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Red Hat Summit 2026 現地レポート 第2回

日本企業のVMware移行の現在、データ主権への向き合い方まで

永遠に更新できる「RHEL Forever」は、日本の声が実ったもの ― レッドハット三浦社長が語るAI時代のインフラ

2026年05月27日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 福澤/TECH.ASCII.jp

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 VMwareのライセンス体系変更、エージェンティックAIの台頭、地政学的リスクの高まり――。現在、企業のITインフラを取り巻く環境は大きく揺れている。こうした中でRed Hatは、イノベーションを急ピッチで進める一方で、永久に更新できるサポートプログラムを発表するなど、“スピードと安定”の両輪で顧客を支えていく。

 Red Hatは、2026年5月、米アトランタで年次イベント「Red Hat Summit 2026」を開催した(参考記事:ついに“永遠に使える”RHELが登場 Red HatはAI時代も「他にはない選択肢を提供していく」)。

 同イベントの会場で、日本法人を率いる三浦美穂氏に、今回の発表の目玉であったRHEL(Red Hat Enterprise Linux)の長期サポート「Red Hat Enterprise Linux Long-Life Add-On」やAI管理のコントロールプレーン「AI Gateway」について話を聞いた。あわせて、日本企業のVMware移行の現在、データ主権への向き合い方についても尋ねている。

レッドハット 代表取締役社長 三浦美穂氏

「サポート期間が足りない」という声は日本市場が最も強かった

── 今回のRed Hat Summitでは、”RHEL Forever”(「Red Hat Enterprise Linux Long-Life Add-On」)を発表しました。無期限でサポートを受けられるということですが、そのような要望が多かったということでしょうか?

 RHELはもともと10年サポートですが、メジャーバージョン内でマイナーリリースが順次出てくるため、例えば9.3や9.4で止まっている顧客は10年より短くサポートが切れてしまいます。延長オプションもありますが、「それでも足りない」という声が日本から一番多く上がっていました。特に、官公庁や金融機関から長年要望をいただいており、今回のRHEL Foreverがグローバルで実現しました。

 このアドオンは、サポート期限が切れた後も、毎年更新することでサポートが継続されます。永続契約ではなく年次更新のため、毎年サポートの要否を判断できるのが特徴です。それでも、継続を選ぶ顧客が日本には非常に多い。テストに1年かける金融機関を始めとする顧客からは「助かる」という声を多くいただいています。

── 永久にサポートが受けられるとなると、モダナイゼーションが進まなくなるという懸念もあります。

 確かに、悩ましい側面はあります。ただ、現実問題として、すべてを一気にモダナイズするのは不可能です。そのため塩漬けをするレガシー領域と、カスタマーインターフェースなど刷新すべき領域を切り分ける。両方の選択肢を広げるアプローチです。

 さらに、AI活用のために、古いシステムをそのまま使い続けることはできない状況になりつつあります。インフラの保守はRed Hatに任せ、顧客はアプリケーションや業務改善に力を注ぐ、という役割分担が成り立ちます。インフラ保守の専門知識を持つ人材も減っている中、意味のあるオファリングだと思います。

── もう一つ注目の発表として「AI Gateway」がありました。

 イベントで発表した「Red Hat AI 3.4」で導入した新機能です。Red Hatはこれまで「Any Model(あらゆるモデル)、Any Cloud(あらゆるクラウド)、Any Accelerator(あらゆるアクセラレーター)」を掲げてきましたが、AI Gatewayの登場で「Any Agent(あらゆるエージェント)」が加わります。

 組織がさまざまなエージェントを構築・活用する際に、それを統合管理できるコントロールプレーンの役割を果たします。ハードウェアアクセラレーターからクラウド環境、AIモデルまで一貫して「Any」を掲げてきたRed Hatが、次のターゲットとしてエージェント管理の共通基盤を提供する ―― その延長線上にある発表です。

 Red Hatはアプリケーションのシステムインテグレーションは手がけないプラットフォームカンパニーです。エージェンティックAIが広がる中で、組織が直面する「複数のエージェントをどう管理するか」という課題に、オープンな共通プラットフォームで応えていく。まさにRed Hatらしいアプローチだと思っています。

── SaaSベンダーもエージェント管理層を狙っています。競合になりますか?

 Red Hatが目指すのは誰とも競合せず、選択肢を広げることです。特定のベンダーに依存する選択をとる組織もあるでしょう。ただ、技術主権、ソブリンティを握りたいなら、オープンな技術の方がベンダーロックインを避けられます。オープンな技術を採用するSaaSベンダーも、選択肢のひとつとして組み合わせることができるという考え方です。

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