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ミッションクリティカルにもブレードを! HPがBladeSystem新製品発表セミナーを開催

2007年04月19日 22時34分更新

文● アスキービジネス編集部

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データベースシステムもブレードで構築可能になるBL860c

 日本ヒューレット・パッカード株式会社 エンタープライズ ストレージサーバ統括本部 ビジネスクリティカルサーバ製品本部 サーバプロダクトマーケティング部 部長の森成隆氏は、BladeSystem c-Classの新製品「BL860c」に関する説明を行なった。c-ClassはHPが「Blade 3.0」と位置付ける第3世代のブレードシステムである。その特徴は、サーバだけでなくネットワーク(インターコネクト)やストレージもブレード化し、ラック型と同等の拡張性を持っている点だ。

日本ヒューレット・パッカード株式会社 エンタープライズ ストレージサーバ統括本部 ビジネスクリティカルサーバ製品本部 サーバプロダクトマーケティング部 部長 森成隆氏

日本ヒューレット・パッカード株式会社 エンタープライズ ストレージサーバ統括本部 ビジネスクリティカルサーバ製品本部 サーバプロダクトマーケティング部 部長 森成隆氏

 「HP Integrity BL860c」は、c-Classとしては初めてItanium 2を搭載したブレードだ。「Integrity」の名称からも分かるように、チップセットなど主要なコンポーネントには、HPの他のItanium 2搭載機と共通のものが用いられている。CPUアーキテクチャの異なるx86ベースのブレードと混在させた環境でも統合管理が可能となっているほか、HP-UX、Linux、Windows(2007年下半期からサポート予定)の複数のOSに対応している。

HP Integrity BL860c(右)左はハイエンドのSuperDome

HP Integrity BL860c(右)左はハイエンドのSuperDome

サイズは小さくても他のIntegrityと同様の信頼性を備えるBL860c

サイズは小さくても他のIntegrityと同様の信頼性を備えるBL860c

 Itanium 2はインテルのハイエンド向けCPUであり、Xeonなどx86系のCPUと比較して、キャッシュのエラー部分を自動的に切り離す仕組み(キャッシュセーフテクノロジー)など、信頼性を向上させるさまざまな仕組みを持つ。またBL860cに搭載されているチップセット「zx2」も、さまざまなエラー保護機能を備えている。さらに20年以上の実績を持つHP-UXとの組み合わせにより、BL860cはIntegrityの上位機種と同等の信頼性を実現しており、データベースなどミッションクリティカル用途での使用に耐えるものとなっている。この結果、大規模な企業システムで用いられるデータベース、アプリケーション、Webサーバの3層システムのすべての要素を1つの筐体に内蔵し、統合管理することも可能となっている。

3階層の大規模システムを1ラックで実現可能に

3階層の大規模システムを1ラックで実現可能に

もはやブレードを選択しない理由はない?

 セミナーの最後に、日本ヒューレット・パッカード株式会社 エンタープライズ ストレージサーバ統括本部 インダストリースタンダード・サーバ製品本部 ブレード・バリュープロダクトマーケティング部の山中伸吾氏が登壇し、BladeSystem c-Classの製品ラインナップ全体を紹介した。

日本ヒューレット・パッカード株式会社 エンタープライズ ストレージサーバ統括本部 インダストリースタンダード・サーバ製品本部 ブレード・バリュープロダクトマーケティング部 山中伸吾氏

日本ヒューレット・パッカード株式会社 エンタープライズ ストレージサーバ統括本部 インダストリースタンダード・サーバ製品本部 ブレード・バリュープロダクトマーケティング部 山中伸吾氏

 現状の企業のシステム部門では、本来ならIT戦略策定などを行なうべき優秀なスタッフが、マシンルームに出向いて作業をするといったことが起きている。これを解決するために、c-Classでは、(1)完全な遠隔操作機能、(2)パーツの簡単な物理交換、(3)わかりやすい監視機能を備えている。特に遠隔操作機能「Integrated Lights-Out」は、BIOSやOSインストール画面、さらにはWindowsのブルースクリーンまでも遠隔地から見ることが可能で、これらにより優秀なスタッフがいちいち現場に出向く必要がなくなっている。またエンクロージャーに備えられているディスプレイにより、現場の作業員は、コピー機の紙詰まりを直すのと同等の手軽さで、問題点とその解決策を知ることができるようになっている。

コピー機の紙詰まりを直すような手軽さで、サーバの問題点を知ることができる

コピー機の紙詰まりを直すような手軽さで、サーバの問題点を知ることができる

 この他、ハードウェア変更時にネットワークカードやホストアダプタの物理アドレスを変更しなくても済む「バーチャルコネクト」、ラック全体の消費電力を抑制する「Dynamic Power Saver」など、現実の企業でITインフラに携わるユーザーにとって魅力的なc-Classの機能が紹介された。またブレードは、ラック型やタワー型のサーバと比較して、ネットワークやストレージの拡張性が低いと思われているが、c-Classでは最大8個のネットワークポートを備えていることや、「ストレージブレード」により記憶容量拡張が簡単に行なえることが紹介された。

エンクロージャーが315円? 来週よりキャンペーン開始

 ブレードシステム導入に際して、最後の障壁と考えられるのが、導入価格の高さである。しかし山中氏は、複数のサーバを導入するのであれば、通常の価格でもラック型とブレードにはすでに価格差がないという点を指摘する。さらに来週から予定している「Blade 3.0 HPに相談だ! キャンペーン」において、サーバブレードを3台購入すれば、通常価格が63万円(税込)のエンクロージャーを315円で提供するとともに、本体やオプションも30%割り引きを行なうという(同キャンペーンは2007年7月31日までの予定)。

ブレードを3台購入すれば、エンクロージャーは定価の99.95%引きの315円で購入できる

ブレードを3台購入すれば、エンクロージャーは定価の99.95%引きの315円で購入できる

 セミナー全体を通して、HPがブレードを本格的に推し進めていることが強く印象付けられた。

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