コンテンツのエコシステムをAI時代向けにアップデート
「粗悪記事」「ゼロクリック」「搾取」からクリエイターをどう守るか? AIに強いnoteが挑む創作エコシステム
2026年05月14日 07時00分更新
AIからの流入期待値が他サイトより4倍高いnoteだからできること
AI時代の創作エコシステムのため、noteは早い段階からAI時代への適合を進め、結果PVを伸ばし続けている。PV数は2024年4Qに比べて1.6倍も伸びており、現在のMAU(2025年6~11月の平均)は8660万に達する。日本のWebサイト全体で見ても、pixiv、wikipediaに次ぐ13位というランクで、メディア力はますます向上している。
注目すべきは、AIからの流入期待値が他サイトに比べて4倍近いという調査だ(ヴァリューズ調べ)。「AIはネット上のまとめ記事やノイズ記事より、その人にしか書けない体験記事や見解を優先する。SEO時代から重視されていたことだが、AI時代もその傾向が色濃く引き継がれている。それがnoteに集まっているため、AIからの参照が多い」と今氏は分析する。
もちろん、これは一朝一夕で実現したものではない。長年のSEO対策でAIにとっても読みやすく、ノイズ除去やマークアップの最適化も達成されている。また、「信頼できる巨大な広場」から参照コンテンツを探索するAIにとって、noteはGoogleから高い評価を受けるドメインパワーを持っているという。
AIにとっても無視できないコンテンツプラットフォーマーとなっているnoteは、昨年からクリエイター向けの「AI学習対価還元プログラム」をスタートしている。これは許諾を得たクリエイターのコンテンツを学習データとしてAI事業者に提供し、そこで発生した収益をクリエイターに分配するという仕組みだ。参加した1218人で、第1回のトライアルでの総還元額は502万8056円。PVだけでなく、構成、表現、専門性を独自アルゴリズムで決定し、最大40万円超えの支払となっている。
noteが率先して、アイデアを出し、実験の成果を還元していく
もう1つは生成AI国家プロジェクト「GENIAC」で行なっているコンテンツデータベースの生成だ。経産省・NEDOによる委託事業であるGENIACでは、出版社、報道機関、学術機関、Webメディア、個人クリエイターなどのコンテンツを検索可能なRAGデータベースに集約。その利用履歴に基づき、生成AIのサービス事業者からの対価をコンテンツホルダーに還元するという仕組みだ。「こういった取り組みが世界でもないので、まだ実験の段階。今年・来年で整備を進めたい」と今氏は語る。
noteが挑んできたAI時代の創作のエコシステムについて説明してきた今氏だが、「現状では『正解』や『落とし所』が決まっていない」と指摘する。そのため、プロダクトでの工夫のみならず、ステークホルダーのインセンティブ設計、ルール・透明性・ガバナンスの整備、権利処理や還元処理の整備、クリエイター保護の仕組みなど、さまざまな論点をステークホルダー含めて議論することが必要だという。
業界ぐるみでAI時代の創作エコシステムを模索するnote。今氏は、「弊社のような実績を持ったメディアプラットフォーマーが、率先してアイデアや企画を出し、実験を行なっていく。その成果の知見をお返ししながら、仕組み作りを進めていきたいと考えている」とコメントし、内容をサマリして登壇を終えた。
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