このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 5 次へ

「フィジカルAI開発支援プログラム」成果発表会を全社レポート

物流、病院、家事まで変える“フィジカルAI”最前線 AWSが支援する日本企業14社の挑戦

2026年09月04日 08時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 フィジカルAIの開発では、高速な検証サイクルや実装までのスピード感が求められる。アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)では、開発をそのように加速する上での技術面・コスト面の課題を解消する「フィジカルAI開発支援プログラム」を展開している。

 2026年8月31日にAWSジャパンオフィスで開催された成果発表会では、同プログラムに採択された51社の内14社が登壇。幅広い領域でのプロジェクトの進捗が披露された。

 中でも目を引いたのは、採択企業の約半数を占めたスタートアップ企業の成果だ。当日はHighlandersのヒューマノイド「N」と四足型ロボット「HLQ PRO」、ZEALSのコンパクトヒューマノイド「D1」の実機も展示された。本記事では、14社の取り組みと成果をレポートする。

Highlandersのヒューマノイドロボット「N」&四足型ロボット「HLQ PRO」と、ZEALSのコンパクトヒューマノイド「D1」

フィジカルAI実装の鍵を握る“スタートアップ”と“現場力”

 AWSジャパンが展開する日本市場への投資において、技術領域の中核をなすのが「生成AIの開発支援」だ。

 同社は2023年より「LLM開発支援プログラム」や「生成AI実用化推進プログラム」といった独自プログラムを提供し、これまでに350を超える企業・団体を支援してきた。そして2026年1月にスタートしたのが、「フィジカルAI開発支援プログラム」である。

生成AI開発支援の歩み

 同プログラムは、日本政府も重要領域に掲げるフィジカルAIの実用化推進を目的とする。スペシャリストによる技術支援にはじまり、総額600万ドル規模のAWSクレジット、コミュニティ形成や製造業とのマッチングまで、手厚いサポートが受けられるのが特徴だ。

 AWSジャパンの代表執行役員社長である白幡晶彦氏は、「日本には、ハードウェアの設計や精密制御、製造技術といった長年世界をリードしてきたロボティクス領域での圧倒的な強みがある。ここに生成AIを掛け合わせたフィジカルAIは、日本にとって最大の機会であり、世界に対する最大の競争力になると確信している」と語った。

アマゾン ウェブ サービス ジャパン 代表執行役員社長 白幡晶彦氏

 同プログラムでは51社を採択し、約半年にわたる支援が展開された。白幡氏は、このプログラムを通じ、フィジカルAIによる日本の社会課題解決に欠かせない「3つの要素」を実感したという。

フィジカルAI開発支援プログラムの採択企業・組織の一部

 1つ目は「スピード感」だ。急速な進化を続ける同領域では、完璧な計画を立てるよりも、仮説・試行・学び・改善のサイクルを高速に回すことが求められる。実際に、採択企業の半数はスタートアップ企業であり、「彼らこそがフィジカルAIの社会実装を推し進める最大のエンジン」と白幡氏は評する。

 2つ目は「現場の力」だ。テクノロジーと現場のオペレーションが融合して初めて、実用的なユースケースが生まれる。今回のプログラムでも、長年現場でデータや知見を蓄積してきたダイフクや竹中工務店が参加している。

 そして最後が「クラウド」だ。フィジカルAIの開発には、基盤モデル学習・データ処理・並列シミュレーションが欠かせず、オンプレミスだけでこれらの処理をまかなうのは、コスト的にも時間的にも現実的ではない。白幡氏は「クラウドは、フィジカルAI開発において“選択肢”ではなく“不可欠な存在”」だと強調した。

前へ 1 2 3 4 5 次へ

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

アクセスランキング

  1. 1位

    ITトピック

    IT技術者の4割が「5年後のスキル陳腐化」に危機感/働くシニアは多いが「長く働きやすい」環境ではない日本/トークンコストの成果証明は難しい、ほか

  2. 2位

    デジタル

    Zscaler Internet AccessのIKEv2接続例 ヤマハRTX1300でZIA経由の冗長IPsec VPNを構築する方法

  3. 3位

    データセンター

    AIデータセンターの「電力・冷却課題」打破へ シュナイダーが営業・設計・現場を直結する新組織立ち上げ

  4. 4位

    sponsored

    先制的サイバーセキュリティのため、経営者が今こそ考えるべきこと

  5. 5位

    トピックス

    モンハン、FF、エスコン8……注目作だらけで整理券が消えた!? SIEブースの人気がすごい【TGS2026特集】

  6. 6位

    ビジネス・開発

    ラスボスCOBOLを倒すために、7チームはなにを選択し、なにを捨てたのか?

  7. 7位

    デジタル

    Cloudflare WANとの接続検証でRTX1300/RTX840が確認、IPsecや自動切替に対応

  8. 8位

    サーバー・ストレージ

    「身代金を払えば復元できる」は過去の幻想――約束を守らない攻撃者と変容するランサムエコシステム

  9. 9位

    ビジネス・開発

    AI駆動型開発で生産性倍増を狙うIBM セキュリティ、トークンコスト、品質の課題をどう解決する?

  10. 10位

    トピックス

    ガンコンが令和に復活!? 『タイムクライシス』を足踏みペダルで遊べてクッソ懐かしい【TGS2026特集】

集計期間:
2026年09月18日~2026年09月24日
  • 角川アスキー総合研究所