応している。現在バージョン1.5のバイナリーが公開されているのは、WindowsとLinuxのみ。Mac OS X版は1.4.1-beta2が最新だ。VirtualBoxは個人利用であれば無償。
バージョン1.5の目玉は、「Seamless Mode」の搭載と64ビットへのOS対応。Seamless Modeは、仮想化ソフト上で稼働するOS(ゲストOS)のデスクトップを消して、ゲストOSのウィンドウを仮想ソフトを稼働させているOS(ホストOS)に融合させるというもの。類似機能は、Mac OS X用の仮想化ソフトである「VMware Fusion」でUnity(ユニティー)、Parallels DesktopでCoherence(コヒーレンス)という名称で搭載されているのみで、WindowsやLinuxの仮想化ソフトでは初となる。
Seamless Modeを有効にすることで、ホストOS上(Windows Vista)でゲストOS(Windows XP)のウィンドウをそのまま扱える。ただし、ホストOSとゲストOSのウィンドウ間でのドラッグ&ドロップのファイルコピーには未対応。
残念ながら、Mac OS X用の最新版(1.4.1-beta2)では、Seamless Modeを有効にできるものの、Mac OS XのデスクトップをゲストOS(Windows XP)のデスクトップが覆ってしまうなど正しく機能しない。
初出時に64ビット版Windows VistaをゲストOSとして稼働させることができる旨の記述がありましたが、サポートされたのはホストOSとしての64ビット版Windowsです。ゲストOSとしては利用できません。お詫びして訂正いたします。