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元ダイエー社長樋口泰行氏、マイクロソフトのCOOに就任

2007年03月05日 19時38分更新

文● アスキービジネス編集部

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3月5日、ダイエーや日本ヒューレット・パッカードで代表取締役社長を務めた、樋口泰行氏が、マイクロソフト株式会社の代表執行役兼COOに就任した。今後ダレン・ヒューストン現社長の後任として、社長に就任すると見られている。

コマーシャルビジネスを樋口氏が統括

 ダイエーや日本ヒューレット・パッカードで代表取締役社長を務めた、樋口泰行氏が、マイクロソフト株式会社の代表執行役兼COO(最高執行責任者)に就任した。樋口氏は、PCソフトやサーバー、ソリューションなどを法人や公共機関向けに提供する「コマーシャルビジネス」を統括することになっている。一方、ダレン・ヒューストン社長はMSN、Xbox、エンドユーザーへのソフトウェア販売などのコンシューマービジネスに集中し、経営の役割を分担することとなった。

マイクロソフト株式会社 代表執行役兼COOに就任した樋口泰行氏

マイクロソフト株式会社 代表執行役兼COOに就任した樋口泰行氏

マイクロソフト株式会社 代表執行役兼COOに就任した樋口泰行氏

 樋口氏は日本ヒューレット・パッカード社長として、同社の個人向けのPCの売上げを大幅に伸ばした。さらに、産業再生機構下のダイエー社長時代において、不採算事業の売却や不採算店舗の閉鎖など企業のリストラクチャリングを手がけ、その経営手腕が高く評価された模様。

 樋口氏 は会見で「前々からダレン・ヒューストンとは面識があるが、ダイエー退職後の2006年末にオファーをいただいて、改めて経営者としてのレベルの高さに感銘を受けた。さらに、米マイクロソフトコーポレーションCEOのスティーブ・バルマーやCOOのケビン・ターナーをはじめとして多くの幹部に会った際に、優良企業であるにもかかわらず慢心しておらず、『常に変化、進化しないといけない』という強い危機意識を持っていることを肌で感じた。特にIT企業にこだわったわけではないが、こういった企業なら自分自身がさらに成長できると考えた」と意欲を見せた。

 ダレン・ヒューストン社長は樋口氏を迎え入れた理由を「IT業界への造詣が深く、経営者としての倫理観やリーダーシップを高く評価したから。また、PC側からスタートしたマイクロソフトのビジネスが多分野に渡っている現状から、1人のリーダーが全てを統括するのは難しいと感じていた。そういった将来のビジネスを見据えての経営判断」と述べた。

ダレン・ヒューストンCEOと握手を交わす樋口泰行氏

ダレン・ヒューストンCEOと握手を交わす樋口泰行氏

ダレン・ヒューストンCEOと握手を交わす樋口泰行氏

よりパートナーシップを重視した企業体質へ

 マイクロソフトの今後の課題に関して、樋口氏は「コンシューマー向けビジネスと法人向けビジネスの両方を行なっている企業には頻繁に見られる現象だが、求められる企業文化が両者で異なるという問題がある。コンシューマーはマスを対象としていくビジネス。一方、法人向けビジネスはハイタッチビジネス。マイクロソフトはボリュームビジネスから発展してきた会社なので、過去の成功体験に引きずられないよう注意しながら、法人向けビジネスを行なっていく必要がある。また、ハイタッチのセールスの中で我々の商品の良さをきちんと訴求し、外のパートナーシップ企業とのコラボレーションをこれまで以上に重視する企業体質に変えていきたい」と述べた。

 なお、ヒューストン社長は「樋口がCEOになる時期は、現時点では未定。私自身は最低でも半年から1年は樋口COOと二人三脚でやっていきたいと考えている」との見解を示している。  中長期的には樋口氏はCEOとして、マイクロソフトを牽引する役割を担うことになる。

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