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話題沸騰中のRyzen 9 9950X3D2をASRock Challengerシリーズで固めたチャレンジ構成! 安価なマザーとハイエンドCPUの組み合わせはいかに?

文●KTU (加藤勝明) 編集●北村/ASCII

提供: ASRock

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85度設定の方がお得

 今回のASRockのChallengerづくし(電源はProだが)環境でRyzen 9 9950X3D2を動かしても、パフォーマンスが特別出ていない印象はない。むしろPBOを利用して軽くオーバークロックした状態の方がパフォーマンスが出るような傾向も観測された。

 ここから先はCINEBENCH 2026のnTテスト実行中におけるCPUのクロックや温度といった安定性に関わる部分を検証することにする。テストはCINEBENCH 2026のnTテストを2時間連続で動かし、その最中のCPUクロックやCPU温度(Tctl/Tdie)を「HWiNFO Pro」で追跡する。今回のテスト環境は室温28度環境に設置し、メモリースロット側からI/Oパネル側に風が抜けるよう14cmファンを固定している。そしてこのテストでは定格運用だが追加の14cmファンのない状態(No Fanと表記)においても同様に追跡している。

CINEBENCH 2026 nTテスト中のCPUクロック(全体図)

CINEBENCH 2026 nTテスト中のCPUクロック:上のグラフだと重なりすぎて傾向が読み取れないため拡大した。定格設定(R9 9950X3D2表記、青い線)と定格だがファンのない設定(No Fan表記、オレンジの線)がほんのわずかな差を保ちつつ重なっているように見える

 クロックの推移を見ると、Tjmax85度制限を課していてもなお、Ryzen 9 9950X3D2の定格運用よりもクロックが上昇していることが確認できる。No Fan設定時のクロックは定格運用時とほぼ同じだが、時間が経過するごとに徐々にNo Fan設定時のクロックが低下していることに注目したい。短時間の処理であればCPUソケット周辺の風量はほぼ関係ないが、長時間高負荷が続くに従ってCPUクーラーの性能を弱めていることが示されている。

CINEBENCH 2026 nTテスト中のCPU Tctl/Tdie

CINEBENCH 2026 nTテスト中のCPU Tctl/Tdie(拡大)

 次にCPU温度だが、定格運用では最大92度まで上昇するが、PBO&Tjmax85度設定にすれば86度で頭打ちになる。ここで前掲のベンチマークでは定格運用時よりPBO&Tjmax85度設定の方がCINEBENCH 2026やHandBrakeでは良い結果を出していた点を思い出してほしい。

Ryzen 9 9950X3D2の温度が90度を超えるのはRyzenがそうさせている(温度の限界まで回す)のであって、Curve Optimizerでコア電圧を下げつつPBOを効かせ、さらにTjmaxも制限すれば性能上昇(ゲーム性能は変わらず)とCPU温度低下の両立が得られるというわけだ。

 そして手動によるTjmax設定のないPBO設定の方が若干温度が高くなる傾向や、定格運用でもCPUソケット付近を動かすファンがない状態での温度の傾向にも注目。特にNo Fan設定ではCPU温度が最も高くなる点に注目したい。Challenger Pure 360でもRyzen 9 9950X3D2は余裕で運用できるが、CPUソケットの空気が動かない状態では温度がなかなか下がらないことを示唆している。

CINEBENCH 2026 nTテスト中におけるCPU Package Power

CINEBENCH 2026 nTテスト中におけるCPU Package Power(拡大)

 CPUのPackage Powerを見ると、PBO&Tjmax85度設定では電力制限が課せられていることが分かる。だがそれ以外の設定では、CPU Package Powerに大きな差は出ていない。No Fan設定だろうが手動PBOだろうがおおよそ220〜230Wあたりで安定している。

 最後にCPUの電源回路を冷却するヒートシンクの表面温度をチェックしよう。今回使用したX870E Challenger WiFiもまだHWiNFOの温度センサー情報でMOS温度を直接取得できない状態であったため、ヒートシンク表面にElitech製の温度ロガー「RC-5+TE」のプローブを張り付けて計測した。CINEBENCH 2026の2時間連続テスト中に計測した。

温度ロガーの貼り付け位置。ヒートシンクが小さく温度が上がりやすい

X870E Challenger WiFiのヒートシンク表面温度

 ファンがない状態では表面温度は最終的に67度まで上昇。メモリースロットからI/Oパネル側に抜けるファンが1基あればヒートシンク表面温度は劇的に低下する。

定格運用にプラスαが重要

 以上でX870E Challenger WiFiのレビューは終了だ。Socket AM5向けマザーの場合、B850でもX870EでもCPUの性能が大きく変わることはない。変わるのはM.2の構成やオンボードデバイス、接続性や拡張性といった足回りの部分に差が出てくる。

 だがX870Eは最上位だけあってミドルクラスのマザーを選んでもしっかりとした食べ応えのあるものが手に入る。X870E Challenger WiFiは食べ応え十分な一枚といえるだろう。価格が安めなだけあってCPU周辺やM.2ヒートシンクの作りが簡素なことを除けば、オンボードデバイスは十分豪華だし、なによりRyzen 9 9950X3D2を問題なく運用できる。

X870E Challenger WiFiは、価格が安めなChallengerシリーズに属する製品だが、Ryzen 9 9950X3D2を問題なく運用できる

 ただ発熱量が大きいCPUであるため、ひと工夫を追加することで性能を犠牲にせず安心感をさらに向上させることが可能だ。今回の例でいえばPBOでCurve OptimizerをNegative Offsetにすること(ただしこれはCPU個体差もあるので運要素も絡む)、そしてCPUソケット付近の空気を動かすファンを最低1基は用意しておくことだ。Ryzen 9 9950X3D2は消費電力の大きいCPUだが、正しく運用すればこわくないのだ。

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