連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第253回
市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 10月3日~10月9日
AI利用が多い技術者ほど「自分でコードを書ける能力」も重視/世界の6割近くが「技術進歩が生活を破壊」と回答、ほか
2026年10月13日 08時00分更新
本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。
今回(2026年10月3日~10月9日)は、AI時代特有のサイバーセキュリティトレンドを示すハイプ・サイクル、エンジニアのAI利用頻度で大きく異なる「コードを書く能力」への評価、世界の6割が「技術進歩が生活を壊している」と不安視、通勤時間の理想/現実と満足度の調査、国内コラボレーションスイート市場の動向についてのデータを紹介します。
[AI][セキュリティ] “AI時代のサイバーセキュリティ”ハイプ・サイクル、すでに「過度な期待のピーク期」に入った項目も(ガートナージャパン、10月7日)
・AI時代特有のセキュリティ技術の大半はまだ「黎明期」、ただしそれを脱して成熟に向かうものも
・AIのためのセキュリティ:インジェクション・ポイズニングなどAI固有の攻撃への対応が急務
・セキュリティのためのAI:フロンティアAIがもたらす新たな攻撃に、既存のルールベース異常検知が機能しない可能性あり
ガートナーが発表した「日本におけるセキュリティのハイプ・サイクル 2026(AI時代のサイバーセキュリティ)」より。AI時代特有のセキュリティ技術は、まだほとんどが「黎明期」だが、中には「AI TRiSM(AIの信頼/リスク/セキュリティ管理)」「AIガバナンス」など、黎明期を脱して「過度な期待のピーク期」に入ったものもある。ガートナーでは「AIのためのセキュリティ(Security for AI)」と「セキュリティのためのAI(AI for Security)」の両面から、AI時代のサイバーセキュリティを議論する必要があると提言している。
⇒ AI向けのサイバーセキュリティ技術は、まだ「黎明期」のものが多い一方で、すでにAIエージェントの普及は始まっており、攻撃者側もAIを悪用しています。ガートナーでは、セキュリティ技術が成熟するのを待つのではなく、試験的な利用を開始することで「AI活用とセキュリティ対策を同時に進める試行錯誤のアプローチ」をとることが重要だとアドバイスしています。
[開発][AI] 毎日AIを使うエンジニアの8割超が「コーディング以外の能力もないとキャリアが不安」(スーパーソフトウエア、10月8日)
・毎日AIを利用する技術者の8割超が「コード以外の能力もないとキャリアが不安」
・重要性が高まる能力は「AIへの適切な指示」「AI出力の正解を見極める」が上位
・毎日AIを利用する技術者の4人に1人が「コードを書く力も重要な能力」と回答
ITエンジニア1265名を対象に実施した「生成AIの普及を踏まえたキャリア不安」調査では、「AI利用頻度」と「キャリア不安」に明確な相関関係があることが分かった。たとえば、「コードを書く力以外の能力を身につけなければキャリアが不安」としたAi利用者は、未利用者よりも70.7%も多い。また「コードを書く力」についても、AI利用者の24.3%が「重要能力」とした一方、未利用者はわずか9.1%。使い込むほど変化への危機感が高まる傾向が見られた。なお、AIを毎日利用するエンジニアは、「AIへの指示を出す力」(40.6%)や「最新技術を学ぶ力」(32.5%)を重視する割合が他よりも高く、「コードを捨ててAIに移行する」のではなく「技術理解を土台に能力を広げる」という意識が強いと分析している。
⇒ AIを利用するエンジニアほど「コードを書く能力」を重視している、という結果は意外にも思えますが、「AIを適切に使いこなすための能力」のひとつと捉えられているということでしょうか。興味深い調査結果です。
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