ディズニー映画の制作を支えるネットワーク事例も、HPE Discover 2026基調講演レポート
“Juniper・MistとArubaの融合”でCiscoに対抗 HPE Networkingが語る「AI時代のあるべき姿」
2026年07月02日 12時45分更新
ウォルト・ディズニー事例:200作品以上の同時制作を支えるネットワーク
基調講演では、多数のHPE Networking導入事例が紹介されたが、その1社がWalt Disney Companyだ。同社でグローバルネットワーキングを統括するベン・クロイ氏が登壇し、映像制作を支えるネットワークインフラの実態を語った。
クロイ氏のチームでは、Marvel、Pixar、Lucasfilmを含む映像スタジオの制作インフラ全般を担っており、世界中で常時200以上のプロダクションが同時進行しているという。大型作品では“ペタバイト級”に及ぶデジタルコンテンツを、パートナー、クリエイティブ部門、その他の関連部署の間で迅速かつ安全に移動しなければならない。そのため、ネットワークは非常に重要なインフラである。
クロイ氏が取り上げたのが、最新のアニメーション映画「ズートピア2」だ。同作品は米国カリフォルニア州にある1つの拠点でコンテンツを制作し、世界中で同日公開するために、35言語以上にローカライズする必要があったという。「コンテンツのスケール拡大とグローバルな移動は常に発生している。それを支えるのが、われわれのネットワークだ」(クロイ氏)。
映像制作の技術が進化するにつれて、ネットワークに対する要求も大きく変化しているという。制作工程で物理メディアが存在しなくなり、扱うデータ量はテラバイト級からペタバイト級へと桁違いに増大した。また、現在では80%以上の映画が何らかのVFX(視覚効果技術)に依存している。たとえばSF映画「スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー」では、背景のブルーバック合成ではなく、高度なバーチャルプロダクション技術が用いられた。
「制作工程が完全にデジタル化したことで、ネットワーク障害はすぐに制作の中断につながってしまう。代替手段がないので、ネットワークの信頼性はかつてないほど重要になっている」(クロイ氏)
こうした環境でネットワークに求めるものは「分散と予測可能性」だとクロイ氏は断言する。世界中で同時公開されるような大作映画は、公開時期を逃せばダイレクトに財務的損失につながる。「信頼性が高く、スケーラブルで、大規模データの移動でもボトルネックが発生しないネットワークが必要だ」と述べ、こうした要件に応えるべく、キャンパスネットワークにはHPE Mist、データセンターファブリックにはHPE Arubaなど、HPE Networkingの技術を採用していることを明かした。
「ネットワークは重要な制作インフラだが、理想的には“見えない存在”であるべきだ。映画の制作者たちがネットワークを意識することなくストーリー、キャラクター、ビジュアル、サウンドに集中できるような世界が理想だ」(クロイ氏)。今後も、スピードとシンプルさの2つを重視しながら、Disneyのネットワーク環境を強化していきたいと語った。
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