「新製品」
新しく発売される製品であることはもちろん、これから始まる発売までの慌ただしい日常と共に、パソコンの性能アップや、売上の向上に対する期待を意味する言葉です。
そして、その中でもなにより楽しいのが「性能の検証」です。
この検証、製品を試すことはもちろんですが、営業トークのネタや販促アイテム(POPとか)を作るのにも欠かせないんです。
が、この検証作業、業界では「人柱」って言われているのをご存知でしょうか? あんまり気持ちのよろしくない単語だけど、まさに検証は時として「人柱」になるのです。
なぜかというと、
動かねぇ
時間だけが過ぎる
ハマってしまい自腹を切る
そんな犠牲臭プンプンの検証作業ですが、実はその先に『光』が待っていたりするのです。
…‥金と時間と労力がそのまま戻ってくるわけじゃねーけどな?
それは数年前、CPUの時代が「シングルコア」から「デュアルコア」に移っていこうとしているときでした。
「NorthwoodのPentium 4が欲しい」と販売店の皆様から延々と言われる中、IntelのデスクトップCPU初のデュアルコア製品、「Pentium D」が登場しました。
新製品。しかもはじめてのデュアルコア。
こっ...これは試さんと...!! パーツ女子(※当時)の名がすたる...!!
と、いうことで、『流行りの洋服<<<<<新しいCPU』 という(普通の娘には)ありえない不等式が脳内で成り立った結果、さっそくPentium Dをゲットしたのです。あ、もちろんマザボもね。
これで金は使いました。次は時間と労力を使う番です。
就業後、おもむろに自分のデスクにパーツ一式を広げます。
「パソコン作るより家帰ってメシ作れよお前……」という声を男性社員からいただきましたが……
うっさい! メシは作って食ったら終わりだろ?パソコンは作って起動しても終わりではないんだよ!
パーツからパソコンを組み上げて、従来のCPU達でベンチマークとって……いろいろしていると夜もふけてきます。すると、徐々にテンションが高くなり、パチンと変なスイッチが入ります。「夜のテンションスイッチ」です。
……Pentium DのSpeed Step切ったらどーなるやろ……
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