カメラ記者クラブは43回目の開催となる「カメラグランプリ2026」の各賞を発表した。
カメラグランプリは、カメラ・写真雑誌・WEBの編集部で構成されるカメラ記者クラブが主催する年に1度のイベントだ。
記者やプロカメラマンの投票によって、2025年4月から2026年3月までに発売となった全カメラとレンズを対象に、優秀な製品を選んで表彰するもの。今年も最優秀カメラの「大賞」、「レンズ賞」が発表となった。
また、⼀般ユーザーがWeb 上の専⽤サイトから投票する「あなたが選ぶベストカメラ賞」「あなたが選ぶベストレンズ賞」、カメラ記者クラブ会員が「⼤賞」「レンズ賞」を受賞した製品を除くすべてのカメラと写真製品・機材を対象に、⼤衆性・話題性・先進性に特に優れた製品を選ぶ「カメラ記者クラブ賞」は3機種が選ばれた。
カメラグランプリ2026
大賞
ソニー「α7Ⅴ」
無印α7の最新モデルで、撮像素子に新しい部分積層型センサーを、画像処理エンジンにはAIプロセッサーを統合し、高速連写が可能となったのが特徴だ。
[選考理由]
AIプロセッシングユニットを統合した「BIONZ XR2」により、高度な処理能力と低消費電力を両立。部分積層型CMOSセンサーの搭載は、最大約16ストップに及ぶ広いダイナミックレンジと、14bit RAWでのブラックアウトフリー最高約30コマ/秒連写を可能にした。
フラッグシップ機譲りのリアルタイム認識AFは、追従精度と信頼性をさらに⼀段引き上げている。全画素読み出しの4K60p動画や、⾃由度の⾼い4軸マルチアングル液晶モニターの採⽤など、表現者の多様なニーズを⾼い次元で充⾜させている。
従来の「ベーシック機」という枠組みを刷新し、フルサイズミラーレスカメラの新たなスタンダードを定義したその完成度は、選考委員から極めて⾼い評価を得た。最先端技術を幅広いユーザー層に開放した意義を称え、本機を⼤賞に選出した。
2位
キヤノン「EOS R6 MarkⅢ」
撮像素子が2420万画素から3250万画素に向上、動画撮影ではオーバーサンプリングによる4K記録や7Kオープンゲート記録などを実現したEOS最新モデルだ。
3位
ニコン「ZR」
カメラグランプリでは珍しいシネマモデル。フルサイズセンサー搭載でグループ会社「RED」の技術を融合。「Z CINEMA」の最小モデルで、最大6K(6048×3402)、59.94pで内部収録が可能だ。
4位
ニコン「Z5Ⅱ」
裏面照射の2450万画素で、静止画では最高6048×4032ドット。動画は最高で4K60Pでの記録が可能。AF速度はZ5の3倍高速化し、被写体検出は、人物(顔、瞳、頭部、胴体)、犬、猫、鳥、飛行機、車、バイク、自転車、列車の9種を搭載する。
5位
シグマ「BF」
カメラ史上初となる完全ユニボディのフルサイズカメラで、外観に加え、ユーザーインターフェースとメニューシステムも未来デザインなのが最大の特徴だ。
カメラグランプリ 2026
レンズ賞
ソニー「FE 50-150mm F2 GM」
「FE 28-70mm F2 GM」に続くF2通しズームの2本目で、「FE 24-70mm F2.8 GM II」、「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II」より明るいズームレンズが揃った。新設計の11枚羽根の円形絞りユニットにより、開放から2段絞っても高い円形形状を保つ。17群19枚で、2枚のSuper ED(特殊堤分散)ガラスと3枚のED(特殊堤分散)ガラスを使用し、色収差を十分に補正する。
[選考理由]
50mmから150mmまでのズーム全域で開放絞りF2を実現した世界初の⼤⼝径ズームレンズ。超⾼度⾮球⾯XAレンズ2枚を効果的に配置した⾰新的な光学設計により、単焦点レンズに迫る優れた解像⼒と⾃然でやわらかいぼけを描き出す。最⼤撮影倍率は0.2倍と⾼い近接撮影性能も備える。それらが質量約1,340g(三脚座別)の軽量設計でまとめられ、機動性が求められるポートレート、ウエディングや室内イベント・スポーツなどプロフェッショナルの現場で評価され、「カメラグランプリ2026レンズ賞」に決定した。
2位
キヤノン「RF45mm F1.2 STM」
開放F1.2の大口径ながら、「プラスチックモールド非球面レンズ」を使用、手頃な価格を実現している。
3位
シグマ「20-200mm F3.5-6.3 DG | Contemporary」
世界で初めて超広角20mmからの10倍ズームを実現した高倍率ズームレンズ。最大撮影倍率1:2を活かしたクローズアップも可能で、徹底した小型・軽量設計で全長115.5mm、重さ550gも特徴。
4位
ニコン「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S II」
大三元ながらインナーズームの採用で小型軽量化を実現したのが最大の特徴で、ズーミングで全長は変わらない。前モデルより130g軽く、最大径は89mmから84mmに小型化した。
5位
OM デジタルソリューションズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PRO」
フルサイズ換算で100-400mmでF2.8を実現しながら、最大撮影倍率0.5倍で1kgを実現した。
あなたが選ぶベストカメラ賞
キヤノン「EOS R6 Mark III」
[投票理由](⼀部抜粋/編集)
・ランクアップしたスタンダード機としてソツのない仕上がりになっており、これさえあればなんでも撮れるという安⼼感があります。
・EOS R5 Mark Ⅱと遜⾊ないカメラで価格はR5より安い。CFexpressカードが使えるようになったので、もうこれで⼗分でしょと思わせるカメラ。
・CP+にて試し撮りを体験した際、ピントの精度やシャッターを切る⼼地よさに満⾜したから。
・4⽉から写真学科で学び始める⾝として、これからの数年間を共にする『信頼の基準』としてこの⼀台を選びました。スペックの数字以上に『撮り⼿の意図を裏切らない』という哲学を感じます。プロを⽬指す学⽣にとって、表現の基礎を叩き込むための最⾼の教科書であり、相棒になると確信しています。
・動きのある⼦どもや⽇常の⼀瞬をキレイに残せるからです。⼤切な思い出を、より鮮明に残せる1台だと思い選びました。
・EOS 5D Mark Ⅳを彷彿とさせる全体的な完成度を感じるため。
・性能、重量、すべてにおいて、使うのにちょうどいいスペックだから。 ・画質・価格のバランスが最も良い。
あなたが選ぶベストレンズ賞
キヤノン「RF45mm F1.2 STM」
[投票理由](⼀部抜粋/編集)
・廉価で個性的しかもF値1.2。 レンズ開発陣に拍⼿したい!
・夢だったF1.2レンズがこんなにも安く⼿元にきて驚いています。ポートレートやスナッ プ撮影が⼀段と楽しくなりました。⾼スペックだけじゃない⽅向で技術⼒を⽰したレンズ として選びます。
・レンズが⾼解像度で⾼い⽅向性ばかりの所に現れたアンチテーゼ。もっと⾊々なベクト ルのレンズが現れて欲しい。
・ソニーユーザーですが、RF45mmは気になるレンズです。最新ですが、オールドレンズのような描写が楽しめる。F1.2でありながら6万円台という破格の値段。使っていて楽しそうなので、⼀度使ってみたいレンズです。
・RFレンズといえば⾼嶺の花だったが、F1.2という明るさにもかかわらず信じられない 価格。EFレンズの設計を流⽤したレンズということで、今後も同じようなレンズの登場に 期待したい。
・⼤⼝径レンズは⾼価で⾼性能、という固定観念を打破した新しいコンセプトの商品であるため。⼤⼝径は欲しいが究極の解像を求めているわけではない、というユーザーニーズに応えた。
カメラグランプリ 2026
カメラ記者クラブ賞【技術賞】
リコーイメージング「RICOH GR IV Monochrome」
最新「GRⅣ」の派生モデルで、モノクロ専用センサーを搭載し、白黒写真しか撮ることができない。撮像素子はAPS-Cサイズで有効約2574万画素、ローパスフィルターレスのモノクローム専用CMOSイメージセンサーを新たに搭載している。
[選考理由]
APS-Cセンサー搭載のコンパクトカメラで初のモノクロ専⽤機。モノクローム表現を極めるため、モノクローム専⽤イメージセンサーを搭載し、カラーフィルターと補間処理を排し、GRレンズの優れた光学性能を引き出すことで、解像⼒、豊かなグラデーション、低ディストーション、GRレンズの真価をモノクロームで発揮。また、NDフィルターの代わりに⾚⾊フィルターをレンズユニットに内蔵し、印象の強い写真を得ることができ、写真表現者の⼼を揺さぶる。「RICOH GR」シリーズ 誕⽣30周年を迎え、最強のスナップシューターに挑戦し続ける姿勢は、「カメラグランプリ2026 カメラ記者クラブ・技術賞」に⽂句ない孤⾼の存在として評価した。
カメラグランプリ 2026
カメラ記者クラブ賞【企画賞】
シグマ「SIGMA BF」
[選考理由]
「撮る」という⾏為の本質に⽴ち返る設計思想のもと、操作系および表⽰系を極限まで簡素化することで、撮影そのものに深く集中できる独⾃のユーザーインターフェースを実現した点を⾼く評価。さらに、アルミ削り出しによるユニボディ構造は⾼い剛性と⼯芸的な美しさを両⽴し、カメラというプロダクトの物質的魅⼒を⼤胆に表現する。
多機能化が進む従来の流れとは異なったアプローチからカメラの存在意義を問い直し、 新たな価値と⽅向性を提⽰したその⾰新性は特筆に値する。
カメラグランプリ 2026
カメラ記者クラブ賞【企画賞】
富士フイルム「X half」
往年のハーフサイズカメラから着想を得た、新発想のコンパクトデジタルカメラ。撮像素子は13.3×8.8mmの1型サイズで、1774万画素で縦長3:4比率、光学ファインダー、背面液晶も縦型だ。
[選考理由]
富⼠フイルムX halfはフィルムカメラのハーフ判をモチーフにした縦位置撮影を基本とした新しいコンセプトのコンパクトデジタルカメラ。240gの⼩型軽量性で、フィルムカメラライクなルックスなど⽇常的な使いやすさで若年層にもアピール。
「期限切れフィルム」や「ミラー」「ライトリーク」など独特なフィルター効果も搭載。またライブビュー表⽰もなく画像再⽣もない、巻き上げレバーを巻かないと次の撮影ができないといった「フィルムカメラモード」を搭載するなど、デジタルカメラでありながらフィルムカメラのような撮影体験を提供するユニークなコンセプトを評価し、「カメラグランプリ2026のカメラ記者クラブ・企画賞」に選定した。
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