業務を変えるkintoneユーザー事例 第315回
「銭形さんってなんの会社?」
kintoneイベントで総務部長が覚醒! 京都の銭形は業務時間の削減だけじゃなく、売上も笑顔もUPした
2026年06月30日 09時00分更新
kintoneイベントで総務部長が覚醒 もうあの頃の私じゃない
着実にkintone利用を加速させてきた上野さんは、kintone hive 2024 名古屋に参加。「現場への浸透方法やプラグインの種類の豊富さ。kintoneって、こんな使い方できるの!」と衝撃を受ける。そこで翌年は総務部総出でkintone hive 名古屋・大阪、Cybozu Daysにまで参加することにし、kintoneへの知識は一気にレベルアップした。
プラグインの使い方を知った総務部は、いよいよ3つ目の課題である申請業務のシステム化に乗り出す。まず手を付けたのは、80名以上のヘルパーから送られてくる休暇申請。今までは紙の休暇届とLINE WORKSの二重運用だった。
今までは社長からアイデアをもらって、アプリ作成を丸投げされていた佐々木さんだが、もはや昔の佐々木さんとは違う。「もうアプリのアイデアは頭の中にあります。任せてください!」とのことで、FormBridgeを使った休暇申請アプリを自ら作成した。
こだわったのは極力シンプルな登録だ。自分の名前をルックアップし、休暇の種別を選択し、あとは取得日を選択するだけ。絞り込みや並べ替えも一瞬で、カレンダー表示でわかりやすくなった。
休暇申請アプリの登場で、今まで20時間かかっていた管理業務はなんと0になった。また、これをきっかけに社内全体に利用が拡大。「高度なシステムではなく、現場の当たり前のことが、社内に拡がる最大のきっかけでした」と佐々木さんは指摘する。
ここでの成功を受けて、佐々木さんはヒヤリハットアプリや証明書申請アプリなどを次々作った。ただフォームが増えすぎてしまったため、kviewerを用いて申請フォームの入り口を1つに集約したポータルも作成。スマホのホーム画面に登録することで、アプリ感覚ですべての申請を確認できるようになった。「佐々木部長の覚醒で、私と佐々木部長のアプリスキルは大逆転(笑)」と語る上野さんだが、ちょっとうれしそうだ。
「銭形さんってなんの会社?」(再掲)
こうして銭形グループでは、今までバラバラだった社内の情報がkintoneをハブとしてつながるようになった。その現場浸透の3つのポイントは、「『スモールスタート』と『極力シンプル』で成功体験を積み重ねること」「現場と連携して便利さを実感してもらい、キーパーソンを育てること」そして「伴走支援で最後まで一緒に作りあげる」の3つだ。
kintoneの導入効果は業務にかかる時間の削減だけではなく、売上の拡大にもつながった。従業員も91名から150名に拡大し、削減した分の年間2100時間を獲得できた。時間削減ではなく、獲得という言い方が本質だ。なにより現場のみんなの笑顔が増えたことが銭形にとって大きかった。
獲得した時間と利益は社員のために再投資した。琵琶湖湖畔に保養所を作り、ヨギボー休憩室を作り、オフィスグリーンや新ユニフォームにも充てられた。保養所や休憩室の予約はもちろんkintoneだ。獲得した時間は毎年開催している「銭形フェスティバル」にも充てられ、模擬店や職員余興の準備、豪華景品などにつながっているという。
「業務効率化の先にあるのはみんなの笑顔。kintoneは地域との絆を強めてくれる最高の相棒です」と上野さんはアピール。今後はkintoneでのAI活用をにらんだデータの蓄積、200名体制に向けたパーソナルマイページの構築などを計画している。そして、京都の介護業界で効率化No.1を目指し、質の高いケアと笑顔あふれる現場を構築していくという。
「私たちのようなIT知識ゼロの中小零細企業でもkintoneという『最高の相棒』がいれば、会社をよくすることができます!」と上野さん。「銭形さんってなんの会社?」という佐々木さんの質問に、上野さんは「kintoneで社員みんなを笑顔にした会社!」と答えて、登壇を終えた。
そして、kintone hive 2025 osakaの最後には、参加者の投票を経て、近畿地区の代表が発表された。6組の登壇者の中で最も支持を集めたのは……大阪岸和田の型枠製造メーカーである高洋商会の天堀真紀子さんと稲田千保さん(関連記事:岸和田のおかんが語るkintoneの育て方 大事なのは「忍耐と根気」「現場の声」、そして「母心」)。2人は、幕張メッセで開催されるCybozu Daysのkintone AWARDに出場予定だ。
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