24回のダメ出しで体育館が激変 GPT-6 Astraは指示するほど化ける
だんだんわかってきたのは、GPT-6 Astraは一度の指示で最良の結果を出すタイプではなく、一度出したものにさまざまな視点からフィードバックを与えるほど、その品質が上がっていくということです。筆者の推測ですが、一度に読み込めるコンテキスト量には自ずと限界があるため、GPT-6 Astraが持つ知識に一度にいきなりアクセスすることができないと思われます。適切なフィードバックを与えて特定の領域に焦点を合わせることで、関連する深い知識にアクセスできるようになり、返答がより適切なものになると考えられます。
次に、3Dツール「Blender」を操作するMCPを試してみることにしました。AIが外部ツールを操作するための共通規格のことです。以前、GPT-5.5を使って作成したときには、まだまだシンプルな形状しか扱えなかったのですが、GPT-6 Astraではレベルが劇的に向上しています(参考:AIがBlenderを勝手に操作 3D制作のハードルが一気に下がった)。
筆者は、10年あまり前に、VRゲームを開発した際、Unreal Engine上で日本の学校などのアセットを表示するテストをしたことがあります。しかし、当時、アセットストアなどで販売されている日本の風景のアセットは選択肢がなく、思うような画面を作れなかった経験があります。
そこで学校をテーマにしたアセットを作ってみることにしました。Blenderで作成し、最終的にはUE5.8でリアルタイム動作させ、ゲームに応用できるアセットとして作り上げることを目標としました。
最初に取り組んだのは体育館で、以前にGPT-Image 2のテストのために作った架空のゲームのボス戦のイメージをもとにしました。作成したシーンは、UE5.8上でリアルタイムにキャラクターを操作することもでき、朝・昼・夕方・夜と時間帯を自由に変えたり、カメラも自由に変更できるようにしました。作成したボスの仮モデルも表示可能です。
△体育館シーンを紹介する動画
体育館シーンへの指示出しは、実際には24回程度行っています。1回目の出力は、日本の学校の体育館には見えませんでした。そのため、ネット上を検索し、参考画像を探して、より正確に日本の体育館らしさを追求させました。指示するだけで、GPT-6 Astraは、ネット上から情報を集め、バスケットボールや扉などを整えてパーツの精度を引き上げ、どこにでもある日本の体育館らしさが一気に出てきます。
そして、インポートしやすいようにそれぞれのオブジェクトを結合して整理した後、UE5.8にデータを取り込みました。さらに、キャラクターには、3Dモデルサービス「Hi3D」のAIモデルを取り込み、UE5.8用の基本ボーンに合わせ、ゲーム内で操作可能にしました。さらに、時間帯別のライトをインタラクティブに切り替えることができる機能を追加して仕上げました。 ここまで到達するのにかかった時間は、約164分(約2時間44分)でした。
筆者としては、3Dゲームのアセットとして使える程度のモデリングをこの短時間で完成させたことには驚くしかありませんでした。
ほかのシーンも作れるのか試すため、教室・廊下・階段と室内プールを作ってみました。 同じようにUE5.8に持っていく前提で、Blenderで作らせたものです。参考資料も最初からネット上で収集し、資料をもとに一般的な日本の学校の雰囲気を検討して作成するように指示しました。
△学校の各シーンを動画にまとめたもの。このキャラクターの撮影用の動作もAIが操っている
△室内プールで、実際にキャラクターを操作しているところ
教室・廊下・階段は指示11回で約168分、室内プールは指示11回で約188分かかりました。それでも、合計8時間40分の作業をしただけで、実際に動作する学校の3つのシーンを作成することができたのです。もちろん、精密さの面では、まだ完全とは言えませんが、使い方によっては、すでにゲームに応用できる水準に達していると筆者は判断しています。
そして、これらを作成する際、筆者はBlenderもUE5.8も直接操作していません。特にBlenderはバックグラウンドで操作しているため、UIを見ていません。作業のほぼすべてを、GPT-6 AstraがMCPを通じて、提示するスクリーンショットや動画で確認する形で進めました。
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