日本マイクロソフトのハッカソン「GitHub Copilot Quest Lv3」をレポート
60年の時を超え「COBOL」がGitHub Copilotでよみがえる 勘定系アプリの“超難関”モダナイに7社が挑戦
2026年07月23日 09時00分更新
「レガシー言語」と言うことなかれ、世界で今なお2200億行のコードが動き、社会基盤の根幹を支えているのが「COBOL」だ。ベテラン技術者が次々と現役を退く中、この社会基盤を維持できるかどうかは、現役の技術者とコーディングエージェントの双肩に懸かっている。
日本マイクロソフトは、2026年6月30日、GitHub CopilotとAzureを活用したハッカソンイベント「GitHub Copilot Quest Lv3:Hack the Legacy」を開催した。3回目となる今回のテーマは、60年以上前に生まれたプログラミング言語COBOLによる基幹システムのモダナイゼーションである。
参加チームは、NECソリューションイノベータ、NTTデータグループ、日本アイ・ビー・エム システムズ・エンジニアリング、野村総合研究所、日立製作所、BIPROGY、富士通の7社。本記事では、各チームのプレゼンテーションを中心にレポートする。
お題は“銀行の勘定系バッチシステム”のモダナイゼーション
GitHub Copilot Quest(通称“コパクエ”)は、「GitHub Copilotはただのツールではなく“新しい開発スタイル”や“組織変革”のトリガーである!」をスローガンに掲げるハッカソンである。参加チームは、各回で設定される「クエスト」への挑戦を通じて、AI時代の開発ベストプラクティスを学ぶ。
第3回(Lv3)のクエストの課題は、「COBOLアプリケーション」のモダナイゼーションだ。対象となるのは、「Linux+GnuCOBOL」で構築された「銀行の勘定系バッチシステム」。5つのレイヤー、22個のサブシステムで構成された、このハッカソンのために用意されたとは思えないほど本気のシステムである。
過去最難関といえるこのお題に対して、各チームに与えられた時間は昼休憩も含めてわずか7時間。設計書や仕様書もない中、ゴールはGitHub Copilotと二人三脚でモダナイゼーションを行い、Azure上にデプロイして動作させることだ。
ここからは、多種多様なアプローチで挑んだ7チームの奮闘ぶりをお届けする。
NECソリューションイノベータ:若手中心チームで挑んだ「Issue駆動開発」による自動化
トップバッターを務めたのは、半数以上が2年目の若手メンバーで構成されたNECソリューションイノベータだ。COBOLやAzureの経験が限られているのを補うべく、「Issue駆動開発」による進捗管理や実装の自動化に挑戦している。
具体的には、バックエンド分析とアーキテクチャ設計の後に、タスクを優先度付きのIssueに分割。それぞれをGitHub Copilotにアサインさせ、人はレビュー・確認検証をするというスタイルで進めた。その際、カスタムインストラクション・SKILLsなどを利用して実装やレビューのルールを制定し、人の関与を最小限に抑えた。
アーキテクチャとしては、COBOLから「.NET」へ移行。一部機能はAzure Durable Functionsで自動化し、Azure Container AppsやAzure Database for PostgreSQL Flexible Serverなどを採用して、保守性や拡張性を高めている。検証においては、「Shadow Mode」の手法を用いて現新システムに同じトラフィックを流し、整合性を担保している点もポイントだ。
最終的に、タスクをIssueベースで約75個にまで分割して並行して捌き、GitHub CopilotにIssue作成から実装までを委ねて、デプロイまでを完了させた。NECソリューションイノベータの城前氏は、Issue駆動開発での効率的な開発を実感しつつも、「進捗や実装範囲が曖昧になることがあるため、AIを活用する上でも“仕様の理解”が何より重要」だと振り返った。
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