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DeepSeekショック再来か 中国「Kimi K3」、一部でClaude Fable超え

2026年07月17日 09時25分更新

文● G.Raymond 編集●ASCII

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 中国のMoonshot AIは7月16日、総パラメーター数2.8兆の新型AIモデル「Kimi K3」を発表した。画像を扱う機能と100万トークンの長文処理能力を備え、WebサービスやAPIを通じて提供を始めた。重みは7月27日までに公開予定。

 API料金は、100万トークン当たり、キャッシュ済み入力が0.30ドル、通常入力が3ドル、出力が15ドルだ。

 ソフトウェア開発や調査、複雑な推論などを長時間にわたって実行する用途を重視したAIモデル。Moonshot AIは、総パラメーター数が3兆に近いモデルとして世界初のオープンモデルだと説明している。

 896個の専門領域に分けたエキスパートのうち、入力に応じて16個を選択して動かすMoE方式を採用。必要な部分だけを使うことで、計算量を抑えながらモデルを大規模化した。

 基盤技術には、長い文章から必要な情報を効率よく扱う「Kimi Delta Attention」と、モデルの各層に蓄積された情報を選択的に取り出す「Attention Residuals」を採用した。Moonshot AIは、前世代のKimi K2と比べて、計算資源を性能へ変換する効率が約2.5倍になったとしている。

 機能面では、画像を直接理解する機能を備える。プログラムを作成した後、実際の画面を画像で確認して修正を繰り返すことができ、ウェブサイトのデザインやゲーム開発、CADなど、見た目の確認が必要な作業での活用を想定する。

 長時間の自律的なコーディングにも強みを持つ。同社によれば、GPU向けプログラムの高速化を15時間にわたって繰り返し、処理時間を283.6ミリ秒から114.4ミリ秒へ短縮したという。別の実験では、48時間の連続作業で小型AIモデル向けの半導体を設計し、シミュレーションによる検証まで進めたとしている。

 ベンチマークスコアでは、OpenAIやAnthropicのフロンティアモデルに迫る性能を見せた。なかでも長期間のソフトウェア開発能力を測る「SWE Marathon」では、Kimi K3が42.0を記録。GPT 5.6 Solの39.0、Claude Fable 5の35.0を上回り、比較対象の中で最高だった。

 さらに、ソフトウェア開発と端末操作を組み合わせた「Terminal Bench 2.1」は88.3となった。GPT 5.6 Solの88.8には届かなかったが、Claude Fable 5とClaude Opus 4.8の84.6、GPT 5.5の83.4は上回った。

 一方、実際のソフトウェア修正能力を測る「DeepSWE」では、Kimi K3は67.5だった。GPT 5.6 Solの73.0、Claude Fable 5の70.0を下回り、GPT 5.5の67.0とほぼ並んだ。

 その他のベンチマークスコアも総合して見ると、Kimi K3は既存のモデルに比べ、長時間のコーディング、ウェブ調査、文書解析などに強みを持つモデルだということが分かる。

 ただし、スコアはMoonshot AIが公表した数値であって、モデルごとに使用した実行環境やエージェント用ソフト、推論設定が異なる。Kimi K3はKimi Code、GPT系はCodex、Claude系はClaude Codeなどで測定された項目もあり、単純なモデル性能だけの比較とは言い切れない。

 公開直後のXでは、長時間のコーディングや画面デザインの生成能力を評価する声が相次ぐ一方、2.8兆パラメーターという規模から個人環境での運用は現実的ではないとの指摘も出ていた。今後、性能の検証と全重みの公開が進めば、かつての“DeepSeekショック”同様、フロンティアAI競争をオープンウェイト側から揺さぶる存在になる可能性がある。

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