Toast 8は先に紹介したBD対応など、さまざまな新機能が追加されている。その中より厳選して、機能の詳細と使いこなしを紹介していこう。
焼いたディスクをMacで一括管理!!
ディスク作成を行なうと、そのカタログ情報が付属のディスクカタログソフト『DiscCatalogMaker RE』に自動で登録され、ディスクをドライブに入れていない状態でもファイル検索できるようになった。
過去に作成したディスクも“スキャン”機能でカタログに追加可能だ。有効に使えば、普段あまり利用しないファイルはCD/DVDに保存しておいて、必要なときにサッと探して取り出すというワークフローが実現できる。
単に焼いて保存しておくだけだと検索性の低下が気になるが、カタログ機能があればより積極的にCD/DVDを活用できるだろう(もちろん、メディアの経年劣化などには注意が必要だが)。
大容量フォルダーを複数枚に自動分割!
ディスク容量を超えるファイルを複数枚のディスクに分割して書き込む“ディスクスパン”機能にも注目すべきアップデートがある。
従来はMacフォーマットでしか利用できなかったこのディスクスパン機能が、Toast 8ではMac/Win互換フォーマットでも利用可能となったのだ。Windowsユーザーとの大容量ファイルの受け渡しにも活躍してくれそうである。
ディスクスパンは、BDでの大容量化とは違って既存のドライブと安価なメディアを利用できるのがポイント。現時点ではBDより現実的な選択肢かもしれない。
レコードなどの“アナデジ”作業をより分かりやすく
オーディオ関連機能も充実した。付属ソフト『CD Spin Doctor』にステップバイステップの録音アシスタント機能が用意され、テープやレコードのデジタル化を今まで以上に簡単に作業できる。
録音ファイルのディスク化に関しても万全。非圧縮のリニアPCMで24bit/96kHzというミュージックDVD作成機能はToast 7から引き継がれている。
さらに従来は単体ソフト“Jam”として提供されていた高品質の音楽CD作成機能も新たに組み込まれた。イコライジングやゲイン調整から空間エフェクトまで、プロ品質の音質調整を経て、音楽をCD化することも可能だ。
アナログ音源を可能な限り音質ロスなくデジタル移行させたいという人にはうれしいところだろう。
H.264/640×480ドットのiPod用ムービーを作成
ToastのDVD作成機能には、登録したビデオファイルを他の形式に変換する機能も用意されている。最も身近なのはiPod用のH.264/MPEG-4ファイルへの変換だろう。Toast 8での改良点は、H.264を選んだ際、640×480ドットの解像度で書き出せるようになったこと。
実際試してみると、意外なことに同解像度のMPEG-4との圧縮所要時間の差は少ない。それでいてファイル容量はMPEG-4の場合の3分の2程度。Toast 8で640×480に変換する場合はH.264が全面的に優位だ。
設定名 | コーデック | 解像度 | 実測ビットレート | 実測ファイル容量 | 変換所要時間 |
---|---|---|---|---|---|
最高 | H.264 | 640×480ドット | 1442kbps | 53.0MB | 12分05秒 |
最小 | 320×240ドット | 835kbps | 30.8MB | 5分 | |
速い | MPEG-4 | 640×480ドット | 2110kbps | 77.4MB | 10分50秒 |
最速 | 320×240ドット | 1415kbps | 52.1MB | 2分55秒 |
約5分のMPEG-2ファイルを素材として用意し、MacBook-2GHzを使って4つのプリセット設定で変換した。画質に関してはMPEG-4がより高ビットレートのため、H.264との差はほとんど感じられなかった。
MPEG-2対応ビデオプレーヤーもついたが……
そのほか、付属ソフトには『Toast Video Player』というビデオ再生ソフトが新たに加わった。ウリの一つは、『QuickTime Player』でコンポーネントを別途買わないと開けないMPEG-2ファイルに対応していること。
ただし、いくつかフォーマットが異なるMPEG-2ムービーを試したところ、映像あるいは音声の片方しか正常には再生できないファイルも散見されたた。どちらかと言えば、おまけ程度に考えたほうがよさそうだ。
BDや分割書き込みへの対応など基本機能を向上させつつ、従来から豊富だった付加的な機能もブラッシュアップ。さらに新インターフェースをまとい、メジャーアップデートにふさわしい内容だ。
既存ユーザーは強化された点を検討して自分にとっての必要性を判断して、アップデートするか決めればよい。CD/DVDライティングソフトを探している新規ユーザーにとっては、間違いなくお買い得だろう。
