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MCコジマのカルチャー編集後記 第304回

「iPhone Xは操作が複雑すぎてダメ」の違和感

2017年11月10日 08時00分更新

文● モーダル小嶋/ASCII

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 auでiPhone Xに機種変更すると、契約の書類とともに、主な操作方法を説明する紙がもらえるそうです(関連記事)。

 興味深いことに、このような取り組みは、ドコモもソフトバンクもやっていないらしい。つまり、auが独自に作っているわけですね。ホームボタンがなく、基本的な操作がそれまでのiPhoneとは異なるiPhone Xですから、サポートに「どう使えばいいんだ」と多数の連絡が来るかもしれない。そのような事態を見越して、あらかじめ操作をまとめた紙を配布するのは不思議ではありません。

 ただ、ネットなどでちらほら見かけるのですが……これにかこつけて、「iPhone Xにホームボタンがない」ことを、とかく揶揄したり嘲笑したりする人がいるようです。「操作を説明する紙を配るようなスマートフォンはダメだ」と。

 もちろんネタで言っている部分もあるでしょうが、ちょっと行き過ぎではないかと思わなくもありません。iPhone Xにかぎらず、スマホでは「教えてもらわないとわからないよ」と言いたくなるような機能があったりするものです。

 確かに、iPhoneをこれまで使っていた人にとってすら、iPhone Xの操作はとっつきにくいところがある。筆者としても、サイドボタンの押す頻度が増えたことに関しては、サイドボタンがホームボタンの代わりになったような印象を受けましたし、強制再起動の「ボリュームキーの上を1回、下を1回押して、サイドボタンを押しっぱなし」は隠しコマンドかよとツッコみたくなります。

 ホームボタンをなくした結果として「Face ID」を搭載できたというメリットもある。もちろん以前からあったものがないわけで、それに伴う操作感の違いは必ず出てくるもの。ただ、良い面も悪い面もあるもので、悪い(と思える)面だけをクローズアップしているとしたら、ちょっと待ってほしい、と言いたい。

 たとえば「iPhoneは説明書などを読まなくてもなんとなく操作がわかる点がよかったのに、iPhone Xはそれを捨てた(から、愚かである)」的な意見が、もし本気で唱えられているとするならば、少しばかり言い過ぎではないでしょうか。iPhoneに初めて触れたときに、なんとなくで操作がわかったというのであれば、その人はかなりデジタルガジェットに対するリテラシーが高いのではないかと思えるのです。

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