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Blu-ray作成もOK! 定番CD/DVDライティングソフトの最新版

Toast 8 Titanium

2007年02月09日 18時54分更新

文● 高橋敦

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Toast 8は先に紹介したBD対応など、さまざまな新機能が追加されている。その中より厳選して、機能の詳細と使いこなしを紹介していこう。


焼いたディスクをMacで一括管理!!

ディスク完了時の指示

ディスク完了時、ディスクのラベル面に名前を記入するように指示される。これを忘れると元も子もないので要注意!

ディスク作成を行なうと、そのカタログ情報が付属のディスクカタログソフト『DiscCatalogMaker RE』に自動で登録され、ディスクをドライブに入れていない状態でもファイル検索できるようになった。

過去に作成したディスクも“スキャン”機能でカタログに追加可能だ。有効に使えば、普段あまり利用しないファイルはCD/DVDに保存しておいて、必要なときにサッと探して取り出すというワークフローが実現できる。

単に焼いて保存しておくだけだと検索性の低下が気になるが、カタログ機能があればより積極的にCD/DVDを活用できるだろう(もちろん、メディアの経年劣化などには注意が必要だが)。

カタログ検索にヒットしたファイルをダブルクリックすると(左図)、そのファイルを含むディスクを入れるよう指示される(右図)


大容量フォルダーを複数枚に自動分割!

ディスクスパン

選択してあるメディアの容量を超えるファイルを書き込もうとすると自動的にディスクスパンでの書き込みになる

ディスク容量を超えるファイルを複数枚のディスクに分割して書き込む“ディスクスパン”機能にも注目すべきアップデートがある。

従来はMacフォーマットでしか利用できなかったこのディスクスパン機能が、Toast 8ではMac/Win互換フォーマットでも利用可能となったのだ。Windowsユーザーとの大容量ファイルの受け渡しにも活躍してくれそうである。

ディスクスパンは、BDでの大容量化とは違って既存のドライブと安価なメディアを利用できるのがポイント。現時点ではBDより現実的な選択肢かもしれない。

スパンされたディスクには、Mac用(左図)/Win用(右図)の復元ソフトが書き込まれており、これを使ってファイルを復元して読み出せる


レコードなどの“アナデジ”作業をより分かりやすく

アシスタント

アシスタントが機器接続から音質設定までガイドしてくれる。最高音質は“DVD高品質”だ

オーディオ関連機能も充実した。付属ソフト『CD Spin Doctor』にステップバイステップの録音アシスタント機能が用意され、テープやレコードのデジタル化を今まで以上に簡単に作業できる。

録音ファイルのディスク化に関しても万全。非圧縮のリニアPCMで24bit/96kHzというミュージックDVD作成機能はToast 7から引き継がれている。

さらに従来は単体ソフト“Jam”として提供されていた高品質の音楽CD作成機能も新たに組み込まれた。イコライジングやゲイン調整から空間エフェクトまで、プロ品質の音質調整を経て、音楽をCD化することも可能だ。

アナログ音源を可能な限り音質ロスなくデジタル移行させたいという人にはうれしいところだろう。

高音質でディスク化

最高音質で録音して、ミュージックDVD作成の“詳細”設定でPCM/96Khz/24bitを選択すれば、CDを超える音質でディスク化できる


H.264/640×480ドットのiPod用ムービーを作成

ToastのDVD作成機能には、登録したビデオファイルを他の形式に変換する機能も用意されている。最も身近なのはiPod用のH.264/MPEG-4ファイルへの変換だろう。Toast 8での改良点は、H.264を選んだ際、640×480ドットの解像度で書き出せるようになったこと。

実際試してみると、意外なことに同解像度のMPEG-4との圧縮所要時間の差は少ない。それでいてファイル容量はMPEG-4の場合の3分の2程度。Toast 8で640×480に変換する場合はH.264が全面的に優位だ。

設定名 コーデック 解像度 実測ビットレート 実測ファイル容量 変換所要時間
最高 H.264 640×480ドット 1442kbps 53.0MB 12分05秒
最小 320×240ドット 835kbps 30.8MB 5分
速い MPEG-4 640×480ドット 2110kbps 77.4MB 10分50秒
最速 320×240ドット 1415kbps 52.1MB 2分55秒

約5分のMPEG-2ファイルを素材として用意し、MacBook-2GHzを使って4つのプリセット設定で変換した。画質に関してはMPEG-4がより高ビットレートのため、H.264との差はほとんど感じられなかった。


MPEG-2対応ビデオプレーヤーもついたが……

そのほか、付属ソフトには『Toast Video Player』というビデオ再生ソフトが新たに加わった。ウリの一つは、『QuickTime Player』でコンポーネントを別途買わないと開けないMPEG-2ファイルに対応していること。

ただし、いくつかフォーマットが異なるMPEG-2ムービーを試したところ、映像あるいは音声の片方しか正常には再生できないファイルも散見されたた。どちらかと言えば、おまけ程度に考えたほうがよさそうだ。

Toast Video Player

『Toast Video Player』でMPEG-2ムービーを開いたところ。ファイルによっては映像が動かない、音声が再生されないというものもある



BDや分割書き込みへの対応など基本機能を向上させつつ、従来から豊富だった付加的な機能もブラッシュアップ。さらに新インターフェースをまとい、メジャーアップデートにふさわしい内容だ。

既存ユーザーは強化された点を検討して自分にとっての必要性を判断して、アップデートするか決めればよい。CD/DVDライティングソフトを探している新規ユーザーにとっては、間違いなくお買い得だろう。



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