松下電器産業(株)は10日、プラズマテレビ“VIERA”シリーズの新モデルを発表。4月20日から順次出荷する。価格はすべてオープンプライス。
フルHD対応の“TH-PZ700”シリーズと、720pのハイビジョン映像の再生に対応した“TH-PX70”シリーズがある。PZ700シリーズは50Vインチと42Vインチ、PX70シリーズは50Vインチ、42Vインチ、37Vインチの画面サイズが選べる。外観(サイドスピーカー:SKまたはアンダースピーカー:無印)や色(ブラックまたはシルバー)の違いで、合計10モデルをラインアップする。
いずれも3月にドイツで開催されたIT関連の展示会“CeBIT 2007”で発表済みの製品だが、国内での発売時期と価格帯が発表となった。
フルHDプラズマがついに40インチ台に
注目機種は、フルHD(1920×1080ドット)に対応したプラズマテレビとしては、世界最小となる“42Vインチ”パネルを採用した『TH-42PZ700』。フルHDのプラズマテレビで40インチ台のサイズを実現しているのは、今のところ、この製品のみとなる。
42Vインチの製品の解像度はこれまでXGA(1024×768ドット)だった。画素数が増えると、画素と画素の間に設ける電極(リブ)の数が増えるため、画面全体に占める発光部分の割合(開口率)は減る。単に解像度だけを増やすとパネルの輝度は半分程度に落ちてしまうという。
そこでパナソニックでは、リブの幅を従来より細くした“狭幅リブ”を開発。開口率を従来製品に比べ、約50%向上させた。また、42Vインチモデル専用に、プラズマ放電の安定性と輝度を向上するための独自技術“微細セル安定駆動技術”を開発。高画素でも画質が落ちないパネルの開発に成功した。
このほか上位となるPZ700シリーズでは、外光の映り込みを抑える“低反射クリアパネル”の採用や信号処理/演算処理を強化した“フルハイビジョンPEAKS ドライバー/プロセッサー”を搭載し、高画質化を図っている。
デジタルカメラやビデオカメラ、DVDレコーダーとの連携も重視しており、全機種が本体にSDメモリーカードスロットを搭載する。フルHD表示に対応した機種(PZ700シリーズ)では、AVCHDレコーダーで撮影したフルHD動画の再生や、付属リモコンを使った写真印刷(要対応プリンター)なども可能だ。なお、SDメモリーカードスロットは下位のPX70シリーズも備えているが、フルHDのAVCHD動画の再生に対応しないなど一部制限がある。
発表会に登壇した松下電器産業の副社長 牛丸俊三氏は、デジタルカメラのLUMIXが最近日本国内でナンバーワンとなり、20%の占有率を持っていること、DVDレコーダーのDIGAも35%の占有率でトップシェアを誇る点を強調しつつ「(これらの機器を)VIERAと一緒に買ってもらえる率を高めていきたい」と話した。
なお、今回発表となった製品の出荷次期と予想実売価格は下記の通り。
TH-PZ700シリーズ
- TH-50PZ700SK
- 50Vインチ、1920×1080ドット、サイドスピーカー、ブラック
- 27日発売、55万円前後
- 幅1266×奥行き137(最薄部94)×高さ802mm、重量約48kg
- TH-42PZ700SK
- 42Vインチ、1920×1080ドット、サイドスピーカー、ブラック
- 27日発売、43万円前後
- 幅1077×奥行き137(最薄部111)×高さ689mm、重量約39kg
- TH-50PZ700SK
- 50Vインチ、1920×1080ドット、アンダースピーカー、ブラック
- 27日発売、53万円前後
- 幅1210×奥行き113(最薄部94)×高さ818mm、重量約45kg
- TH-50PZ700SK
- 50Vインチ、1920×1080ドット、アンダースピーカー、ブラック
- 27日発売、41万円前後
- 幅1020×奥行き113(最薄部111)×高さ705mm、重量約36kg
TH-PX70シリーズ
- TH-42PX70SK
- 42Vインチ、1024×768ドット、サイドスピーカー、ブラック
- 27日発売、32万円前後
- 幅1077×奥行き137(最薄部94)×高さ689mm、重量約31kg
- TH-37PX70SK
- 37Vインチ、1024×720ドット、サイドスピーカー、ブラック
- 27日発売、27万円前後
- 幅977×奥行き137(最薄部94)×高さ629mm、重量約27kg
- TH-37PX70S
- 37Vインチ、1024×720ドット、サイドスピーカー、シルバー
- 27日発売、27万円前後
- 幅977×奥行き137(最薄部94)×高さ629mm、重量約27kg
- TH-50PX70
- 50Vインチ、1366×768ドット、アンダースピーカー、シルバー
- 20日発売、40万円前後
- 幅1210×奥行き369×高さ866mm(スタンド付き)、重量約47kg
- TH-42PX70
- 42Vインチ、1024×768ドット、アンダースピーカー、シルバー
- 20日発売、30万円前後
- 幅1020×奥行き330×高さ752mm(スタンド付き)、重量約35kg
- TH-37PX70
- 37Vインチ、1024×720768ドット、アンダースピーカー、シルバー
- 20日発売、25万円前後
- 幅917×奥行き330×高さ692mm(スタンド付き)、重量約32kg
3.1chスピーカー内蔵の専用スタンドも同時発表
なお、今回の製品の発表に合わせ、AVアンプの機能を内蔵した3.1chラックシアター2機種も追加された。ともにオープンプライスで、予想実売価格は37~50VインチのVIERAに適した『SC-HTR300』が10万円前後、32~42Vインチに適した『SC-HTR200』が9万円前後。
フロントおよびセンターには直径6.5cmの2ウェイスピーカーを採用。サブウーファーの部分は2つの13cmウーファーを左右対向に配置することで、互いに振動を打ち消し合う構造にしてあるという(振動キラー)。背面のカドは、部屋のコーナーに設置しやすいよう斜めにカットされている。
アンプ部分は共通で、ドルビーデジタル/DTS/AACデコーダーなどを装備。またドルビーバーチャルスピーカーにより、2チャンネル音声ソースを仮想サラウンド再生することも可能。接続端子は光デジタル入力が2系統、同軸デジタル入力が1系統、HDMI入力が1系統、HDMI出力が1系統。フロント40W+40W(4Ω)、センター40W(4Ω)、サブウーファー100W(6Ω)の出力に対応。
本体サイズと重量は、HTR300が幅1300×奥行き458×高さ400mm/約47.1kg、HTR200が幅1080×奥行き458×高さ400mm/約42.1kg。