「直流800V給電」「液冷技術」導入から「資産価値の維持」まで、ライフサイクル伴走型で進化を支援
AIデータセンターの「電力・冷却課題」打破へ シュナイダーが営業・設計・現場を直結する新組織立ち上げ
2026年09月24日 07時30分更新
長期運用に伴う「データセンターの価値低下」も防ぐ取り組みも
同社 サービス事業部 バイスプレジデントの中村氏は、AIデータセンターのライフサイクル全体を支えるサービス事業部の役割について、「構築・立ち上げ」「運用サポート・監視支援」「継続改善・拡張・診断・評価」という3つのステップに分けて紹介した。
まず「構築・立ち上げ」の段階では、従来データセンターの数倍に及ぶ構築作業を、同じ工期内で実現することが求められる。工期短縮のニーズに対し、シュナイダーではコンテナ型・スキッド型と呼ばれる工場組み上げ済み(プリファブ)ソリューションを展開している。ただし、この方式では現場設置後のコミッショニング(稼働確認)が大きな課題になるという。
そこでサービス事業部では、設計や工場での生産・検査の段階からエンジニアを派遣し、システムの内容を理解するとともに、現場でのコミッショニング手順を確認する作業体制をとっているという。
続く「運用サポート・監視支援」段階では、これまでUPS(無停電電源装置)や空調機を対象に全国で実現してきた「4時間での駆けつけサポート」を、液冷設備や受配電設備、ソフトウェア製品などにも拡大していく方針を示した。中村氏は、サポート業務を委託する全国のパートナー企業を拡充するとともに、自社の拠点やエンジニアの増強も行うことで「従来の1.5倍の受け入れキャパシティを持つ体制を目指す」と述べた。なお今年3月には、西日本のデータセンター向けのサービス拠点を大阪に開設している。
最後の「継続改善・拡張・診断・評価」段階は、長期的な運用の中でのサポートである。単に運用を安定的に維持するだけでなく、運用しながら最新設備への更新を可能にすることで、AIデータセンターとしての価値低下を防ぐことができると説明した。
「あるデータセンター事業者のお客さまが『データセンターは金融資産だ』とおっしゃっていた。賃貸不動産と同じように、データセンターも老朽化が進んで最新設備から後れを取るようになると、賃料が下がったり入居者(テナント)が減ったりしてしまう」(中村氏)
シュナイダーでは、デジタルツイン構築のソフトウェア「etap」を提供している。中村氏は、これを使ってデータセンターのデジタルツインを用意し、設備更新作業や新たな設備導入後のシミュレーション行えるようにすることで、安全な設備の最適化や拡張が実現できると説明した。
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こうしたAIデータセンター市場に対するエンドトゥエンドのソリューション提供を行うことで、シュナイダー日本法人では2030年まで年平均成長率30%以上を維持し、2030年には現在のおよそ2倍となる規模への成長を目指すという。液体冷却ソリューション、高圧配電機器の売上が牽引するかたちで「2026年の目標達成はすでに見えている」と青柳氏は説明した。
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