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ミッションクリティカルにもブレードを! HPがBladeSystem新製品発表セミナーを開催

2007年04月19日 22時34分更新

文● アスキービジネス編集部

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日本HPは18日、ブレードサーバ「BladeSystem c-Class」の新製品BL860cに関するセミナーを開催した。

自社の次世代ITインフラ用に開発されたBladeSystem c-Class

広い会場は満員となっており、ブレードに対する注目度の高さが伺える

広い会場は満員となっており、ブレードに対する注目度の高さが伺える

 セミナーの冒頭、日本ヒューレット・パッカード 執行役員 エンタープライズ ストレージサーバ統括本部 本部長の松本芳武氏は「HP BladeSystem c-Class」が、これまでのブレードサーバの概念を超えた第3世代の製品、「Blade 3.0」であると説明した。またItanium 2を搭載した新製品BL860cにより、ブレードサーバが企業のミッションクリティカル領域にも進出可能になったことを指摘、DB、アプリケーション、Webサーバの3層システムすべてを1ラックで実現できると説明した。

日本ヒューレット・パッカード 執行役員 エンタープライズ ストレージサーバ統括本部 本部長 松本芳武氏

日本ヒューレット・パッカード 執行役員 エンタープライズ ストレージサーバ統括本部 本部長 松本芳武氏

第3世代ブレード「Blade 3.0」

第3世代ブレード「Blade 3.0」

 現在のHPは大きな合併を繰り返してきた結果、コンパック、デジタルエクイップメント、タンデムといった企業の技術や製品とITリソースを引き継いでいる。そのため2002年の時点では、HPは世界中に300ものデータセンターを所有していたという。その後データセンターの統合が進められ、2004年(会計年度)には85カ所になっていたが、今後さらに統合を進め、2007年末には3カ所に2つずつの計6つへの集約を目指すという。

 この過激ともいえる急速な統合を実現するために、HPのIT部門が必要とする機能を考え、それらを反映して生み出されたものが、BladeSystem c-Classである。これによりデータセンターの保守管理のコストを削減し、「革新」のためにコストを割り振ることで、いっそうの発展を目指すのがHPの戦略である。

ユーザーの立場から見たITインフラ戦略

 続いて全日本空輸株式会社(全日空)IT推進室 担当部長の田中正史氏が登壇し、ユーザー企業の見地によるITインフラ戦略を説明した。全日空は予約・発券・搭乗を扱う旅客システム「able」を始めとして、多くのシステムを抱えている。航空業界各社のIT依存度は高く、ITインフラの強化は競争力向上に直結しているのだ。

全日本空輸株式会社 IT推進室 担当部長 田中正史氏

全日本空輸株式会社 IT推進室 担当部長 田中正史氏

 田中氏は同社の既存サーバ環境に(1)システム老朽化、(2)システムごとの個別最適化、(3)運用負荷の増大、(4)開発工期の長期化といった課題があり、これらすべてがコスト増大の要因になっていると説明する。課題解決のために全日空では、既存の15システム(HP-UX/PA-RISC、Windows/x86)を、仮想化技術を用いて、5台のSuperDomeと21台のBladeSystemへと統合を行なった。スケールアップによる拡張が適している分野にはSuperDomeを、スケールアウトが適している分野にはBladeSystemを適用することで、コストパフォーマンスの最大化を実現しているという。

SuperDomeとBladeSystemの組み合わせでコストパフォーマンスの高いシステムを実現

SuperDomeとBladeSystemの組み合わせでコストパフォーマンスの高いシステムを実現

 統合化の結果、システムの運用保守コストの50%削減が実現、システム要因の負荷も低減されたという。田中氏は今後、「統合するプロジェクトの範囲を拡充するとともに、ミドルウェア層、アプリケーション層の統合を進めていく」というプランを説明するとともに、HPにはハードウェア統合による熱、重量、電源の問題への対応を求めていた。

シンプルなソフト+シンプルなハード=最適なシステム

 続いて日本オラクル株式会社 システム製品統括本部 営業推進部 今野尚昭氏が登壇した。今野氏は現在の企業が抱える経営の課題を(1)コスト削減、(2)スピード経営、そして(3)セキュリティ&コンプライアンスであると語り、これらの課題に対するオラクルの解決策を『システムを「シンプル」に』であると説明する。

日本オラクル株式会社 システム製品統括本部 営業推進部 今野尚昭氏

日本オラクル株式会社 システム製品統括本部 営業推進部 今野尚昭氏

 オラクルは多くの企業の買収を進めたことにより、データベースだけでなく、ミドルウェア、アプリケーション、統合管理ツールなど多くのソフトウェア製品を抱えている。これらの製品を組み合わせる(垂直統合)ことで、データウェアハウス、ERPなどさまざまなソリューションをオラクル一社だけで提供可能となっている。統一されたアーキテクチャによるシンプルなソフトウェアスタックで提供されるソリューションは、コンポーネントごとに異なるベンダーの製品を使う(ベスト・オブ・ブリード型)場合と比較して、コスト削減、セキュリティ強化、そして運用管理性の向上といった利点を持っている。

 一社ですべてのソフトウェアを提供すると聞くと、かつての「ベンダー・ロックイン」を想像してしまうが、オラクルの製品はすべて標準技術によって、他のソフトウェアと連携しているため、他社製品との連携も容易に行なえるのだ。

豊富なソフトウェアを備えるオラクルならではのシンプルな垂直統合型ソリューション

豊富なソフトウェアを備えるオラクルならではのシンプルな垂直統合型ソリューション

 そしてオラクルが実現するシンプルなソフトウェアスタックと、HPのBladeSystemによる統合されたシンプルなハードウェアが、ITインフラを統合していくための理想的な組み合わせであると主張した。

シンプルなソフトとシンプルなハードの組み合わせで理想のITインフラが実現する

シンプルなソフトとシンプルなハードの組み合わせで理想のITインフラが実現する

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